17. ベクタタイルの操作

17.1. ベクタタイルとは?

ベクタタイルは地理データのパケットであり、Web上で転送するためにあらかじめ定義されたほぼ正方形の「タイル」にパッケージ化されています。これらは、事前にレンダリングされたラスタ地図タイルとベクタ地図タイルを組み合わせたものです。ベクタタイルサーバは、あらかじめレンダリングされた地図画像の代わりに、各タイルの境界でクリップされたベクタ地図データを返します。クリップされたタイルはベクタタイルサービスのズームレベルを表すもので、ピラミッドアプローチに由来しています。この構造を使用することで、タイル化されていないベクタ地図に較べてデータ転送を削減できます。現在のマップビュー範囲内の、現在のズームレベルのデータのみを転送すれば済むからです。また、タイル化されたラスタ地図との比較では、ベクタデータは通常、レンダリングされたビットマップよりもはるかに小さいため、データ転送も大幅に削減されます。ベクタタイルにはスタイル設定の情報は割り当てられていないため、データを表示するためにはQGISで地図作成スタイルを適用する必要があります。

../../../_images/vector_tiles_pyramid_structure.png

図 17.1 ズームレベルを持つベクタタイルのピラミッド構造

17.2. サポートする形式

ベクタタイルのサポートは以下のとおりです:

  • リモートソース(HTTP/S) - XYZテンプレートあり - 例: type=xyz&url=http://example.com/{z}/{x}/{y}.pbf

  • ローカルファイル - XYZテンプレートあり - 例: type=xyz&url=file:///path/to/tiles/{z}/{x}/{y}.pbf

  • ローカルのMBTilesデータベース - 例: type=mbtiles&url=file:///path/to/file.mbtiles