11. 一般ツール
11.1. コンテキストヘルプ
特定のトピックでヘルプが必要な場合は、多くのダイアログで利用できるようになっている ヘルプ ボタンを押すと、このユーザマニュアルの対応するページにアクセスできます。ただし、サードパーティのプラグインは専用のWebページにアクセスする場合があることに注意してください。
11.2. パネル
QGISはデフォルトで多くのパネルを利用することができます。いくつかのパネルは以下に解説がありますが、その他はユーザマニュアルの別の場所に説明があるものもあります。QGISに用意されているデフォルトのパネルの完全なリストは パネル に説明されています。
で参照でき、11.2.1. レイヤパネル
レイヤ パネル( 地図凡例
とも呼ばれます)にはプロジェクト内のすべてのレイヤが一覧表示され、レイヤの可視性の管理に役立ちます。レイヤパネルは Ctrl+1 を押すと表示・非表示を切り替えられます。レイヤを選択して凡例内で上下にドラッグすると、レイヤの Z順序を変更できます。Z順序とは、凡例の上側に並んでいるレイヤが、下側に並んでいるレイヤの上に描画されることです。また、レイヤやレイヤのグループは複数のQGISインスタンスにまたがってドラッグすることもできます。
注釈
Z順序の動作は レイヤ順序 パネルで上書きすることができます。
レイヤパネルの上部にあるツールバーによって、以下のことができます。
グループ追加: グループやレイヤの操作 を参照してください
-
コンテンツで凡例を絞り込む: レイヤが可視状態に設定されていて、かつ地物が現在の地図キャンバス内に表示されているレイヤのみが、レイヤパネルでスタイルが表示されるようになります。それ以外の場合は、一般的なNULLシンボルがレイヤに適用されます。このオプションは、関心のある領域に存在するのがどのレイヤのどの地物なのかをレイヤシンボルに基づいて識別するのに便利な方法です。
プライベートレイヤを表示: プロジェクトの設定を変更せずに プライベートレイヤ を レイヤ パネル内に表示したり、操作するのに便利なショートカットです。
条件式による凡例フィルタ:式を適用して、条件を満たす地物がないスタイルを選択したレイヤツリーから削除します。これは、別のレイヤの特定の領域/地物内にある地物を強調表示するために使用できます。ドロップダウンリストから、現在適用されている式を編集およびクリアできます。
注釈
レイヤパネルを管理するツールは、印刷レイアウトのマップアイテムと凡例アイテムにも使用できます。
11.2.1.1. 地図テーマの設定
地図テーマの管理 ドロップダウンボタンを使用すると、 レイヤ パネルの可視性を操作するための便利なショートカットにアクセスできます。
選択レイヤを切り替え: は、パネル上で最初に選択されたレイヤの表示状態を変更し、その状態を他に選択されたレイヤにも適用します。 また、 スペースキー のショートカットからも利用できます。
選択レイヤを個別切り替え: は、選択された各レイヤについて表示状態を変更します
地図テーマの管理 メニューでは、レイヤの可視性の単純な制御だけでなく、凡例で 地図テーマ を構成し、ある地図テーマから別の地図テーマに切り替えたりすることができます。地図のテーマは、現在の地図凡例の スナップショット であり、以下のものを記録しています:
レイヤ パネル内で可視状態に設定されたレイヤ
さらに 、各可視レイヤに関する以下の情報:
地図テーマを作成するには、
表示したいレイヤをチェックします
レイヤのプロパティ(シンボロジ、ダイアグラム、ラベルなど...)をいつもどおりに設定します
下の方にある 追加... を押して、 プロジェクトに埋め込まれた新しいスタイル として保存します
メニューを展開し、注釈
地図のテーマはプロパティの現在の内容を保存しません。スタイル名への参照のみが保存されるため、このスタイルが有効なときにレイヤに変更を適用する(例えばシンボルレンダリングを変更する)と、テーマは新しい情報で更新されます。
他のレイヤについても必要なだけ上の手順を繰り返します
該当する場合は、 レイヤ パネルのグループや可視レイヤのノードを展開または折りたたみます。
地図テーマの名前を入力し、 OK ボタンをクリックします
新しい地図テーマが ドロップダウンメニューの下部にリストされます。
地図テーマは必要な数だけ作成できます。地図凡例の現在の組み合わせ(可視レイヤ、有効なスタイル、地図凡例ノード)が上記で定義された既存の地図テーマ内容と一致しない場合は、 テーマの追加... をクリックして新しい地図テーマを作成するか、 を使用して地図テーマを更新します。アクティブな地図テーマの名前を 現在のテーマの名前変更... で変更することもできますし、 現在のテーマの削除 ボタンで地図テーマを削除することもできます。
地図テーマは、あらかじめ設定されたさまざまな地図凡例の組み合わせをすばやく切り替えるのに便利です。リストで地図テーマを選択すると組み合わせが復元されます。設定されたすべてのテーマは印刷レイアウトにおいてもアクセスでき、特定のテーマに基づいて、現在のメインキャンバスのレンダリングとは関係なく、異なる地図アイテムを作成できます( 地図アイテムレイヤ を参照)。
11.2.1.3. グループやレイヤの操作
凡例ウィンドウのレイヤをグループに編成できます。これを行うには2つの方法があります。
アイコンを押して新しいグループを追加します。グループの名前を入力し Enter を押します。それから、既存のレイヤをクリックしてグループにドラッグします。
レイヤをいくつか選択し、凡例ウィンドウで右クリックして 選択レイヤをグループにする を選択します。選択したレイヤが自動的に新しいグループに配置されます。
レイヤをグループ外に移動するには、ドラッグするか、右クリックして グループ外に移動 を選択します。レイヤはグループ外に移動され、グループの上に配置されます。グループは他のグループ内に入れ子にもできます。レイヤが入れ子にされたグループに配置されている場合、 グループ外に移動 は、入れ子になった全てのグループの外にレイヤを移動します。
グループまたはレイヤをレイヤパネルの最上位に移動するには、それらを最上位にドラッグするか、 一番上に移動 を選択します。グループ内に入れ子になっているレイヤでこのオプションを使用すると、レイヤは現在のグループ中で最上位に移動します。 一番下に移動 オプションは同じ要領で、レイヤやグループを一番下に移動します。
グループのチェックボックスは、グループ内でチェックされたレイヤ全てを1クリックで表示・非表示にできます。 Ctrl キーを押しながらグループのチェックボックスをクリックすると、グループ内とそのサブグループ内の全てのレイヤも表示・非表示が切り替わります。
Ctrl を押しながらチェックされた/されていないレイヤをクリックすると、そのレイヤとすべての親レイヤのチェックを外し/付けます。
相互排他的グループ のオプションを有効にすると、グループ内で同時に表示されるレイヤが1つだけとなるようにすることができます。グループ内のあるレイヤが表示状態となると、他のすべてのレイヤは非表示になります。
Ctrl キーを押しながら追加のレイヤをクリックすると、複数のレイヤやグループを同時に選択することができます。選択したレイヤを同時に新しいグループに移動させることができます。
また、複数のアイテムを Ctrl キーを押しながら選択してから Ctrl+D を押すことで、選択されたすべてのレイヤやグループをレイヤのリストから一度に削除することもできます。
インジケータアイコンによるレイヤとグループの詳細情報
状況によっては、 レイヤ パネルのレイヤやグループの横にアイコンが表示され、レイヤ/グループについてのより詳しい情報が得られます。シンボルは次のとおりです。
レイヤに フィルタ が適用されていることを示します。アイコンにカーソルをのせるとフィルタ式が表示され、ダブルクリックするとクエリ式を変更できます
このレイヤがプロジェクトに 必須の レイヤであり、削除できないことを示します
埋め込まれたグループやレイヤ であることを示し、オリジナルのプロジェクトファイルへのパスを表示します
プロジェクトファイルを開いたときにデータソースが利用できなかったレイヤであることを示します( 壊れたファイルパスの取り扱い を参照)。アイコンをクリックするか、レイヤのコンテキストメニューから データソースの変更... エントリを選択して、データソースのパスを更新してください。
レイヤが 一時スクラッチレイヤ であり、このプロジェクトを閉じた際に内容が破棄されることを思い出させてくれます。データが失われるのを回避しレイヤを永続的なものにするには、アイコンをクリックし、QGISでサポートされている任意のOGRベクタ形式でレイヤを保存します。
レイヤが オフライン編集モード に使用されていることを表します
本質的に精度の低いCRSで保存された座標を持つレイヤであることを表します( 対応する設定 を有効にする必要があります)
関連付けられた レイヤノート があるレイヤであることを表します
11.2.1.4. ベクタレイヤのスタイル編集
レイヤパネルから、レイヤのレンダリングをすばやく簡単に変更するショートカットがあります。ベクタレイヤを右クリックして、リストで
を選択します。レイヤに現在適用されている スタイル が表示されます。レイヤにいくつもスタイルを定義している場合は、そのスタイルを切り替えることができ、マップキャンバス上のレイヤのレンダリングは自動的に更新されます。
現在のスタイルの一部または全部をコピーします。また、適用可能な場合には、別のレイヤからコピーしたスタイルを貼り付けます
ちなみに
レイヤスタイルを素早く共有
コンテキストメニューからレイヤのスタイルをコピーして、グループまたは選択したレイヤに貼り付けることで、素早くレイヤスタイルを共有できます。スタイルは、元のレイヤと同じタイプ(ベクタ/ラスタ)、ベクタレイヤの場合は同じジオメトリタイプ(ポイント、ライン、またはポリゴン)を持つのすべてのレイヤに適用されます。
現在のスタイルの名前を変更したり、新しいスタイル(実際には現在のスタイルのコピー)を追加したり、現在のスタイルを削除(複数のスタイルが利用可能な場合)できます。
注釈
上に挙げたオプションは、ラスタレイヤやメッシュレイヤでも利用可能です。
シンボルの色 を カラーホイール を使って更新します。 最近使用した色は、カラーホイールの下部からも選べて便利です。
シンボルを編集...: シンボルセレクタ ダイアログを開き、地物のシンボル(シンボルタイプ、サイズ、色など...)を変更します。
分類シンボルタイプ( カテゴリ値による定義 、 連続値による定義 、あるいは ルールによる定義 )を使用している場合、前述のシンボルレベルのオプションは分類別のエントリのコンテキストメニューからも利用可能です。また、分類別のエントリには地物の分類すべての表示を切り替えるために アイテム切り替え 、 全アイテム表示 、および 全アイテム非表示 のエントリも用意されています。これらを使うことで、項目の一つ一つをチェックする(あるいはチェックを外す)事態を避けられます。
ちなみに
クラスの葉エントリをダブルクリックすることでも シンボルセレクタ ダイアログが開きます。
11.2.2. レイヤスタイル設定パネル
レイヤスタイル パネル( Ctrl+3 も可)は、 レイヤプロパティ ダイアログの機能の一部へのショートカットです。レイヤのレンダリングと動作を定義し、レイヤプロパティダイアログを開かずにその効果を視覚化するための迅速かつ簡単な方法を提供します。
レイヤスタイルパネルはレイヤプロパティダイアログによるブロッキング(または「モーダル」:ダイアログ操作以外は受け付けない状態)を回避することに加えて、ダイアログで画面が乱雑になることも避けられ、ほとんどのスタイル機能(カラーセレクタ、効果のプロパティ、ルール編集、ラベル置換...)が含まれています。例えば、レイヤスタイルパネル内の色ボタンをクリックすると、色セレクタダイアログが個別のダイアログとしてではなく、レイヤスタイルパネル自体の内部で開かれます。
レイヤパネルの現在のレイヤのドロップダウンリストから項目を選択して、以下の設定ができます:
レイヤのタイプに応じて、以下の設定ができます:
ラスタレイヤの シンボロジ 、 透過性 と ヒストグラム プロパティ。これらのオプションは ラスタプロパティダイアログ と同一のものです。
ベクタレイヤの シンボロジ 、 ラベル 、 マスク 、 3Dビュー プロパティ。これらのオプションは ベクタプロパティダイアログ と同一のもので、サードパーティ製のプラグインによって導入されたカスタムプロパティによって拡張することができます。
メッシュレイヤの シンボロジ 、 3Dビュー プロパティ。これらのオプションは メッシュデータセットのプロパティ と同一のものです。
関連付けられたスタイルを スタイルをマネージャ で管理する(詳細は カスタムスタイルを管理する を参照)。
現在のプロジェクトにおいてレイヤスタイル対して適用した変更の 履歴 を確認する:リストの中から任意の状態を選択して 適用 をクリックすることで、レイヤスタイルの状態を戻したり復元させたりすることができます。
このパネルのもう1つの強力な機能は、 ライブ更新 チェックボックスです。これにチェックを入れるとスタイル変更がマップキャンバスにすぐに表示され、 適用 ボタンをクリックする必要はなくなります。
11.2.3. レイヤ順序パネル
デフォルトでは、QGISのマップキャンバスに表示されるレイヤは レイヤ パネルの順序に従って描画されます。つまりパネル内でレイヤの位置が高いほど、マップビューではより前面に(従って、より見えやすく)表示されます。
レイヤ順序 パネルを メニュー内からもしくは Ctrl+9 を押して有効にすると、レイヤパネル内の順序とは無関係にレイヤの描画順序を定義することができます。レイヤのリストの下にある 描画順序の制御 にチェックを入れて、パネル内のレイヤを好きなように再編成してください。この順序がマップキャンバスに適用される順序になります。例えば 図 11.3 の場合、レイヤパネル内でのそれぞれのレイヤ配置とは無関係に、「airports」 地物が「alaska」 ポリゴンの上に表示されていることがわかります。
11.2.4. 全体図パネル
全体図 パネル( Ctrl+8 )は、いくつかのレイヤの全範囲ビューの地図を表示します。全体図マップは、 メニューまたはレイヤのコンテキストメニューの 全体図に表示 オプションを使用するレイヤが表示されます。ビュー内では、現在のマップキャンバス範囲が赤い長方形で表示され、地図全体のどの領域が現在表示されているかをすばやく判断するのに役立ちます。全体図フレーム内の赤い長方形をクリックしてドラッグすると、それに応じてメインマップビューの範囲が更新されます。
全体図で使用するレイヤにラベル付けが設定されていても、全体図にラベルはレンダリングされないことに注意してください。
11.2.5. ログメッセージパネル
ロード時や、何らかの操作を処理するときは、 ログメッセージパネル を使用して別のタブに表示されるメッセージを追跡し従うことができます。これは、下のステータスバーの最右側のアイコンを使用して有効にできます。
11.2.6. 元に戻す/やり直すパネル
元に戻す/やり直す ( Ctrl+5 )パネルには、編集されたレイヤごとに実行されたアクションの一覧が表示されます。リストの上に表示されたアクションを選択することで、一連のアクションを素早く元に戻すことができます。さらなる詳細については、 元に戻すとやり直す を参照してください。
11.2.7. 統計量の出力パネル
統計量の出力 パネル( Ctrl+6 )は、任意のベクタレイヤに関する情報の要約を提供します。このパネルでは、以下の事柄についての選択操作が可能です:
統計情報を計算するベクタレイヤ
使用するカラム、もしくは 式
返される統計量はダイアログ右下にあるドロップダウンボタンを使って選択できます。フィールド(あるいは式の値)の型に応じて、利用可能な統計量は以下のとおりです:
統計 |
文字列 |
整数 |
浮動小数 |
日付 |
---|---|---|---|---|
個数 |
||||
個数(ユニークな値) |
||||
個数(欠損値) |
||||
合計(Sum ) |
||||
平均値(Mean) |
||||
標準偏差(母集団) |
||||
標準偏差(標本) |
||||
最小値 |
||||
最大 |
||||
範囲(Range) |
||||
最稀値(Minority) |
||||
最頻値(Majority) |
||||
種類(Variety) |
||||
第1四分位(Q1) |
||||
第3四分位(Q3) |
||||
四分位範囲(IQR) |
||||
最短長(Min Length) |
||||
最大長(Max Length) |
||||
平均長(Mean Length) |
表:各フィールド型に対して利用可能な統計量
統計量の概要は以下の設定・操作が可能です:
11.2.8. デバッグ開発ツールパネル
デバッグ開発ツール パネル( F12 )には、 ネットワークロガー と プロファイラ があります。
11.2.8.1. ネットワークロガー
ネットワークロガー 実行中および完了したネットワークリクエストの一覧を、リクエストやリプライのステータス、ヘッダ、エラー、SSL設定エラー、タイムアウト、キャッシュステータス等の多数の便利な詳細情報とともに表示します。
また、以下の操作ができます:
リクエストを右クリックと、以下の操作ができます:
URLを開く デフォルトのブラウザでURLを開きます
URLをコピー
cURLとしてコピー ターミナルで使用できます
JSONとしてコピー 1つのリクエストのログ全体をコピーします
11.2.8.2. プロファイラ
プロファイラ は 起動 と プロジェクトの読み込み カテゴリに関するロード時間を計測し、ロード時間が遅くなる原因を特定できます。
11.3. 外部プロジェクトからのレイヤの埋め込み
時には、さまざまなプロジェクトにある一部のレイヤについて、同じスタイルでレイヤを保持したい場合もあるでしょう。これらのレイヤに対して デフォルトスタイル を作成するか、別のプロジェクトからそのレイヤを埋め込むことで、時間と労力を節約することができます。
既存のプロジェクトからレイヤやグループを埋め込むことには、スタイル設定を超える利点がいくつかあります:
あらゆる種類のレイヤ(ベクタ/ラスタ、ローカル/オンラインなど...)を追加できます
グループとレイヤを取得することで、異なるプロジェクトで「背景」レイヤのツリー構造を同じに保つことができます
埋め込まれたレイヤは編集可能ですが、シンボロジ、ラベル、フォーム、デフォルト値やアクションなどのプロパティを変更することはできないため、プロジェクト間で一貫性を確保できます
元のプロジェクト内の項目を変更すると、変更は他のすべてのプロジェクトにも反映されます。
他のプロジェクトのコンテンツをあるプロジェクトに埋め込みたい場合には、
を選択して、以下のように操作します:... ボタンをクリックし、プロジェクトを探します。プロジェクトの中身を確認することもできます( 図 11.7 を参照)
OK をクリックします
選択したレイヤとグループは レイヤ パネルに埋め込まれ、マップキャンバスに表示されます。識別のために アイコンが名前の横に追加され、この上にマウスカーソルを置くと、元のプロジェクトファイルパスを示すツールチップが表示されます。
他のレイヤと同じように、埋め込まれたレイヤもレイヤを右クリックして レイヤの削除 をクリックすることで、プロジェクトから削除することができます。
ちなみに
埋め込みレイヤのレンダリングを変更する
元のプロジェクトファイルに変更を加えない限り、埋め込みレイヤのレンダリングは変更できません。しかし、レイヤ上で右クリックして 複製 を選択すると、完全な機能を備えた、元のプロジェクトに依存していないレイヤが作成されます。その後は、リンクされた埋め込みレイヤを削除しても問題ありません。
11.4. マップキャンバスでの作業
11.4.1. レンダリング
デフォルトでは、QGISはマップキャンバスが更新されるたびにすべての可視レイヤをレンダリングします。マップキャンバスの更新を発生させるイベントは次のとおりです。
レイヤの追加
地図のパン・ズーム
QGISウィンドウのサイズ変更
レイヤの可視性の変更
QGISではいくつかの方法でレンダリング処理を制御できます。
11.4.1.1. 縮尺依存レンダリング
縮尺依存レンダリングでは、レイヤ(ラスタまたはベクタ)が表示される最小および最大縮尺を指定できます。縮尺依存レンダリングを設定するには、凡例内のレイヤをダブルクリックして プロパティ ダイアログを開きます。 レンダリング タブで、 縮尺に応じた表示設定 にチェックを入れ、最小縮尺(この値は含まない) と 最大縮尺(この値を含む) の値を入力します。
また、レイヤパネルからレイヤの縮尺依存表示を有効にすることもできます。レイヤを右クリックして、コンテキストメニューから レイヤの縮尺表示を設定 を選択します。
現在のキャンバスの縮尺に設定 ボタンは、現在のマップキャンバスの縮尺を可視範囲の境界として使用することができます。
注釈
マップの縮尺が表示可能な縮尺の範囲外にあるためにレイヤがマップキャンバスにレンダリングされない場合、そのレイヤはレイヤパネルでグレー表示され、新しいオプション 表示される縮尺にズーム がレイヤのコンテキストメニューに表示されます。これを選択すると、マップはそのレイヤの表示可能な縮尺に最も近い縮尺までズームします。
11.4.1.2. 地図レンダリングの制御
以下で述べるように、地図レンダリングはさまざまな方法で制御できます。
描画の中断
レンダリングを中断するには、ステータスバーの右下角にある レンダ チェックボックスをクリックします。 レンダ がチェックされていない場合、QGISは レンダリング のセクションで説明されているイベントに応じたキャンバスの再描画を行いません。レンダリングを中断したい場合の例としては、以下のようなものがあります:
多数のレイヤを追加し、描画される前にシンボルを設定したい場合
1つもしくは多数の巨大なレイヤを追加し、描画される前に縮尺依存表示設定を行いたい場合
1つもしくは多数の巨大なレイヤを追加し、描画される前に特定のビューにズームしたい場合
上で挙げたいずれかの組み合わせの場合
レイヤ追加時のオプションの設定
新しいレイヤを常に描画せずに読み込むオプションを設定できます。これは、レイヤはマップに追加されますが、凡例内の表示チェックボックスはデフォルトではオフになることを意味します。このオプションを設定するには、メニューオプションの レンダリング タブをクリックします。 地図に追加されたレイヤはデフォルトで表示する のチェックを外します。その後にマップに追加されたレイヤは、デフォルトでオフ(非表示)になります。
を選択して描画の中断
マップの描画を停止するには、 Esc キーを押します。これによりマップキャンバスの更新は中断され、マップは部分的に描画されたままになります。 Esc を押してからマップの描画が停止するまでには、少し時間がかかる場合があります。
レンダリング品質への影響
QGISにはマップのレンダリング品質に影響を与えるオプションがあります。メニューオプションの レンダリング タブをクリックし、 線のジャギーを目立たなくする(描画速度が若干低下します) を選択または選択解除してください。
を選択して、レンダリングの高速化
レンダリング速度を上げる設定がいくつかあります。 レンダリング タブに行って、次のチェックボックスを選択または選択解除します:
からQGISのオプションダイアログボックスを開き、11.4.2. ズームとパン
関心のある領域にズームしたりパンしたりするための方法がいくつかあります。 ナビゲーション ツールバーや、マップキャンバス上でのマウスやキーボード操作、さらに メニューのアクションや レイヤ パネル内でのレイヤのコンテキストメニューも使用できます。
アイコン |
ラベル |
用途 |
ビューメニュー |
ナビゲーションツールバー |
レイヤのコンテキストメニュー |
---|---|---|---|---|---|
地図を移動 |
アクティブな状態でマップキャンバス上の任意の場所を左クリックすると、カーソル位置にマップをパンすることができます。また、マウスの左ボタンを押したままマップキャンバスをドラッグしても、マップをパンすることができます。 |
||||
拡大 |
アクティブな状態でマップキャンバス上の任意の場所を左クリックすると、1レベル分拡大します。マウスカーソルの位置が拡大された関心のある領域の中心になります。また、マウスの左ボタンを押したままマップキャンバス上でドラッグした長方形領域を拡大することもできます。 |
||||
縮小 |
アクティブな状態でマップキャンバス上の任意の場所を左クリックすると、1レベル分縮小します。マウスカーソルの位置が縮小された関心のある領域の中心になります。また、マウスの左ボタンを押したままマップキャンバス上でドラッグした長方形領域から縮小することもできます。 |
||||
選択部分にパン |
レイヤ パネルで選択されたレイヤの選択地物にマップをパンします。 |
||||
選択部分にズーム |
レイヤ パネルで選択されたレイヤの選択地物にズームします。 |
||||
レイヤの領域にズーム |
レイヤ パネルで選択されたレイヤすべてを合わせた範囲にズームします。 |
||||
全域表示 |
プロジェクト内の全てのレイヤを含む範囲、または プロジェクト範囲の全域 にズームします。 |
||||
前の領域へズーム |
マップを履歴内の前の表示範囲にズームします。 |
||||
次の表示領域にズーム |
マップを履歴内の次の表示範囲にズームします。 |
||||
ネイティブ解像度にズーム |
アクティブなラスタレイヤの1ピクセルがスクリーンの1ピクセルに一致するようにマップを拡大縮小します。 |
メニューから ズーム倍率 を設定することができ、ズーム時の拡大縮小動作を定義することができます。またここでは 定義済み縮尺 のリストを設定することもでき、マップキャンバス下部の縮尺で利用できます。
11.4.2.1. マップキャンバス上でのマウス利用
上で述べた 地図を移動 拡大 縮小 ツールを使うほかに、マップキャンバス内でマウスホイールボタンを押しながらマウスカーソルをドラッグする(macOSでは cmd を押しながらする必要があるかもしれません)ことでも地図移動ができます。 また、マップ上でマウスホイールを回すと、拡大・縮小ができます。マウスカーソルの位置が拡大・縮小された関心域の中心となります。 Ctrl キーを押しながらマウスホイールを回すと、より細かい拡大縮小ができます。
11.4.2.2. マップキャンバス上でのキーボード利用
キーボードの スペースバー を押しながらマウスカーソルを動かすと、 地図の移動 でマップキャンバスをドラッグしたときとと同じようにマップが移動します。
地図の移動は矢印キーでも可能です。マップエリア内にカーソルを置き、矢印キーを押すと、上下左右に移動します。
キーボードの PgUp や PgDown キーを押すと、設定した拡大率でマップ表示を拡大または縮小します。 Ctrl++ や Ctrl+- を押すことでもマップキャンバスの拡大/縮小を行います。
特定のマップツール(地物の識別ツール、計測ツール...)がアクティブな場合、 Shift キーを押しながらマップ上で矩形をドラッグするとその領域にズームすることができます。これは選択ツールや編集ツールがアクティブな場合には使用することはできません(選択範囲への追加に Shift キーを使うため)。
11.4.3. 空間ブックマーク
空間ブックマークは地理的な場所を「ブックマーク」し、後でその場所に戻ることができます。デフォルトでは、ブックマークは( ユーザー・ブックマーク として)ユーザープロファイルに保存されるため、ユーザーが開いたどのプロジェクトからでもブックマークを利用できます。また、単一のプロジェクト に対して保存( プロジェクト・ブックマーク )することもでき、これはプロジェクトを他のユーザーと共有する場合に便利です。
11.4.3.1. ブックマークを作成する
ブックマークを作成するには、以下の手順で操作します:
関心のある領域にズームやパンし移動します
メニューオプションの を選択するか、 Ctrl+B を押す、もしくは ブラウザ パネル内の 空間ブックマーク エントリを右クリックして、 新規空間ブックマーク を選択します。 ブックマークエディタ ダイアログが開きます。
ブックマークにわかりやすい名前を付けます
関連するブックマークを保存するグループ名を入力または選択します。
範囲セレクタ ウィジェットを使用して、保存したい領域を選択します
領域に使用する CRS を指定します
ブックマークの 保存先 を ユーザー・ブックマーク か プロジェクト・ブックマーク のどちらにするか選択します
保存 ボダンを押して、ブックマークをリストに追加します
同じ名前のブックマークを複数持てることに注意してください。
11.4.3.2. ブックマークを操作する
ブックマークを利用・管理するには、 空間ブックマーク パネル もしくは ブラウザ パネルを使用できます。
を選択するか Ctrl+7 を押すと、 空間ブックマークマネージャ パネルが開きます。 を選択するか Ctrl+Shift+B を押すと、 ブラウザ パネル内の 空間ブックマーク エントリが表示されます。
以下の作業を行うことができます:
ロケータ バーにブックマーク名を入力して、ブックマーク範囲にズームすることもできます。
11.4.4. 地図整飾
地図整飾には、グリッド、タイトルラベル、著作権ラベル、画像、方位記号、スケールバー、そしてレイアウト範囲があります。 これらは地図要素を追加することによって地図を「整飾」するために使われます。
11.4.4.1. グリッド
グリッド はマップキャンバスに座標グリッドと座標注釈を追加します。
のメニューオプションを選択し、ダイアログを開きます。
注釈の描画 にチェックを入れると、グリッドのマークの座標を表示します。以下の設定があります。
注記方向 は、ラベルがグリッド線に対して相対的にどのように配置されるかを設定します。これには以下の選択肢があります:
全てのラベルを 水平 あるいは 垂直 に配置する
水平と垂直 各ラベルは参照しているグリッドマークと平行です
境界線の方向 各ラベルはキャンバスの境界線に沿っており、参照するグリッドマークに垂直です
注記用フォント (テキストフォーマット、バッファ、影...) フォントセレクタウィジェット を使って設定します。
地図フレームへの距離 注記とマップキャンバスの端の間の余白距離です。 例えば画像形式やPDFに マップキャンバスをエクスポート する際に便利で、「紙」の境界上に注記が乗ってしまうことを避けられます。
座標精度
適用 ボタンをクリックして見た目が期待通りかを確認し、満足ならば OK ボタンをクリックします。
11.4.4.2. タイトルラベル
タイトルラベル整飾を追加するには:
のメニューオプションを選択し、ダイアログを開きます。
マップに追加したいタイトルのテキストを入力します。 式の挿入・編集... ボタンを使用して、テキストを動的にすることもできます。
ラベルの フォント を QGISの テキストの書式設定 オプションへフルアクセスできる フォントセレクタウィジェット を使用して選択します。フォントコンボボックスの右にある黒い矢印をクリックすると、フォントの色や不透明度を素早く設定することができます。
タイトルの 背景のバーの色 に適用する 色 を選択します。
キャンバス内のラベルの 配置 を選択します。選択肢は 左上 、 中上 (デフォルト)、 右上 、 左下 、 中下 そして 右下 です。
水平および/または垂直の 端からのマージン を設定することで、アイテムの配置を調整します。これらの値は ミリメートル または ピクセル 単位で指定するか、マップキャンバスの幅または高さの パーセント として設定することができます。
適用 ボタンをクリックして見た目が期待通りかを確認し、満足ならば OK ボタンをクリックします。
11.4.4.3. 著作権ラベル
著作権ラベル は、 著作権 ラベルでマップを整飾するために使います。
著作権ラベル整飾を追加するには:
のメニューオプションを選択し、ダイアログを開きます。
マップに追加したい著作権ラベルのテキストを入力します。 式の挿入・編集... ボタンを使用して、テキストを動的にすることもできます。
ラベルの フォント を QGISの テキストの書式設定 オプションへフルアクセスできる フォントセレクタウィジェット を使用して選択します。フォントコンボボックスの右にある黒い矢印をクリックすると、フォントの色や不透明度を素早く設定することができます。
キャンバス内のラベルの 配置 を選択します。選択肢は 左上 、 中上 、 右上 、 左下 、 中下 そして 右下(著作権整飾のデフォルト) です。
水平および/または垂直の 端からのマージン を設定することで、アイテムの配置を調整します。これらの値は ミリメートル または ピクセル 単位で指定するか、マップキャンバスの幅または高さの パーセント として設定することができます。
適用 ボタンをクリックして見た目が期待通りかを確認し、満足ならば OK ボタンをクリックします。
11.4.4.4. 画像
画像 はマップキャンバスに画像(ロゴ、凡例など...)を追加します。
画像を追加するには:
のメニューオプションを選択し、ダイアログを開きます。
... ブラウズ ボタンを押して、ビットマップ画像(例:png や jpg)か SVG画像を選択します
パラメータが有効化されたSVG画像を選択した場合、 塗りつぶし や ストローク (輪郭線)の色を設定することもできます。ビットマップ画像の場合には、この色設定は無効になっています。
画像の 大きさ をミリメートル単位で指定します。選択された画像の幅は、与えられた 大きさ にリサイズされます。
配置 コンボボックスを用いて、マップ上で画像を配置したい場所を選択します。 デフォルトの位置は 左上 です。
(キャンバス)端からの水平 および 垂直 マージン を設定します。これらの値は ミリメートル または ピクセル 単位で指定するか、マップキャンバスの幅または高さの パーセント として設定することができます。
適用 ボタンをクリックして見た目が期待通りかを確認し、満足ならば OK ボタンをクリックします。
11.4.4.5. 方位記号
方位記号を追加するには:
のメニューオプションを選択し、ダイアログを開きます。
オプションで色やサイズを変更したり、カスタムSVGを選択したりすることができます。
オプションで角度を変更するか、あるいはQGISに 自動 で方向を決定させることができます。
オプションで「配置」コンボボックスから配置位置を選択できます。
必要に応じて、水平および/または垂直の (キャンバス)端からのマージン を設定して矢印の配置を調整します。これらの値は ミリメートル または ピクセル 単位で指定するか、マップキャンバスの幅または高さの パーセント として設定できます。
適用 ボタンをクリックして見た目が期待通りかを確認し、満足ならば OK ボタンをクリックします。
11.4.4.6. スケールバー
スケールバー は、マップキャンバスに単純なスケールバーを追加します。スタイルや配置、バーのラベルを制御することができます。
QGISはマップフレームと同じ単位でのスケール表示しかサポートしていません。従って、プロジェクトのCRSの単位がメートルの場合には、フィート単位のスケールバーを作成することはできません。同様に、小数点表示の角度を使っている場合には、 距離をメートル単位で表示するスケールバーは作成できません。
スケールバーを追加するには:
のメニューオプションを選択し、ダイアログを開きます。
塗りつぶし色(デフォルト:黒)とアウトライン色(デフォルト:白)を選択して、 バーの色 を設定します。色入力の右にある下矢印をクリックすると、スケールバーの塗りつぶしとアウトラインの不透明度を設定することもできます。
水平および/または垂直の (キャンバス)端からのマージン を設定することで、アイテムの配置を調整します。これらの値は ミリメートル または ピクセル 単位で指定するか、マップキャンバスの幅または高さの パーセント として設定できます。
適用 ボタンをクリックして見た目が期待通りかを確認し、満足ならば OK ボタンをクリックします。
11.4.4.7. レイアウト範囲
レイアウト範囲 は印刷レイアウトの 地図アイテム の範囲をキャンバスに追加します。 有効にすると、すべての印刷レイアウト内のすべての地図アイテムの範囲が、印刷レイアウトと地図アイテムの名前でラベル付けされた淡い点線の境界線を使用して表示されます。表示されたレイアウト範囲のスタイルとラベル付けを制御できます。この装飾は、ラベルなどの地図要素の位置を微調整していて、印刷レイアウトの実際の表示領域を知る必要がある場合に役立ちます。
レイアウト範囲を追加するには:
を選択し、ダイアログを開きます。
オプションで範囲のシンボルとラベル付けを変更することができます。
適用 ボタンをクリックして見た目が期待通りかを確認し、満足ならば OK ボタンをクリックします。
ちなみに
地図整飾の設定
QGISプロジェクトファイルを保存する際、グリッド、方位記号、スケールバー、著作権およびレイアウト範囲に加えた変更はそのプロジェクトに保存され、次回プロジェクトをロードした際に復元されます。
11.4.5. 注記ツール
注記とは、マップキャンバスに追加され、バルーン内に表示される情報です。この情報は様々な種類のものが可能で、注釈は 注記ツールバー の対応するツールを使って追加されます。
注記フォーム: ベクタレイヤの属性を、カスタマイズされた
ui
ファイル( 図 11.17 を参照)で表示するのに便利です。 カスタム属性フォーム に似ていますが、これは注記アイテムに表示されます。詳細については、Tim Sutton 氏によるビデオ https://www.youtube.com/watch?v=0pDBuSbQ02o&feature=youtu.be&t=2m25s も参照してください。
注記を追加するには、対応するツールを選択してマップキャンバスをクリックします。空のバルーンが追加されます。これをダブルクリックすると、さまざまなオプションを含むダイアログが開きます。このダイアログは、すべての注記タイプでほぼ同じです。
一番上には、注記の種類に応じて
html
、svg
またはui
ファイルへのパスを入力するためのファイルセレクタがあります。テキスト注釈の場合は、テキストボックスにメッセージを入力して、通常のフォントツールを使用してそのレンダリングを設定できます。地図の固定位置:チェックを外すと、バルーンの配置は(地図ではなく)画面の位置に基づきます。つまり、注記は地図のキャンバスの範囲に関係なく常に表示されます。
リンクされたレイヤ: マップのレイヤに注記を関連付け、そのレイヤが表示状態のときのみ注記が表示されるようにします。
マーカー: QGISのシンボル を使って、バルーンのアンカー位置に表示されるシンボルを設定します( 地図の固定位置 にチェックが入っているときのみ表示されます)。
フレームスタイル: QGISのシンボル設定を使用して、フレームの背景色や透明度、バルーンのストローク色やストローク幅を設定します。
コンテンツのマージン: 注記フレームの内側のマージンを設定します。
注記ツールが有効なときは、注記を選択できます。注記は、(マップマーカーをドラッグすることで)地図上の位置を移動したり、バルーンだけを移動したりすることができます。 注記を移動 ツールでマップキャンバス上のバルーンを移動させることもできます。
注記を削除するには、その注記を選択して Del または Backspace キーを押すか、またはその注記をダブルクリックしてプロパティダイアログの 削除 ボタンを押します。
注釈
注記 ツール(注記の移動、文字注記、注記フォーム )が有効な時に Ctrl+T を押すと、アイテムの表示・非表示が反転します。
ちなみに
マップに注記をレイアウトする
以下の方法で、注記をマップとともにさまざまな形式で印刷またはエクスポートすることができます。
メニュー内にあるマップキャンバスのエクスポートツール
印刷レイアウト の場合には、対応する地図のアイテムプロパティで 地図キャンバスアイテムの描画 にチェックを入れる必要があります。
11.4.6. 計測
11.4.6.1. 一般情報
QGISは、ジオメトリを計測する4つの手段を提供します。
地物の識別 ツールによる派生した属性の計測
ベクタ解析ツール:
計測は投影された座標系(例えばUTM)でも、非投影データでも機能します。最初の3つの計測ツールは、グローバルなプロジェクト設定に対しても同様に動作します:
他のほとんどのGISとは異なり、QGISのデフォルトの計測基準は楕円体で、
で定義される楕円体を使っています。これは、プロジェクトに地理座標系や投影座標系が定義されている場合にも当てはまります。投影された/平面的な面積や距離を直交座標系によって計算したい場合には、計測の楕円体を「None/Planimetric」にしなければなりません(
)。ただし、データとプロジェクトに定義された地理的(すなわち非投影の)CRSを使用すると、面積と距離の計測は楕円体計算になります。
しかしながら、地物情報表示ツールやフィールド計算機はどちらも計測前にデータをプロジェクトのCRSへ変換しません。これを行いたい場合には、ベクタ解析ツール:
を使用する必要があります。ここでは、楕円体計測を選択しない限り、計測は平面座標系で行われます。11.4.6.2. 対話的に長さ、面積、方位、角度を計測
属性ツールバーの アイコンをクリックすると、計測を開始できます。アイコンの近くにある下矢印で、 長さ、 面積、 方位、 角度の計測を切り替えられます。ダイアログで使用されるデフォルトの単位は、 メニュー内で設定された単位です。
線の長さを測る と 面積を測る では、計測は デカルト座標 または 回転楕円体 による計測で行うことができます。
注釈
計測ツールを設定する
長さや面積を測定しているときに、ウィジェットの下にある 設定 ボタンをクリックすると、 メニューが開きます。ここではラバーバンド色、測定の桁数、計測単位を選択できます。好きな長さや角度の単位も選択できますが、現在のプロジェクト中ではこれらの値は メニューで行われた選択と計測ウィジェットで行われた選択によって上書きされることに注意してください。
すべての計測モジュールは、デジタイジングモジュールのスナップ設定( スナップ許容範囲と検索半径の設定 セクションを参照)を使用します。正確にライン地物に沿って、あるいはポリゴン地物の周りを測定したいのであれば、最初にそのレイヤのスナップ許容誤差を設定します。すると、測定ツールを使用している場合の(許容誤差の設定内の)各マウスクリックはそのレイヤにスナップします。
線の長さを測る は、与えられた点間の距離を測ります。このツールは、マップ上の点を複数クリックできます。各セグメントの長さとその合計が計測ウィンドウに表示されます。計測を停止するには、マウスの右ボタンをクリックします。 すべてコピー ボタンを使用すると、全ての線の計測結果をクリップボードに一度にコピーできます。
計測ツールでの作業中に、合計の近くにあるドロップダウンリストを操作して測定単位を対話的に変更できます、(「メートル」、「キロメートル」、「フィート」、「ヤード」、「マイル」、「海里」「センチメートル」、「ミリメートル」、「度」、「地図単位」)。この単位は、新しいプロジェクトが作成されるか、別のプロジェクトが開かれるまで、このウィジェットで保持されます。
ダイアログの 情報 セクションでは、利用可能なCRS設定に従ってどのように計算が行われるかが説明されています。
面積を測る: 面積も計測することができます。計測ウィンドウには、累積の面積合計が表示されます。右クリックで描画を停止します。情報セクションがあり、異なる面積単位への変換機能(「平方メートル」、「平方キロメートル」、「平方フィート」、「平方ヤード」、「平方マイル」、「ヘクタール」、「エーカー」、「平方センチメートル」、「平方ミリメートル」、「平方海里」、「平方度」、「地図単位」)もあります。
方位を測る: 方位も計測できます。カーソルが十字型に変化します。方位の起点をクリックし、カーソルを動かして2点目を描きます。計測値はポップアップダイアログに表示されます。
角度を測る: 角度を測ることもできます。カーソルが十字型に変化します。クリックして計測したい角の1つ目のセグメントを描画し、それからカーソルを動かして求める角を描きます。計測値はポップアップダイアログに表示されます。
11.5. 地物とのやりとり
11.5.1. 地物の選択
QGISには、マップキャンバス上の地物を選択するためのツールがいくつかあります。選択ツールは、 選択ツールバー にあります。
メニューや注釈
選択ツールは、現在アクティブなレイヤで動作します。
11.5.1.1. マップキャンバス上の手動選択
マウスを使って1つもしくは多数の地物を選択するには、以下のツールのいずれかを使います:
注釈
(任意レイヤの)既存のポリゴン地物を使用して、アクティブレイヤ内で重なる地物を選択するには ポリゴンによる地物選択 ツールを使用してください。ポリゴンを右クリックして、クリックした点を含むすべてのポリゴンのリストを表示するコンテキストメニューから、使用したいポリゴンを選択します。すると、ポリゴンと重なり合うアクティブレイヤのすべての地物が選択されます。
ちなみに
ツールを使うと、直前に行った選択をやり直せます。これは苦労して選択をした後、うっかりどこか別の場所をクリックしてしまい、選択がクリアされてしまった時に非常に便利です。
地物の選択 ツールを使用中に Shift キーや Ctrl キーを押しながら選択すると、地物の選択状態が反転します(つまり、現在の選択に追加するか、選択から除くかをします)。
他のツールについては、以下のキーを押しながら選択した際の動作が異なります:
Shift :地物を現在の選択に追加します
Ctrl :地物を現在の選択から除きます
Ctrl+Shift: 現在の選択範囲との交差を取ります。すなわち、現在の選択範囲と重なりがある地物のみを残します
Alt: 選択形状の中に完全に入っている地物を選択します。 Shift キーや Ctrl キーと組み合わせると、地物を現在の選択に追加したり、選択から引いたりできます。
11.5.1.2. 自動選択
その他の選択ツールは、地物の属性やその選択状態に基づいて選択を実行します。ツールのほとんどは 属性テーブル からも利用できます(属性テーブルと地図のキャンバスは同じ情報を表示するので、属性テーブル内で1つの地物を選択した場合、それはまた、地図キャンバスでも選択されることに注意してください)。
場所による選択 は、他の地物(同じレイヤもしくは他のレイヤ - 場所による選択 参照)との空間的な関係に基づいて地物を選択します
例えば、QGISサンプルデータの regions.shp
からBorough(市)の地域を探したい場合には、次のようにします:
フィールドと値 グループを展開します
クエリしたいフィールド( "TYPE_2" )をダブルクリックします
右に現れたパネルの 全てのユニーク ボタンをクリックします
リストの中から、「Borough」(市)をダブルクリックします。 式 エディタフィールドで、以下のようにクエリを記述します:
"TYPE_2" = 'Borough'
地物の選択 ボタンをクリックします
式ビルダーダイアログから、 式 を参照してください。
を使用して、以前に使用した式による選択を行うこともできます。ダイアログには最後に使用された20個の式が記憶されます。詳細情報や例はちなみに
新しいファイルに選択地物を保存する
と を使用することで、ユーザは選択した地物を 一時スクラッチレイヤ や任意のファイル形式の 新規ベクタレイヤ に保存することができます。
11.5.1.3. 値による地物選択
この選択ツールはレイヤの地物フォームを開き、各フィールドで検索する値、大文字と小文字を区別するかどうか、使用する操作をユーザーが選択できるようにします。このツールには自動補完機能もあり、自動的に検索ボックスに既存の値を入力します。
各フィールドの横には、検索動作を制御するためのオプションを選べるドロップダウンリストがあります:
フィールド検索オプション |
文字列 |
数値 |
日付 |
---|---|---|---|
フィールドを除外 :検索対象からフィールドを除外します |
|||
等しい(=) |
|||
等しくない(≠) |
|||
より大きい(>) |
|||
より小さい(<) |
|||
以上(≥) |
|||
以下(≤) |
|||
範囲内(境界値を含む) |
|||
範囲外(境界値を含む) |
|||
含む |
|||
含まない |
|||
値がない(null) |
|||
値がある(nullではない) |
|||
で始まる |
|||
で終わる |
文字列の比較には、 Case sensitive オプション(大文字・小文字を区別する)を使用することもできます。
全ての検索オプションを設定し終えたら、 地物を選択 ボタンをクリックしてマッチする地物を選択します。ドロップダウンオプションには以下のものがあります:
地物を選択
現在の選択に追加する
現在の選択から除去する
現在の選択をフィルタする
フォームのリセット ボタンを押すことで、全ての検索オプションをクリアすることができます。
検索条件をセットしたら、以下の操作も行えます:
地物にズーム あらかじめ選択することなく、マップキャンバス上の地物にズームします
地物をフラッシュ 検索条件に一致する地物を強調表示します。これは、選択や地物情報表示ツールを使用せずに地物を識別するのに便利な方法です。「地物をフラッシュ」はマップキャンバスの範囲を変更しないため、地物が現在の地図キャンバスの範囲内にある場合にのみ強調表示されることに注意してください。
11.5.2. 地物の識別
地物情報表示ツールを使用すると、地図キャンバスと対話的に操作して地物に関する情報を取得し、ポップアップウィンドウ内に表示します。地物情報を表示するには、以下を使用します:
11.5.2.1. 地物情報表示ツールを使用する
QGIS には 地物情報表示 ツールを使用して地物の情報を表示する方法がいくつかあります:
右クリック 地物情報 パネルで 選択モード 設定として 地物情報表示 ツールで右クリックすると、全ての可視レイヤからスナップされた地物全てを取得します。コンテキストメニューが開かれ、ユーザは情報表示しようとする地物をより正確に選択したり、あるいは地物に対して実行するアクションを選択したりすることができます。
右クリック 地物情報 パネルで 選択モード を ポリゴンによる地物の特定 とした状態で右クリックすると、 地物情報 パネルの 選択マスク 設定に応じて、選択した既存のポリゴンと重複する地物の情報を表示します。
ちなみに
地物情報表示ツールでクエリするレイヤをフィルタリングする
レイヤのCapabilities で、レイヤ列の隣にある 情報表示可能 列のチェックを外すと、 カレントレイヤ モード以外のモードで 地物情報表地 ツールを使った場合に地物情報が検索されなくなります。これは、興味のあるレイヤのみから地物情報を返すための便利な方法です。
タブ内の地物をクリックすると、 地物情報 ダイアログにクリックされた地物に関する情報が一覧表示されます。 デフォルトビューはツリービューで、最初の項目はレイヤの名前、その子は識別された地物です。 各地物は、フィールドの名前および値で記述されます。 このフィールドは で設定されたものです。 地物に関する他のすべての情報が続きます。
11.5.2.2. 地物情報
地物情報ダイアログはカスタムのフィールドを表示するようにカスタマイズすることもできますが、デフォルトでは以下の情報を表示します:
地物の 表示名
アクション:アクションを地物情報ウィンドウに追加できます。アクションは、アクションのラベルをクリックすることで実行されます。デフォルトでは、編集のため
地物フォームを見る
のアクション1つのみが追加されています。レイヤプロパティダイアログでより多くのアクションを定義することができます( アクションプロパティ を参照)。派生した属性 : この情報は、他の情報から計算されたものや、派生したものです。これには以下のものがあります:
地物のジオメトリに関する一般的な情報:
ジオメトリのタイプにもよるが、レイヤのCRSの単位で表示したデカルト計測による長さ、周長、面積。3次元のラインベクタレイヤでは、ラインのデカルト長さも利用可能です。
ジオメトリのタイプにもよるが、プロジェクトのプロパティダイアログにおいて 計測 に楕円体が設定されている場合には、指定された単位で表示した楕円体計算による長さ、周長、面積
地物内のジオメトリパーツの数と、クリックされたパーツの番号
地物内の頂点数
プロジェクトのプロパティ 座標の表示 設定を使用した座標情報:
クリックされた点の
X
、Y
座標値クリックされた点に最も近い頂点の番号
最も近い頂点の
X
、Y
座標値(利用可能ならばZ
/M
も)曲線セグメントをクリックした場合には、その部分の曲率半径も表示されます。
データ属性 :これは、クリックされた地物の属性フィールドと値のリストです。
リレーション を定義している場合には、関連する子地物についての情報
リレーションの名前
参照フィールドのエントリ、例えば関連した子地物の名前
アクション :レイヤプロパティダイアログで定義されているアクション( アクションプロパティ 参照)をリストします。デフォルトのアクションは
地物フォームを見る
です。データ属性 :これは、関連する子地物の属性フィールドと値のリストです。
注釈
地物属性内のリンクは 地物情報 パネルでクリックすることができ、デフォルトのウェブブラウザでリンクを開きます。
11.5.2.3. 地物情報ダイアログ
ウィンドウの上部には、少数のツールがあります:
ウィンドウの下部には、 モード と ビュー のコンボボックスがあります。 モード は、どのレイヤの地物情報を表示するかを定義します:
現在のレイヤ :選択したレイヤの地物情報のみが表示されます。レイヤのグループを選択した場合には、そのグループの可視レイヤの地物が識別されます。選択レイヤが無い場合には、現在のレイヤのみが識別されます。
トップダウン 最初の結果のみ : 最も上に見えているレイヤの地物のみを情報表示します。
トップダウン :全ての可視状態レイヤの地物情報を表示します。結果はパネル内に表示されます。
レイヤ選択 :右クリック時と同様に、コンテキストメニューを開き、どのレイヤの地物を情報表示するのかユーザがレイヤを選択します。パネルに表示されるのは選択されたレイヤの地物情報のみです。
ビュー は ツリー 、 テーブル または グラフ として設定できます。「テーブル」と「グラフ」ビューはラスタレイヤに対してのみ設定できます。
地物情報表示ツールでは 地物情報表示の設定 から 単一地物の場合、自動でフォームを開く の設定が行えます。これにチェックを入れると、単一の地物の情報を表示する場合には、フォームが開き地物属性が表示されます。これは地物の属性情報を素早く編集する際に便利な方法です。
その他の機能は、識別されたアイテムのコンテキストメニューにあります。たとえば、コンテキストメニューから次のことができます:
地物フォームを表示
地物にズーム
地物をコピー: すべての地物ジオメトリと属性をコピーします
選択地物を切り替え:識別された地物を選択範囲に追加します
属性値のコピー: クリックした属性値のみをコピーします
地物属性のコピー:地物属性をコピーします
結果のクリア:ウィンドウ内の結果が削除されます
ハイライトをクリア:マップ上の地物ハイライトが除去されます
すべてをハイライト
レイヤを強調表示
レイヤをアクティブにする:アクティブにするレイヤを選択します
レイヤのプロパティ: レイヤプロパティウィンドウを開きます
すべて展開する
すべて折りたたむ
11.7. データのドキュメント作成
レイヤでデータを表示したり、シンボル作成するだけでなく、QGISではレイヤに以下の情報を入力することができます:
メタデータ :データセットの入手方法や内容の理解に役立つ情報、アクセス方法、使用方法などに関する情報です。これらの情報はデータソースのプロパティであり、QGISのプロジェクトとは切り離して存在可能なものです。
レイヤノート :現在のプロジェクトにおけるレイヤに関する説明やコメント
11.7.1. メタデータ
レイヤプロパティダイアログの メタデータ タブには、レイヤに関するメタデータを作成・編集するためのオプションがあります。
入力する情報は、以下に関するものです:
データの 識別 :データセットの基本属性(親識別子、識別子、タイトル、要約、言語など)
データが属する カテゴリ : ISO カテゴリと併せて、カスタムのカテゴリを追加することもできます
キーワード :データおよび関連する概念を標準的な基本語彙に従って検索するためのキーワード
データセットへの アクセス (ライセンス、権利、料金および制約)
データセットの 領域 :空間的(CRS、地図領域、高度)な範囲と、時間的な範囲の両方
データセットの所有者の 連絡先
付随的なリソースや関連する情報への リンク
データセットについての 履歴
入力された情報の概要は 検証 タブに表示され、フォームに関連した潜在的な問題を特定するのに役立ちます。問題を修正してもよいですが、無視することもできます。
メタデータは現時点ではプロジェクトファイル内に保存されます。メタデータは、ファイルベースのレイヤは .qmd
ファイルに、リモートのレイヤ(例えばPostGIS)はローカルの .sqlite
データベースに保存することもできます。
11.7.2. レイヤノート
レイヤノートは、現在のプロジェクト内でレイヤのドキュメントを作成できます。これは、to doリストや説明、警告など、プロジェクトのユーザーにとって重要なメッセージを保存する場所として使用できます。
レイヤ パネルのレイヤのコンテキストメニューから レイヤノートを追加... を選択し、開いたダイアログに必要なテキストを入力します。
レイヤノート ダイアログはHTMLベースのマルチラインテキストボックスで、以下のツール一式を備えています:
テキスト操作:切り取り、コピー、貼り付け、元に戻す、やり直す
コンテンツの全部または一部に適用できる文字の書式設定:フォントのサイズと色、太字、イタリック、下線、取り消し線、背景色、URLのハイライト
パラグラフの構造化:箇条書き、順序リスト、字下げ、定義済みの見出し
ファイルの挿入(ドラッグ&ドロップでも可)
HTMLコードの編集
ツールバー右端にある ... のドロップダウンメニューでは、以下の操作ができます:
すべてのフォーマットを削除
文字フォーマットを削除
内容を消去
レイヤ パネルにおいて、レイヤノートを持つレイヤには アイコンが付き、このアイコンのマウスを乗せるとノートが表示されます。このアイコンをクリックすると、レイヤノートを編集できます。また、レイヤを右クリックして レイヤノートを編集... したり、 レイヤノートを削除 することもできます。
注釈
レイヤノートは レイヤスタイル の一部であり、 .qml
ファイルや .qlr
ファイルに保存できます。レイヤスタイルのコピー&ペーストによって、あるレイヤのノートを別のレイヤに移転させることもできます。
11.8. 値を変数に格納する
QGISでは、繰り返し使用する便利な値(例えばプロジェクトのタイトル、ユーザーの氏名など)を変数に保存し、式で使用できます。変数は、アプリケーションのグローバルレベル、プロジェクトレベル、レイヤレベル、プロセシングモデルレベル、レイアウトレベル、レイアウトアイテムのレベルで定義できます。CSSのカスケードルールと同様に、変数は上書きされます。例えば、プロジェクトレベルの変数は、同じ名前で設定されたアプリケーショングローバルレベルの変数を上書きします。変数名の前に @
文字を付けることで、変数を使用してテキスト文字列やその他のカスタム式を作成できます。例えば、印刷レイアウトのラベル作成で以下の内容とすると:
This map was made using QGIS [% @qgis_version %]. The project file for this
map is: [% @project_path %]
次のようなラベルをレンダリングします:
This map was made using QGIS 3.4.4-Madeira. The project file for this map is:
/gis/qgis-user-conference-2019.qgs
プリセットの読み取り専用変数 の他に、上記のどのレベルに対しても独自のカスタム変数を定義することができます。以下の場所で変数を管理できます。
グローバル変数
メニューからプロジェクト変数 プロジェクトのプロパティ ダイアログ( プロジェクトのプロパティ 参照)から
ベクタレイヤ変数 レイヤプロパティ ダイアログ( ベクタプロパティダイアログ 参照)から
グラフィカルモデラー変数 グラフィカルモデラー ダイアログ( グラフィカルモデラー 参照)から
レイアウト変数 印刷レイアウトの レイアウト パネル( レイアウトパネル 参照)から
レイアウトアイテム変数 印刷レイアウトの アイテムプロパティ パネル( レイアウトアイテムの共通オプション 参照)から
編集可能な変数と区別するために、読み取り専用変数の名前と値はイタリック体で表示されます。一方、低いレベルのもので上書きされた高レベル変数には取り消し線が引かれます。
注釈
変数についての詳細や例を知りたい場合には、 Nyall Dawson 氏のブログ投稿 Exploring variables in QGIS 2.12, part 1 、 part 2 、 part 3 を参照してください。
11.9. 認証
QGISには認証資格情報を安全な方法で保存/取得する機能があります。ユーザは認証情報を認証設定に安全に保存することができます。この認証情報はポータブルデータベースに保存され、サーバまたはデータベース接続に適用され、プロジェクトまたは設定ファイル内のIDトークンによって安全に参照されます。詳細については 認証システム を参照してください。
マスターパスワードは、認証システムとそのポータブルデータベースを初期化する際に設定する必要があります。
11.10. 共通のウィジェット
QGISでは、作業頻度が多いオプションがいくつかあります。作業に便利なように、QGIS では以下に紹介する特別なウィジェットが用意されています。
11.10.1. カラーセレクタ
11.10.1.1. 色ダイアログ
色を選ぶために をクリックすると、 色の選択 ダイアログが現れます。このダイアログの機能は の ネイティブの色選択ダイアログを使用する パラメータのチェックボックスの状態に依存します。チェックが入っている場合は、色選択にはQGISが起動しているOSのネイティブの色選択ダイアログが使用されます。チェックが入っていない場合には、QGISのカスタムカラーセレクタが使われます。
このカスタムカラーセレクタダイアログは4つの異なるタブを持っており、 カラーランプ 、 カラーホイール 、 色見本 または カラーピッカー によって色を選択することができます。前2者のタブでは、可能な全ての色組み合わせを閲覧し、選択した色をアイテムに適用することができます。
色見本 タブでは、カラーパレットのリストから色を選択することができます(詳細は 色 参照)。 最近使った色 パレット以外は、フレームの下部にある カレント色を追加 と 選択した色の削除 ボタンで編集することができます。
パレットのコンボボックスの隣にある ... ボタンは以下のオプションを提供します。
色のコピー、貼り付け、インポートまたはエクスポート
カラーパレットの新規作成、インポートまたは削除
色ボタンに表示 の項目で、カスタムパレットをカラーセレクタウィジェットに追加する( 図 11.31 参照)
別の選択肢として、 カラーピッカー を使用してQGISのUIや他のアプリケーションの任意の部分に置いたマウスカーソルの下にある色をサンプルすることができます。タブがアクティブなときにスペースバーを押し、目的の色の上にマウスを移動させて、クリックするかスペースバーを再度押します。 色をサンプルする ボタンをクリックしても、カラーピッカーを起動することができます。
どの方法を使ったとしても、選択された色はカラースライダーの HSV
(Hue, Saturation, Value)と RGB
(Red, Green, Blue)の値で表現されます。また、色は HTML表記法 でも確認できます。
色の変更は、カラーホイールやカラーランプ、任意の色パラメータのスライダーをクリックすることで簡単に行えます。色パラメータは横のスピンボックスを使うか、対応するスライダー上でマウスホイールをスクロールすることで調整することができます。また、HTML表記法で色を入力することもできます。最後に、透明度を設定するための 不透明度 スライダーがあります。
このダイアログには(オブジェクトに適用されている) 前の色 と(選択した) 現在の色 を視覚的に比較する機能もあります。ドラッグドロップするか、 見本に色を追加 ボタンを押すと、これらの色をスロットに保存し、簡単にアクセスできます。
ちなみに
色のクイック変更
あるカラーセレクタウィジェットを別のカラーセレクタウィジェットへドラッグ&ドロップすると、その色を適用することができます。
11.10.1.2. 色選択のドロップダウンショートカット
色ボタンの右にあるドロップダウンの矢印をクリックすると、色を素早く選択するためのウィジェットが表示されます。このショートカットには、以下の機能があります:
色を選ぶためのカラーホイール
色の不透明度を変更するためのアルファ値スライダー
色ボタンに表示 で設定されたカラーパレット
現在の色のコピーと、別のウィジェットへの貼り付け
コンピュータ画面上の任意の場所から色を取得
カラーセレクタダイアログから色を選択する
色をあるウィジェットから別のウィジェットにドラッグ&ドロップして、素早く色を変更する
注釈
カラーウィジェットがデータによって定義された上書きプロパティによって プロジェクトの色 に設定されている場合、上記の色を変更するための機能は利用できません。まず初めに 色のリンクの解除 をするか、定義を クリア する必要があります。
11.10.1.3. カラーランプのドロップダウンショートカット
カラーランプは、1つまたは複数の地物に色の組み合わせを適用するための実用的な方法です。その作成方法については、 カラーランプの設定 のセクションで説明しています。色については、 カラーランプボタンを押すと、対応したカラーランプタイプのダイアログが開き、そのプロパティを変更することができます。
ボタンの右側にあるドロップダウンメニューを使用すると、カラーランプとオプションの幅広いセットに素早くアクセスできます:
カラーランプを反転
ランダムカラーランプ :一部の状況でのみ利用可能で(例えばカラーランプをレイヤのシンボロジに使用する場合)、このエントリにチェックを入れるとランダムな色でカラーランプを作成し適用します。また、 色をシャッフル エントリを使用でき、現在のカラーランプに満足できない場合には新しいランダムカラーランプを再生成できます。
スタイルマネージャ ダイアログにおいて お気に入り に設定されている
グラデーション
あるいはカタログ: cpt-city
のカラーランプのプレビュー全カラーランプ で、対応するカラーランプデータベースへアクセスする
カラーランプを新規作成... で、現在のウィジェットで使用可能な、任意のサポートされている形式のカラーランプを作成する(このカラーランプは、ライブラリに保存しない限りは他の場所で使用できないことに注意してください)
カラーランプを編集... は、カラーランプボタンをクリックした時と同じです。
カラーランプを保存... は、現在のカラーランプをカスタマイズが適用された状態でスタイルライブラリに保存します
11.10.2. シンボルウィジェット
シンボル セレクタウィジェットは、地物のシンボルプロパティを設定したい場合に便利なショートカットです。ドロップダウン矢印をクリックすると、以下のシンボルオプションが 色ドロップダウンウィジェット の機能とともに表示されます。
シンボルの設定... : これはシンボルセレクタウィジェットを起動するのと同じです。 シンボルのパラメータ を設定するためのダイアログを開きます。
シンボルをコピーする は、現在のアイテムのシンボルをコピーします
シンボルを貼り付ける は、現在のアイテムにシンボルを貼り付けます。素早くシンボル設定ができます
11.10.3. リモート / 埋め込みファイルセレクタ
ファイルセレクタウィジェットの横に、 ... ボタンと一緒にドロップダウンの矢印ボタンが表示されていることがあります。これは、以下の箇所で利用できます:
シンボルやラベルにSVGファイルを使用する場合
シンボルやラベル、テクスチャ、地図整飾のカスタマイズにラスタ画像を使用する場合
矢印をクリックすると、以下の操作ができるメニューが表示されます:
ファイルを選択:ファイルはファイルパスを通じて識別され、QGISはパスを解決して対応する画像を表示します
URLから:上と同様ですが、画像はリモートのリソースから取得して読み込みます
ファイルを埋め込む:ファイルを現在のプロジェクトやスタイルデータベース、印刷レイアウトのテンプレート等に埋め込みます。これにより、そのファイルはアイテムの一部として常にレンダリングできるようになります。これはカスタムシンボルを含んだ自己完結型のプロジェクトを作成するのに便利な方法であり、異なるユーザーやQGISインストールの間で簡単にカスタムシンボルを共有できます。
埋め込みファイルを抽出:ウィジェットを通じて埋め込みファイルを抽出し、ディスク上に保存します
11.10.4. 空間範囲セレクタ
範囲 セレクタウィジェットは、空間的な範囲を選択して、レイヤに割り当てたり実行するアクションの範囲を制限したい場合に便利なショートカットです。使用される状況にもよりますが、以下の中から範囲を選択できます:
カレントレイヤの領域 :例えばレイヤのエクスポート時
:現在のプロジェクトに読み込まれているレイヤの範囲を使用する
現在の キャンバスの領域 を使用する
キャンバスに描画 :長方形を描画し、その座標を使用する
xmin, xmax, ymin, ymax
の形式で座標を入力または編集する
11.10.5. フォントセレクタ
フォント セレクタウィジェットは、テキスト情報(地物のラベル、地図整飾のタイトルラベル、地図の凡例テキスト等...)に対してフォントプロパティを設定したい場合に便利なショートカットです。ドロップダウン矢印をクリックすると、以下のオプションの一部または全てが表示されます。
フォントサイズ を関連づけられた単位で設定します
メニューは、最近使ったフォントと共に、アクティブなフォントが(最上部に)チェックされた状態で表示されます
フォーマットを設定... はフォントセレクタウィジェットのボタンを押した場合と同様です。テキストフォーマットのパラメータを設定するダイアログが開きます。テキスト設定の状況にもよりますが、このダイアログはOSのデフォルトの テキストフォーマット ダイアログ、もしくは、 ラベルテキストの書式設定 のセクションで説明する、高度なフォーマットのオプション(不透明度、テキストの向き、バッファ、背景、影など...)を備えたQGISのカスタムダイアログです。
コピー形式 :テキストのフォーマットをコピーします
貼り付けフォーマット :コピーしたフォーマットをテキストに貼りつけ、フォーマットを素早く設定できます
色ウィジェット :簡単に色設定ができます
11.10.6. 単位セレクタ
QGIS のアイテム(ラベル、シンボル、レイアウト要素 ...)のサイズプロパティは、必ずしもプロジェクト単位または特定のレイヤの単位に拘束されるわけではありません。多くのプロパティでは、 単位 セレクタのドロップダウンメニューを使用して、必要なレンダリングに応じて(画面解像度、用紙サイズ、または地形を基準として)プロパティの値を調整することができます。利用可能な単位は以下のとおりです:
ミリメートル(Millimeters)
ポイント(Points)
ピクセル(Pixels)
インチ(Inches)
縮尺済みメートル(Meters at Scale) :これにより、基礎となる地図単位(例:インチ、フィート、度 ...)に関係なく、常にサイズをメートル単位で設定できます。メートル単位のサイズは、現在のプロジェクト楕円体の設定と、現在のマップ範囲の中心位置でのメートル単位の距離の投影に基づいて計算されます。投影座標系のマップの場合、この設定は投影された単位長さを使用して計算されます。地理的座標系(緯度/経度)に基づくマップの場合には、サイズはマップの縦方向スケールの楕円体計算を使用して計算されたメートル単位で近似されます。
地図単位 : サイズはマップビューのスケールに応じて拡大縮小されます。これは大きすぎる、あるいは小さすぎる値となることがあるため、エントリの隣にある ボタンを使用して、サイズを以下に基づいた値の範囲に制限します:
最小縮尺 と 最大縮尺 :これらの縮尺限界値に到達するまでは、値はマップビューの縮尺に基づいてスケーリングされます。縮尺の範囲外の場合は、値は最も近い縮尺限界値に基づく値のままです。
かつ/または 最小サイズ と 最大サイズ を
mm
単位で指定したもの :値はこれらのサイズ限界値に到達するまで、マップビューの縮尺に基づいてスケーリングされます。限界値に到達した場合は、このサイズ限界値で一定となります。
11.10.7. 数値フォーマット
数値フォーマットでは、様々な整形方法(例えば指数表記、通貨、パーセント等)を使用して数値の表示を整形できます。この使用例には、レイアウトのスケールバーや固定サイズのテーブルのテキストなどがあります。
様々なカテゴリのフォーマットをサポートしています。多くの場合、下記の数値オプションの一部もしくはすべてを設定できます:
ただし、カスタム設定もあります。提供されているカテゴリは以下のとおりです。
一般情報 、デフォルトのカテゴリ:設定がなく、親ウィジェットの設定もしくはグローバル設定と同様に値を表示します。
数値
値はユーザーが定義した 小数点以下桁数 もしくは 有効数字`で :guilabel:`数値を丸める ことができます
数字の3桁区切り記号 や 小数点記号 をカスタマイズできます
方向/方位のテキスト表現を設定する 方位 には、以下の設定があります。
形式 :利用可能な値の範囲は
0 から 180°, (E/W付き)
、-180 から +180°
、0 から 360°
です小数点以下桁数 の数字
通貨 は、通貨の値のテキスト表現のための設定です。
接頭辞
単位文字
小数点以下桁数 の数字
分数 は、小数値の分数表現のための設定です(例: 0.5 の代わりに 1/2 )
パーセント - 値に
%
を付け足します。以下の設定があります小数点以下桁数 の数字
縮尺 :実際の値がすでにパーセント表現となっている(そのままの値)か、小数値(パーセントに変換する)かを指示します
指数表記 は、
2.56e+03
の形式での表記です。 小数点以下桁数 の数字を指定できます。
サンプル セクションの下には、設定のライブプレビューが表示されます。
11.10.8. 混合モード
QGISは混合モードツールを通じて、これまでは画像編集プログラムでしか知られていないような、特別なレンダリング効果のためのさまざまなオプションを提供しています。混合モードは、レイヤや地物に適用したり、印刷レイアウトアイテムにも適用することができます:
通常(Normal):これは標準の混合モードで、上にあるピクセルのアルファチャンネルを使用して、その下のピクセルと混合します。色は混合されません。
比較・明(Lighten):これは、前景と背景のピクセルから各成分の最大値を選択します。結果はギザギザで粗くなる傾向があることに注意してください。
網掛け処理(Screen):アイテムの明るいピクセルは下のレイヤ上に塗られますが、暗いピクセルは塗られません。このモードは、あるアイテムのテクスチャを別のアイテムに混ぜるのに便利です(例えば、陰影図を使って他のレイヤのテクスチャを作成するなど)。
覆い焼き(Dodge):上にあるピクセルの明るさに基づき下のピクセルを明るくし、彩度を上げます。上にあるピクセルが明るいほど、下のピクセルの彩度と明るさが上がります。これは、上にあるピクセルが明るすぎない場合に最適です。そうでない場合は効果が極端になります。
覆い焼き・加算(Addition):あるアイテムのピクセル値を他方のピクセル値に加えます。値が上限値よりも大きくなる場合、(RGBモードの場合は)白色で表示されます。このモードは地物をハイライトするのに適しています。
比較・暗(Darken):上と下のピクセルの各成分で最小値を保持します。「比較・明」と同様に、結果はギザギザで粗くなる傾向があります。
乗算(Multiply):上のアイテムのピクセル値を下のアイテムのピクセル値と掛け合わせます。結果は暗くなります。
焼きこみ(Burn):上にあるアイテムの色が濃いと、下にあるアイテムの色が濃くなります。「焼きこみ」は下にあるレイヤの色を調整したり、色付けしたりするのに使えます。
オーバーレイ合成(Overlay):「乗算」と「網掛け処理」混合モードの組み合わせです。明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗くなります。
ソフトライト(Soft light):「オーバーレイ合成」とよく似ていますが、「乗算」/「網掛け処理」の代わりに「焼き込み」/「覆い焼き」を使います。これは、画像に柔らかい光が当たっているのを模擬したものです。
ハードライト(Hard light):「ハードライト」も「オーバーレイ合成」モードと非常によく似ています。画像に非常に強い光が当たっているのを模擬したものです。
差の絶対値(difference): 結果が常に正の値となるように、下のピクセル値から上のピクセル値を引く、もしくはその逆を行います。黒色との混合は、全ての色に対する違いがゼロのため、何の変化もありません。
減算(Subtract):あるアイテムのピクセル値から他のアイテムのピクセル値を引きます。負の値となる場合には、黒く表示されます。
11.10.9. データによって定義された上書きの設定
ベクタレイヤのプロパティダイアログの多くのオプションや印刷レイアウトの設定の横には、 データによって定義された上書き アイコンがあります。このツールでは、レイヤ属性やアイテム設定に基づいた 式 、予め用意された関数やカスタム関数、 変数 を使用して、パラメータに動的な値を設定することができます。これを有効にすると、通常の値(チェックボックス、テキストボックス、スライダー...)に関係なく、このウィジェットによって返される値がパラメータに適用されます。
11.10.9.1. データによって定義された上書きウィジェット
データによって定義された上書き アイコンをクリックすると、以下のエントリが表示されます:
説明... は、オプションが有効化されているか、予想される入力値、有効な入力型、そして現在の定義を表示します。ウィジェットの上にマウスカーソルを乗せることでも、この情報を表示します。
データをプロジェクトに格納する : 補助テーブルプロパティ 機能を使用してプロパティをプロジェクトに保存することを許可するためのボタンです。
フィールドの型: レイヤのフィールドのうち、有効な入力型に一致するフィールドから選択するためのエントリです。
色: ウィジェットが色プロパティと関連しているときには、このメニューから現在の プロジェクトの色 スキームとして定義されている色にアクセスできます。
変数 :利用可能なユーザー定義の 変数 へアクセスするためのメニューです。
編集... ボタンは、 式文字列ビルダ ダイアログを使用して、適用する式を作成もしくは編集するためのボタンです。正しく式を入力するのを助けるために、期待される出力フォーマットのヒントがダイアログ内に表示されています。
貼り付け と コピー ボタン
クリア ボタンで設定を削除します。
数値と色のプロパティには、地物データがプロパティにどのように適用されるのかを再スケーリングするための アシスタント... があります(詳細については 下記 を参照ください)。
11.10.9.2. データによる定義のアシスタントインターフェースを使用する
データによって定義された上書き ボタンが大きさや回転、不透明度、色プロパティと関連づけられている場合には、 アシスタント... オプションがあり、各地物に対してデータがパラメータに適用される方法を変更する助けとなります。アシスタントには以下の機能があります:
入力 データの定義。すなわち:
ソース :フィールドまたは 式 を使用して表現する属性値
表す値の範囲:値を手入力することもできますが、 レイヤから値の範囲を取得する ボタンを使用して、データに適用された ソース 式によって返される最小値と最大値でこのフィールドを自動的に入力することもできます。
変換曲線を適用する :デフォルトでは、出力値(設定は下記を参照)は線形スケールに従って入力地物に適用されます。 これを変換曲線ロジックを利用して上書きすることができます。変換オプションを有効にして、グラフにブレークポイント(複数可)を追加しポイントをドラッグして、適用するカスタム分布が作成できます。
出力 値の定義:このオプションは定義するパラメータによって異なります。共通して設定できるのは以下の項目です:
色の設定については、値に適用する カラーランプ と、値がNULLのときに使用する単一色
それ以外の場合は、選択したプロパティに適用する最小値・最大値と、ソース地物の値が無視される場合やNULLのときに出力する大きさ/角度/不透明度の値
大きさプロパティについては、表現の スケール方法 の設定。 フラナリー 、 指数関数的 、 サーフェスグリッド(Surface) 、 半径 、 線形 の中から選択します
データのスケーリングに使用する 指数 。 スケール方法 を「指数関数的」とする場合や、不透明度の調整において使用します
対応しているプロパティの場合には、ダイアログの右側にライブ更新プレビューが表示され、値のスケーリングを制御するのに役立ちます。
上図のシンボルの大きさアシスタントによって設定された値は、大きさの「データによって定義された上書き」を以下のように設定します:
coalesce(scale_exp("passengers", 9, 2000, 1, 10, 0.57), 0)