7. QGISのユーザインタフェース

QGISのグラフィカルユーザインタフェース (GUI) を以下に図で示します。黄色い丸の 1 から 5 の番号はQGIS GUIの重要な構成要素を表しています。それらについて以下で説明します。

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図 7.1 AlaskaサンプルデータでのQGIS GUI

注釈

ウィンドウの装飾(タイトルバー等)は利用している オペレーティングシステムやウィンドウマネージャによって見かけが異なります.

QGISのメインGUI( 図 7.1 ) は5つのコンポーネントで構成されています。コンポーネントのタイプは以下のとおりです:

  1. メニューバー

  2. ツールバー

  3. パネル

  4. マップビュー

  5. ステータスバー

これらの詳細な説明は、下にスクロールして見てください。

7.2. パネルとツールバー

ビュー メニュー( kde設定)でQGISのパネル(パネル ►) やツールバー(ツールバー ►)の オン・オフを切り替えられます。これらのいずれかを有効化(あるいは無効化)するには、メニューバーやツールバーを右クリックし、必要な項目を選択します。パネルやツールバーは、QGISインターフェース の好きな場所に移動して配置できます。このリストは、コアまたは外部プラグイン の有効化で拡張することもできます。

7.2.1. ツールバー

ツールバーはメニュー内の機能の大半にアクセスできるだけでなく、さらにマップを操作するためのツールにもアクセスできます。ツールバーの各アイテムにはポップアップヘルプがあります。アイテムの上にマウスを置くと、ツールの目的に関する簡単な説明が表示されます。

すべてのツールバーは必要に応じて移動できます。さらに、マウスの右ボタンのコンテキストメニューを使用して、またはツールバーの上にマウスを置くことによって、非表示に切り替えることができます。

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図 7.2 ツールバーメニュー

ちなみに

ツールバーの復元

誤ってツールバーを非表示にしてしまった場合には、ビュー ► ツールバー ►kde の場合は 設定 ► ツールバー ►)を使ってもとに戻すことができます。何らかの要因でツールバー(またはその他のパネル)が完全に消えてしまった場合には、 GUIの初期状態の復元 に元に戻すためのヒントがあります。

7.2.2. パネル

QGISにはさまざまなパネルがあります。パネルとは、より複雑な作業(オプションの選択、ボックスのチェック、値の入力など)を実行するための特別なウィジェットです。

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図 7.3 パネルメニュー

以下はQGISが提供するデフォルトのパネルの一覧です。

7.3. マップビュー

7.3.1. マップビューについて詳しくみる

マップビュー(マップキャンバス も呼びます)はQGISの「ビジネスエンド」、すなわちこの領域に地図が2次元で表示されます。この画面に表示される地図は、ロードしたレイヤに適用したレンダリング(シンボロジ、ラベル、可視性など)が反映されています。また、レイヤとプロジェクトの座標参照系(CRS)にも依存します。

レイヤを追加(たとえば データを開く を参照)すると、QGISは自動的にそのレイヤのCRSを探します。空のQGISプロジェクトから始める場合、デフォルトで別のCRSがプロジェクトに設定されているとき( プロジェクトの座標参照系 を参照)には、レイヤの範囲は「オンザフライ」にそのCRSに変換され、マップビューはその範囲にズームします。プロジェクトにすでにレイヤがある場合にはマップキャンバスのサイズ変更は実行されず、現在のマップキャンバス範囲にある地物が表示されるだけです。

マップビューをクリックして、以下の方法でマップビューを操作できます。

  • 画面をパンして、地図の表示を別の領域に移動させることができます。これは pan 地図を移動 ツールを使用するか、キーボードの矢印キーを押すか、キーボードの スペース キー・マウスの中ボタン・マウスホイールのどれかを押したままマウスを移動することで実行できます。

  • 専用の zoomIn 拡大zoomIn 縮小 ツールを使ってズームインおよびズームアウトすることができます。 Alt キーを押すと、ツールを他方に切り替えます。マウスホイールを前方に回してズームイン、後方に回してズームアウトすることもできます。ズームはマウスカーソル位置を中心にして行われます。

    設定 ► オプション ► ツール メニューで ズーム倍率 をカスタマイズできます。

  • ロードされた全てのレイヤの範囲全域(zoomFullExtent 全域表示)、あるレイヤの範囲(zoomToLayer レイヤの領域にズーム)または、選択した地物の範囲に(zoomToSelected 選択部分にズーム)にズームすることができます。

  • zoomLast直前の表示領域にズームzoomNext次の表示領域にズーム ボタンを使うか、マウスの戻る/進むボタンを使用して、キャンバスビューの履歴を前後に移動できます。

地図上を右クリックすると、地図のCRS、WGS84あるいはカスタムCRSでクリックした点の editCopy 座標のコピー ができます。コピーされた情報は式やスクリプト、テキストエディタやスプレッドシートなどに貼りつることができます。

デフォルトでは、QGISは単一のマップビュー(「メインマップ」と呼ばれます)を開きます。これは レイヤ パネルと密接に結びついています。メインマップは レイヤ パネルで行った変更が 自動的に 反映されます。しかし、レイヤ パネルの現在の状態とは異なる内容の追加のマップビューを開くこともできます。 追加のマップビューは2Dまたは 3D で、別のスケールや範囲を表示することができ、 地図テーマ を使用すれば読み込んだレイヤを異なる組み合わせで表示することもできます。

7.3.2. 追加のマップビューの設定

新しいマップビューを追加するには、ビュー ► newMap 新しいマップビュー を押します。すると、メインマップビューのレンダリングをコピーする新しいフローティングウィジェットがQGISに追加されます。 マップビューは必要なだけ追加することができます。追加したマップビューはフローティングのままにすることも、縦横に並べたり、上に積み重ねたりすることもできます。

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図 7.4 設定が異なる複数のマップビュー

追加したマップキャンバスの上部には、以下の機能を持つツールバーがあります。

  • ビュー内を移動するための zoomFullExtent 全域表示zoomToSelected 選択部分にズーム 、そして zoomToLayer レイヤの領域にズーム

  • マップビューに表示する マップテーマ を選択するための showMapTheme ビューテーマの設定(none) に設定されている場合は、ビューは レイヤ パネルの変更に従います。

  • マップビューの設定のための options 表示設定

    • radioButtonOn 地図をビューの中心と同期させる :縮尺を変えずにマップビューの中心を同期させます。これにより、メインキャンバスの中心に合わせた索引図スタイルや拡大図を作成できます。

    • radioButtonOff ビューを選択と同期させる:「選択部分にズーム」と同じようにズームします。

    • 縮尺

    • 回転

    • 拡大

    • unchecked 縮尺の同期 :これによってメインマップの縮尺に対する 縮尺係数 を適用でき、例えば縮尺を常に 2 倍にしたビューを作成できます。

    • checkbox 注釈を表示する

    • checkbox カーソル位置を表示する

    • unchecked メインキャンバスの領域を表示する

    • checkbox ラベルを表示:チェックを外すと、表示されているレイヤのプロパティで設定されているかどうかに関係なくラベルを非表示にすることができます。

    • CRSを変更する...

    • ビューの名前を変更...

7.3.3. マップビューのエクスポート

作成したマップは、 印刷レイアウトやレポート の高度な機能を使用して、さまざまな形式にレイアウトしエクスポートすることができます。また、レイアウトなしで現在の表示を直接エクスポートすることもできます。このマップビューの「スクリーンショット」には、便利な機能がいくつかあります。

現在の表示でマップキャンバスをエクスポートするには、

  1. プロジェクト ► インポートとエクスポート を選び、

  2. 出力形式に応じて次のいずれかを選択します。

    • saveMapAsImage 地図を画像にエクスポート...

    • saveAsPDF 地図をPDFにエクスポート...

この2つのツールには共通のオプションがあります。次のようなダイアログが開きます。

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図 7.5 「地図を画像として保存」ダイアログ

  1. エクスポートする 領域 を選択します。現在のビュー(デフォルト)、レイヤの範囲、またはマップキャンバスに描画するカスタムの範囲を選べます。選択した領域の座標がダイアログに表示され、手動で編集できます。

  2. 地図の 縮尺 を入力するか、定義済み縮尺 の中から選択します。 縮尺を変更すると、エクスポートする領域が(中心を基準に)変更されます。

  3. 出力の 解像度 を設定します。

  4. 画像の 出力の幅出力の高さ をピクセル単位で設定します。 デフォルトは現在の解像度と領域に基づきますが、変更することもでき、地図の領域が(中心を基準に)変更されます。縦横比は固定することができ、これは出力領域をマップキャンバスに描画するときに特に便利です。

  5. checkbox アクティブな装飾を描く: 使用中の 地図整飾 (スケールバー、タイトルラベル、グリッド、方位記号など)が地図と共にエクスポートされます。

  6. checkbox 注記を描画 :任意の 注記 をエクスポートします。

  7. checkbox 地理参照情報の追加: 出力形式に応じて、同じ名前のワールドファイル(出力が PNG 画像ならば PNGWJPG 画像ならば JPGW 等の拡張子を持つファイル)が画像と同じフォルダに保存されます。PDF 形式では、PDFファイルの中に情報が埋め込まれます。

  8. PDFにエクスポートする場合は、 地図をPDFにエクスポート... ダイアログ内で使用できる追加オプションがあります。

    ../../../_images/saveMapAsPDF.png

    図 7.6 「PDF形式で地図を保存」ダイアログ

    • checkbox RDF メタデータのエクスポート(title, authorなど): タイトル、著者、日付、説明などをエクスポートします。

    • unchecked ジオPDF (GeoPDF) を作成: ジオリファレンスされた PDF ファイル を作成します。(GDAL バージョン3 以降が必要です)。以下の設定ができます。

      • フォーマット : GeoPDF フォーマットの選択

      • checkbox ベクタ地物情報を含める: 地図に表示される地物のすべてのジオメトリと属性情報を出力 GeoPDF ファイルに含めます。

      注釈

      QGIS 3.10以降、GDAL 3 では GeoPDF ファイルもデータソースとして使用できます。QGISでの GeoPDF サポートの詳細については、 https://north-road.com/2019/09/03/qgis-3-10-loves-geopdf/ を参照してください。

    • 地図をラスタ化する

    • checkbox ジオメトリを簡略化してファイルを縮小する: マップのエクスポート中に、エクスポート先の解像度では区別することができない頂点を削除することでジオメトリが簡略化されます(たとえば、エクスポート先の解像度が 300 dpi ならば、 1/600 インチ よりも近い頂点は削除されます)。これにより、出力ファイルのサイズと複雑さを減少させることができます(非常に大きなファイルは他のアプリケーションでの読み込みに失敗する可能性があります)。

    • テキスト出力: テキストラベルを適切なテキストオブジェクトとして出力(テキストを常にテキストオブジェクトとして出力)するか、 パスのみとして(テキストを常にパスとして出力)するかを設定します。 テキストオブジェクトとしてエクスポートした場合、外部アプリケーション(Inkscapeなど)で通常のテキストとして編集することができます。 ただし、副作用としてレンダリング品質が低下し、さらにテキストにバッファ等の特定の設定がなされていると、レンダリングに問題が発生します。このため、テキストをパスとして出力することを推奨しています。

  9. 保存 をクリックして、ファイルの場所、名前、形式を選択します。

    地図を画像にエクスポートする場合は、上の設定による出力結果を クリップボードへコピー し、 LibreOffice や GIMP 等の別のアプリケーションに地図を張り付けることもできます。

7.4. 3Dマップビュー

3次元可視化サポートは3Dマップビューによって提供されます。ビュー ► new3DMap 新しい3Dビュー によって、3Dマップビューを作成して開きます。フローティングのQGISパネルが表示されます。このパネルはドッキング可能です。

まず最初の状態では、3Dマップビューの範囲とビューは2Dのメインマップキャンバスと同じです。このビューを3次元に変化させるためのナビゲーションツールが利用できます。

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図 7.7 3Dマップビューダイアログ

3Dマップビューパネルの上部には、以下のツールがあります。

  • pan カメラコントロール: カメラの角度と方向を維持しながらビューを移動させます

  • zoomFullExtent 全域表示: ビューをレイヤ全体の範囲にサイズ変更します

  • 3dNavigation 画面操作の切り替え: (マップビューの操作を簡単にするための)ナビゲーションウィジェットを表示/非表示にします

  • identify 地物情報表示: クリックされた地点の地形情報、もしくはクリックされた3次元地物の情報を表示します(詳細については 地物を識別する を参照)

  • measure 測定ライン: ポイント間の水平距離を測定します

  • play アニメーション: アニメーションプレーヤー ウィジェットを表示/非表示 にします

  • saveMapAsImage 画像として保存...: 現在のビューを画像ファイル形式でエクスポートします

  • 3d 3Dシーンの出力... :現在のビューを3Dシーン( .obj ファイル)として出力し、Blender等のアプリケーションで後処理できるようにします。地形とベクタ地物が3Dオブジェクトとしてエクスポートされます。エクスポート設定には以下のものが含まれ、レイヤの プロパティ やマップビューの 設定 を上書きします。

    • シーン名 と出力先 フォルダ

    • 地形解像度

    • 地形テキスチャの解像度

    • モデル縮尺

    • checkbox エッジのスムージング

    • checkbox 法線をエクスポート

    • checkbox テキスチャをエクスポート

  • showMapTheme ビューテーマの設定 :定義済みの マップテーマ から、から、マップビューに表示するレイヤの組み合わせを選択できます。

  • options 設定 マップビューの 設定 を行います

7.4.2. アニメーションの作成

アニメーションはキーフレーム(特定の時刻のカメラ位置)の集合に基づいています。アニメーションを作成するには、

  1. play アニメーション ツールをオンに切り替え、アニメーションプレイヤーウィジェットを表示させます

  2. signPlus キーフレームを追加 ボタンをクリックして、 キーフレーム時間 を秒単位で入力します。キーフレーム コンボボックスには、キーフレーム時間の集合が表示されます。

  3. ナビゲーションツールを使用してカメラを移動させ、カメラ位置を現在のキーフレーム時間に関連付けます。

  4. 上の手順を繰り返して、必要な数のキーフレーム(時間とカメラ位置)を追加します。

  5. play ボタンをクリックして、アニメーションをプレビューします。QGISは設定したキーフレーム時間のカメラ位置/回転 を使用してシーンを生成し、キーフレーム間のカメラ位置/回転を補間します。アニメーションにはさまざまな 内挿 モードが利用可能です(例えば Linear(線形)、 InQuad、OutQuad、InCircなど -- 詳細は https://doc.qt.io/qt-5/qeasingcurve.html#EasingFunction-typedef を参照してください)。

    タイムスライダーを動かしてアニメーションをプレビューすることもできます。refresh 反復 ボタンを押した状態にするとアニメーションが繰り返し実行され、play ボタンをクリックすると実行中のアニメーションを停止します。

キーフレーム リストを使用して、異なるカメラビューを試すことができます。キーフレーム時間がアクティブなときは、マップビューを変更すると関連するカメラ位置が自動的に更新されます。また、 symbologyEdit キーフレームを編集 ボタンで時刻のみ変更したり、 signMinus キーフレームを削除 ボタンでキーフレーム時間を削除することもできます。

fileSave アニメーション出力フレーム を使用して、シーンを表す一連の画像を生成します。出力ファイル名の テンプレート出力ディレクトリ のほか、フレーム数/秒出力の幅出力の高さ を設定することができます。

7.4.3. シーン設定

3Dマップビューはデフォルトの設定で開かれますが、設定のいくつかはカスタマイズが可能です。設定を変更するためには、3Dキャンバスパネルの上部にある options 設定... ボタンをクリックし、 3Dコンフィグレーション ウィンドウを開きます。

../../../_images/3dmapconfiguration.png

図 7.8 3Dコンフィグレーションダイアログ

3Dコンフィグレーションウィンドウには、3Dシーンを微調整するためのさまざまなオプションがあります。

7.4.3.1. 地形

  • 地形 :まず、3Dビューの地形は地形タイルの階層によって表現されることに注意してください。カメラが地形に近づくと、十分なディテールを持たない既存のタイルはよりディテールの細かい小さいタイルに置き換えられます。各タイルは、標高ラスタレイヤに由来するメッシュジオメトリと、2Dマップレイヤに由来するテクスチャを持っています。

    • 地形は以下の タイプ があります。

      • 平らな地形

      • 読み込まれた DEM ラスタ

      • オンライン サービスは、Mapzen ツールによって作成された 標高タイル を読み込みます。 -- 詳細については https://registry.opendata.aws/terrain-tiles/ を参照してください。

      • 読み込んだ メッシュ データセット

    • 高さ :地形の生成に使用するラスタレイヤまたはメッシュレイヤを選択します。ラスタレイヤには標高を表すバンドが含まれている必要があります。メッシュレイヤは、頂点のZ値が使用されます。

    • 鉛直スケール: 垂直軸のスケール係数です。スケールを大きくすると、地形の高さが誇張されます。

    • タイル解像度: 各タイルに使用する地形ラスタレイヤのサンプル数です。値が16の場合、各タイルのジオメトリは16x16の標高サンプルで構成されます。数値を高くするとより詳細な地形タイルが作成されますが、レンダリングが複雑になります。

    • スカートの高さ: 地形のタイル間に小さな亀裂が見られることがあります。この値を上げると地形タイルの周りに垂直方向の壁("スカート")が追加され、亀裂を隠すことができます。

  • メッシュレイヤを地形として使用する場合には、 三角形設定 (ワイヤフレーム表示、スムース三角形)と、 レンダリング色設定 (単一色または地形標高に応じた色)の設定ができます。詳細は メッシュレイヤプロパティ のセクションを参照してください。

  • unchecked 領域のシェーディング: 地形のレンダリング方法を選択できます。

    • シェーディングが無効 - 地形の色はマップテクスチャからのみ決定されます

    • シェーディングが有効 - 地形の色はPhongのシェーディングモデルを使用して決定されます。マップテクスチャ、地形の法線ベクトル、シーンの光源、地形マテリアルの 環境光の色鏡面光の色シャイネス(輝き) が考慮されます。

7.4.3.2. 光源

光源 タブでは、 signPlus メニューをクリックして以下の光源を追加できます。

  • 最大8つの 点光源 : 空間に広がる光の球のように、全ての方向に光を放ちます。光源に近い物体は明るく、遠いものは暗くなります。点光源は設定位置( XYZ)と、 強度Attenuation(減衰) を持ちます。

  • 最大4つの 方向光源 :これは、オブジェクトから非常に遠く離れた場所にある巨大なフラッシュライトからの光を再現したもので、(例えば太陽のように)常に集中しており弱まることがありません。この光源はある一つの方向に平行な光線を放出しますが、光は無限遠まで届きます。方向光源は 方位角(Azimuth) を指定して回転させることができ、 高度強度 の設定があります。

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図 7.9 3D光源コンフィグレーションダイアログ

7.4.3.3.

unchecked 影を表示 をチェックすると、シーンに影を表示します。次の設定があります:

  • 方向光源

  • シャドーレンダリングの最大距離 :特にカメラが水平方向を向いている場合に、遠すぎるオブジェクトの影をレンダリングしないようにするための距離。

  • シャドーバイアス :マップサイズの違いによりエリアの一部が他よりも暗くなるセルフシャドウ効果を回避するための値です。小さいほど良いです。

  • シャドー解像度 :影の見た目をよりシャープにします。解像度パラメータを非常に大きくした場合、パフォーマンスが低下することがあります。

7.4.3.4. カメラとSkybox

  • 視覚: カメラの視野を変えてパノラマシーンを作成できます。 デフォルト値は 45° です。

  • unchecked Skyboxを表示 をチェックすると、シーン内でskyboxレンダリングを有効にします。skyboxの種類には以下のものがあります。

    • パノラマテキスチャ 単一のファイルで、360° の視界に適用されます

    • 面(Distinct faces) シーンを囲む箱の6つの側面それぞれのテクスチャファイルを指定します

    テクスチャファイルには、ディスク上のファイル、リモートURL、プロジェクトに埋め込まれたものを指定できます( 詳細はこちら )。

7.4.3.5. 詳細設定

  • 地図タイルの解像度: 地形タイルのテクスチャとして使用される2D地図画像の幅と高さ。256pxは、各タイルが256x256ピクセルの画像にレンダリングされることを意味します。数値が高いほど詳細な地形タイルが作成されますが、レンダリングが複雑になります。

  • 最大 画面誤差: 地形タイルをより詳細なタイル(または簡略なタイル)と交換する際のしきい値を指定します。すなわち、3Dビューがより高品質なタイルにどれだけ早く切り替えるかの値です。数値が低いほど、レンダリングの複雑さを犠牲にしてもシーンの詳細度が高くなります。

  • 最大地上誤差: タイルをより詳細なタイルへと分割する操作が停止する地形タイル解像度の値です(タイルを分割してもそれ以上のディテールが得られません)。この値はタイルの階層の深さを制限します。低い値は階層が深くなり、レンダリングが複雑になります。

  • ズームレベル: ズームレベルの数を表示します (マップタイルの解像度と最大地上誤差に依存します)。

  • unchecked ラベルを表示: マップラベルのオン/オフを切り替えます

  • unchecked 地図タイル情報を表示: 地形タイルに境界線とタイル番号を表示します(地形の問題のトラブルシューティングに役立ちます)

  • unchecked バウンディングボックスを表示する: 地形タイルの3Dバウンディングボックスを表示します(地形の問題のトラブルシューティングに役立ちます)

  • unchecked カメラのビューセンターを表示する

  • unchecked ライト源を表示 :光源の原点に球体を表示し、シーンコンテンツに対する光源の移動や配置を容易にします

7.4.4. 3Dベクタレイヤ

標高値を持つベクタレイヤは、ベクタレイヤのプロパティの 3Dビュー セクション内の Enable 3D Renderer をチェックすることで、3D マップビューに表示することができます。 3D ベクタレイヤのレンダリングを制御するためのオプションが多数用意されています。

7.5. ステータスバー

ステータスバーにはマップビューと処理済みアクションまたは使用可能なアクションに関する一般的な情報が表示され、マップビューを管理するためのツールが提供されています。

7.5.1. ロケータバー

ステータスバーの左には、クイック検索ウィジェットであるロケータバーがあり、QGISの任意の機能やオプションを検索し実行できます:

  1. ロケータ検索バーをアクティブにするには、テキストウィジェット内をクリックするか、 Ctrl+K を押します。

  2. 探しているアイテムに関連したテキストを入力します(名前、タグ、キーワード等)。デフォルトでは、有効になっているロケータフィルタに対して検索結果が返されますが、 ロケータフィルタ の接頭辞をテキストの前に付けることで、検索を特定のスコープに限定することもできます。例えば、 l cad と入力すると、名前に cad を含むレイヤのみが返されます。

    このフィルタは、ロケータウィジェットにアクセスした際にメニュー内に表示されるものをダブルクリックすることでも選択できます。

  3. 検索結果をクリックすると、アイテムのタイプに応じて対応するアクションを実行します。

ちなみに

検索をアクティブレイヤの1つのフィールドに限定する

By default, a search with the "active layer features" filter (f) runs through the whole attribute table of the layer. You can limit the search to a particular field using the @ prefix. E.g., f @name sal or @name sal returns only the features whose "name" attribute contains 'sal'. Text autocompletion is active when writing and the suggestion can be applied using Tab key.

検索はスレッドを使用して処理されるため、たとえ低速の検索フィルタがインストールされていても、常に可能な限り早く結果が得られるようになっています。また、フィルタによって検索結果が見つかると、すぐに表示されるようになっています。例えば、ファイル検索フィルタがファイルツリーをスキャンすると、結果が一つ見つかるごとに表示されます。これにより、非常に遅い検索フィルタ(オンラインサービスを使用するものなど)が存在する場合でも、UIは常に応答できるようになっています。

ちなみに

ロケータの設定へのクイックアクセス

ステータスバーのロケータウィジェット内の search アイコンをクリックし、使用可能なフィルタのリストを表示したら、 設定... エントリをクリックすると、 設定 ► オプション... メニューの ロケータ タブが開きます。

7.5.2. アクションの報告

ロケータバーの隣には、必要に応じて実行した操作の概要(レイヤ内の地物を選択する、レイヤを削除するなど)や、またはホバーしているツールの長い説明(すべてのツールで利用できるわけではありません)が表示されます。

ラスタレイヤの統計情報の収集、プロセシングアルゴリズムの実行、マップビューでの複数レイヤのレンダリングなど時間がかかるの操作の場合には、ステータスバーにプログレスバーが表示されます。

7.5.3. マップキャンバスのコントロール

tracking 座標 オプションは、マップビューをマウスが移動している間、マウスの現在位置を追跡して表示します。座標の単位(および精度)は、 プロジェクト ► プロパティ... ► 一般情報 タブで設定できます。テキストボックスの左にある小さなボタンをクリックすると、座標オプションと extents 範囲 オプションが切り替わります。範囲オプションでは、現在のマップビューの左下隅と右上隅座標がマップの単位で表示されます。

座標表示の隣には 縮尺 表示があります。これはマップビューの縮尺を表します。縮尺セレクタがあり、 定義済み縮尺とカスタム縮尺 を選択できます。

縮尺表示の右側にある lockedGray ボタンを押すと、拡大率を使用した拡大・縮小ができます。拡大率を使用すると、マップの縮尺を変更せずにマップを拡大できるので、ラベルやシンボルの位置を正確に調整しやすくなります。拡大率は百分率で表示されます。拡大 レベルが100%の場合、現在のマップは拡大されません。デフォルトの拡大率の値は 設定 ► オプション ► レンダリング ► レンダリング動作 の中で定義でき、これは高解像度ディスプレイで小さなシンボルを拡大するのに非常に役立ちます。

拡大ツールの右側では、地図ビューの現在の時計回りの回転を度で定義できます。

ステータスバーの右側には小さなチェックボックスがあり、一時的にレイヤがマップビューにレンダリングされないようにすることができます( レンダリング のセクションを参照)。

レンダのチェックボックスの右には、現在のプロジェクトのCRSを示す projectionEnabled EPSG:code ボタンがあります。これをクリックすると プロジェクトのプロパティ ダイアログが開き、マップビューに別のCRSを適用することができます。

ちなみに

地図キャンバスにおける正しい縮尺を計算する

QGIS を起動すると、デフォルトの CRS は WGS 84 WGS 84 (EPSG 4326) で、単位は度です。これは、QGISはレイヤ内のあらゆる座標が度単位で指定されているものと解釈することを意味します。正しい縮尺値を得るには、 プロジェクト ► プロパティ...一般 タブで単位の設定を手動で変更する(例:メートル)か、上で述べた projectionEnabled EPSG:code アイコンを使います。後者の場合、単位はプロジェクトの投影法で指定されたものに設定されます(例: +units=us-ft

起動時のCRS選択は 設定 ►オプション ►CRS で設定できます。

7.5.4. メッセージ

その横にある messageLog メッセージ ボタンをクリックすると、 ログメッセージパネル が開きます。ここには基本的なプロセス(QGISの起動、プラグインのロード、プロセシングツールなど)に関する情報があります。

プラグインマネージャの設定 によっては、ステータスバーの右側にアイコンが表示され、新しいプラグイン( pluginNew )やアップグレード可能なプラグイン( pluginUpgrade )が利用可能であることを通知してくれる場合があります。アイコンをクリックすると、プラグインマネージャダイアログが開きます。