14.1. データを開く
オープンソース・ソフトウェアのエコシステムの一部として、QGISは様々なライブラリの上に構築されています。これらのライブラリは、QGIS独自のプロバイダと組み合わされることで、多くのフォーマットを読み込む機能と、そして多くの場合は書き出す機能も提供しています:
ベクタデータ形式: GeoPackage、GML、GeoJSON、GPX、KML、コンマ区切りテキスト、ESRIフォーマット(シェープファイル、ジオデータベース等)、MapInfo、MicroStationファイル形式、AutoCAD DWG/DXF、GRASS、その他多くの形式が含まれます。完全なリストは、 サポートしているベクタ形式 を参照してください。
ラスタデータ形式: GeoTIFF、JPEG、ASCII Gridded XYZ、MBTiles、RやIDRISIラスタ、 GDAL Virtual、SRTM、Sentinel Data、ERDAS IMAGINE、ArcInfo Binary Grid、ArcInfo ASCII Grid、その他多くの形式が含まれます。完全なリストは サポートしているラスタ形式 を参照してください。
データベース形式:PostgreSQL/PostGIS、SQLite/SpatiaLite、Oracle、MSSQL Spatial、SAP HANA、MySQL等が含まれます。
WebマップとWebデータサービス(WM(T)S、WFS、WCS、CSW、XYZ tiles、ArcGIS services等)もQGISのプロバイダで扱うことが可能です。これらの一部についてのより詳しい情報は OGC / ISOプロトコルで作業する を参照してください。
アーカイブされたフォルダからサポートしているフォーマットのファイルを読み込んだり、QML ファイル ( QML-QGISスタイルファイル形式 )などのQGISネイティブ形式や仮想レイヤ、メモリレイヤを使用することができます。
80以上のベクタ形式と140以上のラスタ形式が GDAL とQGISネイティブプロバイダによってサポートされています。
注釈
さまざまな理由により、リストに挙げたすべてのフォーマットがQGISで動作するわけではありません。例えば、外部のプロプライエタリなライブラリを必要とする場合や、お使いのOSのGDAL/OGRのインストールが、使用したいフォーマットをサポートするようにビルドされていない場合もあります。利用可能なフォーマットのリストを確認するには、コマンドラインで ogrinfo --formats
(ベクタ用)や gdalinfo --formats
(ラスタ用)を実行するか、QGIS上で のメニューを確認してください。
QGISでは、データ形式に応じて、データセットを開くためのさまざまなツールがあります。それらは主に レイヤ管理 ツールバー( メニューで有効にできます)で使用できます。ただし、これらのツールはすべて データソースマネージャ ダイアログというただ一つのダイアログを指しています。このダイアログは データソースマネージャツールバー にある データソースマネージャを開く ボタンを押すか、または Ctrl+L を押すと開くことができます。 データソースマネージャ ダイアログ( 図 14.1 )は、ベクタ形式またはラスタ形式のファイルベースのデータやデータベース、QGISがサポートするWebサービスを開くための統一されたインターフェイスを提供します。 このダイアログは、 メニューの モードレスデータソースマネージャダイアログ でモーダルに設定したりモードレスに設定できます。
メニューまたはこのメインエントリポイントの他に、接続されたデータベースを分析したり操作したりする高度な機能を提供する DBマネージャ プラグインがあります。DBマネージャの機能についての詳細は、 DB Manager Plugin を参照してください。
他にも多くのツールやネイティブのプラグイン、サードパーティ製のプラグインがあり、様々なデータ形式を開くのに役立ちます。
この章では、QGISでデータをロードするためにデフォルトで提供されているツールのみを説明します。主に、 データソースマネージャ ダイアログに焦点を当てますが、 各タブの説明だけでなく、データプロバイダやフォーマットの仕様に基づいたツールについても説明します。
14.1.1. ブラウザパネル
ブラウザ は、素早く簡単にデータをプロジェクトに追加する主な方法の一つです。これは、以下の方法で利用できます。
どちらの場合でも、 ブラウザ はレイヤの種類(ラスタ、ベクタ、テーブル)やデータソースの形式(プレーンまたは圧縮ファイル、データベース、webサービス)に関係なく、ファイルシステム内を検索しジオデータを管理するのに役立ちます。
14.1.1.1. インターフェースについて
ブラウザパネルの上部には、以下の機能を持つボタンがあります:
選択したレイヤの追加 :レイヤのコンテキストメニューから レイヤをプロジェクトに追加する を選択することでも、マップキャンバスにデータを追加することができます。
ブラウザのフィルタ :特定のデータを検索するためにブラウザをフィルタリングします。検索語やワイルドカードを入力すると、ブラウザはツリーをフィルタリングして、一致するDBテーブル、ファイル名、フォルダへのパスのみを表示します -- 他のデータやフォルダは表示されません。 図 14.2 のブラウザ(2)パネルの例を参照してください。比較は大文字と小文字を区別するかどうかを指定できます。また、下記のオプションを設定することもできます:
通常 :検索テキストを含むアイテムを表示します
ワイルドカード :
?
や*
の文字を使用して、検索テキストの位置指定を調整した検索を実行できます。正規表現
プロパティウィジェットの有効化/無効化 :オンに切り替わると、パネルの下部に新しいウィジェットが追加され、選択されたアイテムのメタデータが表示されます。
ブラウザ パネル内のエントリは階層的にまとめられており、いくつかのトップレベルエントリがあります:
お気に入り :よく使用する場所へのショートカットを置くことができる場所です
空間ブックマーク :よく使用するマップ範囲を保存できる場所です( 空間ブックマーク 参照)
プロジェクトホーム :プロジェクトに関連したデータ(の大半)が保存されているフォルダへのクイックアクセスです。デフォルト値は、プロジェクトファイルがあるディレクトリです。
ファイルシステムの ホーム ディレクトリと、ファイルシステムのルートディレクトリ
接続されているローカルドライブやネットワークドライブ
それから、プラットフォームや基礎となるライブラリにもよりますが、多数のコンテナ / データベース形式やサービスプロトコルのトップレベルエントリがあります:
14.1.1.2. ブラウザ項目とのインタラクション
ブラウザは、ブラウザへのドラッグ&ドロップや、ブラウザからキャンバスや レイヤ パネルへのドラッグ&ドロップ、 レイヤ パネルからブラウザ内のレイヤコンテナ(例えばGeoPackage等)へのドラッグ&ドロップをサポートしています。
ブラウザ内のプロジェクトファイルのアイテムは展開することができ、プロジェクトに含まれる(グループを含む)完全なレイヤツリーを表示します。プロジェクトのアイテムはブラウザ内の他のアイテムと同様に扱われるため、(例えばGeoPackageファイルにレイヤアイテムをコピーするために)ブラウザ内でドラッグ&ドロップしたり、ドラッグ&ドロップやダブルクリックで現在のプロジェクトにアイテムを追加したりすることができます。
ブラウザ パネル内の要素を右クリックすると、コンテキストメニューが開きます。
ファイルシステムのディレクトリエントリの場合、コンテキストメニューには次のようなものがあります:
は、下記のエントリから選択して新規作成します
ディレクトリ...
GeoPackage...
シェープファイル...
お気に入りとして追加 :お気に入りフォルダは好きな時に名前の変更( お気に入りの名前の変更... ) や削除( お気に入りを削除 )ができます。
ブラウザから隠す :隠されたフォルダは の設定で見えるように戻すことができます。
このディレクトリの高速スキャン
ディレクトリを開く...
ターミナルで開く...
プロパティ...
ディレクトリプロパティ...
プロジェクト内でレイヤとして扱うことのできるリーフエントリについては、コンテキストメニューにサポート項目があります。例えば、非データベース、非サービスベースのベクタ、ラスタ、メッシュデータソースには、以下の項目があります:
レイヤをプロジェクトに追加する
レイヤのプロパティ
"<name of file>" を削除...
またはファイルに表示
ファイルプロパティ...
レイヤのプロパティ エントリを選択すると、(レイヤがプロジェクトに追加された後に ベクタ レイヤや ラスタ レイヤのプロパティで表示されるものと同様な)以下の情報が表示されます:
レイヤに関する メタデータ 。メタデータのグループは次のとおりです: プロバイダからの情報 (可能ならば パス はソースへのハイパーリンクで表示されます)、 識別 、 領域 、 アクセス 、 属性 (ベクタレイヤの場合)、 バンド (ラスタレイヤの場合)、 連絡先 、 リンク (ベクタレイヤの場合)、 リファレンス (ラスタレイヤの場合)、 履歴
プレビュー パネル
ベクタソースの場合は属性テーブル( 属性 パネル内)
ブラウザ を使用してプロジェクトにレイヤを追加するには、次の手順で操作します:
ブラウザ を上記の方法で有効にします。ファイルシステム、データベース、webサービスのブラウザツリーが表示されます。データベースやwebサービスが表示される前に、データベースやwebサービスへ接続する必要があるかもしれません(専用のセクションを参照してください)。
リストの中からレイヤを見つけます。
レイヤのコンテキストメニューを使用するか、レイヤ名をダブルクリックするか、レイヤを マップキャンバス へとドラッグ&ドロップします。これでレイヤは レイヤパネル に追加され、マップキャンバス上で見ることができるようになります。
ちなみに
ブラウザからQGISプロジェクトを直接開く
プロジェクト名をダブルクリックするか、マップキャンバス上へドラッグ&ドロップすることで、ブラウザパネルからQGISのプロジェクトを直接開くこともできます。
ファイルがロードされたら、マップナビゲーションツールを使用してレイヤをあちこちズームすることができます。レイヤのスタイルを変更するには、凡例内のレイヤ名をダブルクリックするか、レイヤ名を右クリックしてコンテキストメニューから レイヤプロパティ ダイアログを開きます。ベクタレイヤのシンボロジ設定の詳細については、 シンボロジプロパティ を参照してください。
を選択し、ブラウザツリー内のアイテムを右クリックすると、以下の機能があります:
ファイルやテーブルについては、メタデータを表示したり、プロジェクト内に開きます。テーブルは名前を変更したり、行を削除したり、全行削除することもできます。
フォルダについては、お気に入りにブックマークしたり、ブラウザツリーから隠したりできます。非表示となったフォルダは、
タブで管理することができます。空間ブックマーク の管理:ブックマークを作成したり、ブックマークを
XML
ファイルとしてエクスポートしたり、XML
ファイルからインポートしたりできます。データベースやwebサービスへの接続を作成します。
再読み込みや、スキーマ名の変更、スキーマの削除ができます。
また、ファイルをデータベースにインポートしたり、1つのスキーマ/データベースから別のスキーマ/データベースにテーブルをコピーしたりすることもドラッグ&ドロップで簡単に行うことができます。2つ目のブラウザパネルを利用することで、ドラッグ中に長いスクロールを行わずに済みます。ファイルを選択して、一方のパネルから他方のパネルへとドラッグ&ドロップするだけです。
ちなみに
OSのファイルブラウザからドラッグ&ドロップでQGISにレイヤを追加する
オペレーティングシステムのファイルブラウザから レイヤパネル またはマップキャンバスにファイルをドラッグ&ドロップしても、ファイルをプロジェクトに追加できます。
14.1.2. DBマネージャ
DBマネージャ プラグインは、QGISがサポートする空間データベース形式(PostGIS、SpatiaLite、GeoPackage、Oracle Spatial、MSSQL、仮想レイヤ)を統合して管理するためのもう一つのツールです。これは、 メニューから有効化することができます。
データベースに接続し、その構造や内容を表示する
データベースのテーブルをプレビューする
ダブルクリックまたはドラッグ&ドロップで、マップキャンバスへレイヤを追加する
QGISブラウザや他のデータベースから、データベースにレイヤを追加する
SQLクエリを作成し、実行結果をマップキャンバスへ追加する
仮想レイヤ を作成する
DBマネージャの機能に関する更なる情報は、 DB Manager Plugin を参照してください。
14.1.3. プロバイダベースの読み込みツール
ブラウザパネルとDBマネージャはレイヤを追加するためにQGISが提供する主なツールですが、この他に、データプロバイダに特化したツールもあります。
注釈
いくつかの 外部プラグイン も、QGISで特定の形式のファイルを開くためのツールを提供しています。
14.1.3.1. ファイルからレイヤを読み込む
ファイルからレイヤを読み込むには、次の手順で操作します:
データソースマネージャ ダイアログでレイヤタイプのタブを開きます。つまり、 データソースマネージャを開く ボタン(または Ctrl+L )を押し、目的のタブを有効にします。 もしくは、
... ブラウズ ボタンをクリックします
ファイルシステムを検索し、サポートされているデータソースを読み込みます。ダイアログで Ctrl キーを押しながら複数のアイテムをクリックするか、 Shift キーを押しながら最初と最後のアイテムを選択することでアイテム範囲を選択することで、複数のレイヤを同時に読み込むことが可能です。ファイル形式のフィルタには、十分にテストされたファイル形式のみが表示されます。他のファイル形式は、
全ファイル
(プルダウンメニューの一番上のアイテム)を選択することで読み込むことができます。開く ボタンを押し、選択したファイルを データソースマネージャ ダイアログに読み込みます
追加 ボタンを押すと、QGISにファイルが読み込まれ、マップビューに表示されます。 図 14.7 は、
alaska.shp
ファイルがロードされた後のQGISを表示しています。
注釈
GDALドライバはベクタファイルとラスタファイルを読み込むときにオープン動作の定義ができます。これは、ファイルが選択されたときに表示されます。オプションの詳細は https://gdal.org/drivers/vector/ および https://gdal.org/drivers/raster で説明されており、QGISでファイルを選択すると、ハイパーリンク付きのテキストで選択したファイルタイプのドキュメントへ直接移動できます。
注釈
MapInfo (例 .tab
)やAutoCAD( .dxf
)などいくつかのファイル形式は一つのファイル内にさまざまなジオメトリタイプを混在させることが可能なため、このようなデータセットを開く時には、レイヤごとに1つのジオメトリとするために、使用するジオメトリを選択するダイアログが開きます。
ベクタ と ラスタ タブでは、 ファイル 以外のソースタイプからレイヤを読み込むことができます:
ArcInfo Binary Coverage
、UK. National Transfer Format
やUS Census Bureau
のraw TIGER形式、OpenfileGDB
といった特定のベクタフォーマットを読み込むことができます。これらを読み込むためには、 ソースタイプ で ディレクトリ を選択します。この場合、 ... ブラウズ ボタンを押すと、ダイアログではディレクトリの選択が可能になります。データベース ソースタイプでは、既存のデータベース接続を選択したり、選択したデータベースタイプの接続を作成したりすることができます。利用可能なデータベースタイプには、
ODBC
、Esri Personal GeoDatabase
、MSSQL
、PostgreSQL
、MySQL
などがあります。新規 ボタンを押すと、 新しいOGRデータベース接続を作成する ダイアログが開きます。指定できるパラメータは 保存された接続の作成 で説明しているものと同じです。 Open ボタンを押すと、利用可能なテーブルの中から、例えば PostGIS が有効になっているデータベースのテーブルなどを選択することができます。
プロトコル ソースタイプは、ローカル、あるいはネットワークに保存されたデータを開きます。このデータはパブリックアクセスが可能か、商用クラウドストレージサービスのプライベートバケットに保存されているかのいずれかです。サポートされているプロトコルタイプは以下のとおりです:
HTTP/HTTPS/FTP
: URI と、必要に応じて 認証 を指定しますAWS S3
、Google Cloud Storage
、Microsoft Azure Blob
、Alibaba OSS Cloud
、Open Stack Swift Storage
等のクラウドストレージ。 バケットまたはコンテナ と オブジェクトキー を入力する必要があります。OGC
WFS 3
をサポートするサービス(まだ実験段階です)。GeoJSON
またはGEOJSON - Newline Delimited
フォーマットを使用しているか、CouchDB
データベースに基づくものです。 URI が必須で、 認証 はオプションです。ベクタソースタイプ全てについて、 文字コード の指定が可能です。 設定を使うこともできます。
14.1.3.2. メッシュレイヤを読み込む
メッシュは通常、時間やその他の成分を持った非構造格子です。空間成分には、2Dまたは3D空間の頂点、辺、面の集合が含まれます。メッシュレイヤに関する詳細な情報は メッシュデータの操作 を参照してください。
メッシュレイヤをQGISに追加するには、次の手順で操作します:
- メニューから選択するか、
... ブラウズ ボタンを押し、ファイルを選択します。 さまざまなファイル形式 がサポートされています。
ファイルを選択し、 追加 ボタンを押します。ネイティブのメッシュレンダリングを使用してレイヤが追加されます。
選択したファイルが多数のメッシュレイヤを含む場合には、ダイアログが表示され、読み込むサブレイヤ選択するよう促されます。読み込むレイヤを選択して OK ボタンを押すと、ネイティブのメッシュレンダリングでレイヤが読み込まれます。レイヤ群をグループにして読み込むこともできます。
14.1.3.3. 区切りテキストファイルをインポートする
区切りのあるテキストファイル(例えば .txt
、 .csv
、 .dat
、 .wkt
)は上記のツールを使って読み込むことができますが、その方法ではファイルはシンプルなテーブルとして表示されます。時には、区切りのあるテキストファイルに可視化したい座標 / ジオメトリが含まれていることがあります。 CSVテキストレイヤの追加 で読み込むことで、これを可視化することができます。
... ブラウズ ボタンをクリックし、インポートしたい区切りのあるテキストファイル(例えば
qgis_sample_data/csv/elevp.csv
)を選択します。プロジェクト内でレイヤに使用したい名前を レイヤ名 フィールドに入力します。 (例:
Elevation
)以下に説明するように、データセットや必要に合わせて設定を行います。
ファイル形式
ファイルが選択されると、QGISは最近使用された区切り文字を使用してファイルの解析を試み、フィールドと行を識別します。QGISがファイルを正しく解析できるようにするためには、正しい区切り文字を選択することが重要です。区切り文字には、次のいずれかを選択して指定することができます:
レコードとフィールドのオプション
他にもデータ認識に使用できる便利なオプションがいくつかあります:
破棄するヘッダ行数 :ファイルの始めの数行が空行あるいは別フォーマットであるときに、これをインポートしないようにする場合に便利です。
最初の行はフィールド名 :最初の行の値をフィールド名として使用します。チェックがない場合には、QGISはフィールド名に
field_1
、field_2
等を使用します。フィールド型を検出する :フィールドの型を自動的に認識します。チェックがない場合には、全ての属性はテキストフィールドとして扱われます。
解析器のプロパティを設定すると、ダイアログ下部のサンプルデータのプレビューが更新されます。
ジオメトリ定義
ファイルが解析されたら、 ジオメトリ定義 の設定を行います。
ポイント座標 レイヤがポイントジオメトリ型で、 X属性 、 Y属性 、 Z属性 (3次元データの場合)、 M値の属性 (計測次元の場合)のフィールドを含む場合には、これを指定します。座標が度 / 分 / 秒で定義されている場合には、 度分秒を使う のチェックボックスにチェックを入れます。 CRSの選択 ウィジェットを使用して、適切な ジオメトリのCRS を指定します。
Well-known text (WKT) オプションは、空間情報がWKTにより表現されている場合に使用します:WKTジオメトリが含まれる ジオメトリフィールド を選択し、 適切な ジオメトリタイプ を選ぶか、QGISの自動検出に任せます。 CRSの選択 ウィジェットを使用して、 適切な ジオメトリのCRS を指定します。
ファイルが非空間データの場合には、 ジオメトリなし(属性のみのテーブル) を有効にすると、通常のテーブルとして読み込まれます。
レイヤ設定
また、以下を有効にできます:
サブセットインデックスを使う :(レイヤプロパティで定義されている場合に) サブセットフィルタ のパフォーマンスを改善します。
最後に 追加 をクリックし、マップにレイヤを追加します。この例では、 Elevation
という名前のポイントレイヤがプロジェクトに追加され、QGISの他のマップレイヤと同様に動作します。このレイヤは .csv
ソースファイルに対するクエリの結果であり(従ってこれにリンクされているため)、ディスク上に空間レイヤを取得するには 保存する 必要があります。
14.1.3.4. DXFファイルやDWGファイルをインポートする
DXF
ファイルや DWG
ファイルはブラウザパネルからドラッグ&ドロップするだけでQGISに追加できます。プロジェクトに追加したいサブレイヤを選択するプロンプトが表示されます。レイヤはランダムなスタイルのプロパティで追加されます。
注釈
いくつかのジオメトリタイプ(ポイント、ライン、ポリゴン)を含むDXFファイルは、 <filename.dxf> entities <geometry type> のような名前でレイヤが生成されます。
dxf/dwgファイルの構成とシンボロジをQGISでも保つためには、
から専用のツールを使用するとよいでしょう。このツールにより、次の操作を行います:図面ファイルからGeoPackageデータベースに要素をインポートする
インポートした要素をプロジェクトに追加する
DWG/DXFのインポート ダイアログでは、図面ファイルの内容をインポートするために以下の情報を入力する必要があります:
ターゲットパッケージ 、つまりデータが保存される新規GeoPackageファイルの場所を入力します。既存のファイルを指定した場合には、ファイルは上書きされます。
図面ファイルのデータの座標参照系を指定します。
インポート ボタンを使用して、使用するDWG/DXFファイル(1つのGeoPackageに1ファイル)を選択します。図面ファイルの内容がGeoPackageデータベースに自動的に追加されます。ファイルのサイズにもよりますが、これには時間がかかる場合があります。
.dwg
ファイルまたは .dxf
ファイルのデータがGeoPackageデータベースへとインポートされたら、ダイアログの下半分にあるフレームにインポートファイルからのレイヤのリストが表示されます。ここからQGISプロジェクトに追加したいレイヤを選択できます:
14.1.3.5. OpenStreetMapベクタのインポート
多くの国ではデジタル道路地図等のジオデータが無料で利用できないため、OpenStreetMapプロジェクトは人気があります。OSMプロジェクトの目的は、GPSデータや航空写真、ローカルな知識からフリーで編集可能な世界地図を作成することです。この目的を支援するため、QGISはOSMデータのサポートを提供しています。
ブラウザパネル を使用して .osm
ファイルをマップキャンバスに読み込むと、ジオメトリタイプに基づいてサブレイヤを選択するためのダイアログが現れます。読み込んだレイヤには .osm
ファイル内のそのジオメトリタイプの全てのデータが含まれており、 osm
ファイルのデータ構造が保持されています。
14.1.3.6. SpatiaLiteレイヤ
初めてSpatiaLiteデータベースからデータをロードするときは、始めに以下の操作を行います:
これによりウィンドウが現れ、QGISが既に知っているSpatiaLiteデータベース(ドロップダウンメニューから選択)に接続するか、新しいデータベースへの新規接続を定義します。新規接続を定義するには、 新規 をクリックし、ファイルブラウザを使用してSpatiaLiteデータベースを指定します。SpatiaLiteデータベースは .sqlite
拡張子を持つファイルです。
また、QGISはSpatiaLiteで編集可能なビューもサポートしています。
14.1.3.7. GPS
GPSデータを保存するためのファイル形式は何十種類もあります。QGISが使用している形式はGPX(GPS eXchange format)と呼ばれ、同じファイル内に複数のウェイポイント、ルート、トラックを含めることができる標準的な交換形式です。
... ブラウズ ボタンを使用してGPXファイルを選択し、GPXファイルから読み込みたい地物タイプをチェックボックスを使用して選択します。各地物タイプは別々のレイヤで読み込まれます。
14.1.3.8. GRASS
GRASSベクタデータでの作業は GRASS GIS の統合 セクションで説明しています。
14.1.4. QGISカスタム形式
QGISには2つのカスタム形式があります:
一時スクラッチレイヤ:プロジェクトに結び付いたメモリレイヤです(詳細は 新しい一時スクラッチレイヤを作成する を参照してください)
仮想レイヤ:他のレイヤに対するクエリの結果として得られるレイヤです(詳細は 仮想レイヤを作成する を参照してください)
14.1.5. QLR - QGISレイヤ定義ファイル
レイヤのコンテキストメニューで レイヤ定義ファイル (QLR - .qlr
)として保存することができます。
QLR形式によって、 "完全な" QGISレイヤを他のQGISユーザーと共有することができます。 QLRファイルには、データソースへのリンクとレイヤのスタイル設定に必要な全てのQGISスタイル情報が含まれています。
QLRファイルはブラウザパネル内に表示され、レイヤを(保存されたスタイルで)レイヤパネルに追加するために使用できます。QLRファイルをシステムのファイルマネージャからマップキャンバスへとドラッグ&ドロップすることもできます。
14.1.6. ウェブサービスへ接続する
QGISを使用すると、さまざまな種類のOGC ウェブサービス(WM(T)S、WFS(-T)、WCS、CSW、...)にアクセスすることができます。QGIS Serverのおかげで、このようなサービスを公開することもできます。 QGIS Server Guide/Manual には、これらの機能についての説明があります。
14.1.6.1. ベクタタイルサービスを利用する
ベクタタイルサービスは、 データソースマネージャ ダイアログの ベクタタイル タブまたは ブラウザ パネルの Vector Tiles エントリのコンテキストメニューから追加することができます。サービスは、 新規一般接続... か 新規ArcGIS Vector Tile Service接続... のいずれかです。
以下を入力することで、サービスを設定できます:
名前
URL :一般接続の場合は
http://example.com/{z}/{x}/{y}.pbf
のような形式、ArcGISベースのサービスの場合はhttp://example.com/arcgis/rest/services/Layer/VectorTileServer
のような形式です。サービスはタイルを.pbf
形式で提供している必要があります。最小ズームレベル および 最大ズームレベル :ベクタタイルはピラミッド構造を持っています。これらのオプションを使用すると、タイルピラミッドから個別にレイヤを生成することができます。これらのレイヤは、QGISでベクタタイルのレンダリングに使用されます。
メルカトル図法(OpenStreetMap Vector Tilesで使用)の場合、ズームレベル0は世界全体を 1:500.000.000 の縮尺で表現します。ズームレベル14は、縮尺 1:35.000 での表現です。
Style URL :MapBox GL JSONスタイル設定へのURLです。これを設定すると、この接続からのレイヤがQGISに追加される場合に、常にそのスタイルが適用されます。ArcGISベクタタイルサービス接続の場合、このURLはサーバー側の設定で指定されるデフォルトのスタイル設定を上書きします。
認証 :必要に応じて設定
リファラー
図 14.15 は、MapTiler planet Vector Tiles サービスの設定ダイアログを示しています。
接続設定は、 データソースマネージャ ダイアログ内の ベクタタイル エントリや、 ブラウザ パネルのVector Tilesのコンテキストメニューを通じて .XML
ファイルに保存( 接続を保存 )することができます。同様に、接続をファイルから追加する( 接続を読み込む )こともできます。
ベクタタイルサービスへの接続が設定できたら、以下の操作が可能です。
ベクタタイルの接続設定の 編集
接続の 削除
ブラウザ パネルでは、エントリを右クリックすることで、以下の操作もできます:
レイヤをプロジェクトに追加する :ダブルクリックでもレイヤを追加できます
レイヤのプロパティ... を確認し、サービスによって提供されるメタデータやデータのプレビューにアクセスできます。レイヤがプロジェクトに読み込まれている場合には、より多くの設定が可能です。
14.1.6.2. XYZタイルサービスを利用する
XYZタイルサービスは、 データソースマネージャ ダイアログの XYZ タブまたは ブラウザ パネルの XYZ Tiles エントリのコンテキストメニューから追加することができます。 新規 (あるいは 新規接続 )を押し、以下の情報を入力します:
名前
URL
認証 :必要に応じて設定
最小ズームレベル および 最大ズームレベル
リファラー
the タイル解像度 :可能な値は 不明(スケールされていない) 、 標準(256x256 / 96DPI) および 高解像度(512x512 / 192DPI) です
デフォルトでは、OpenStreetMap XYZ Tileサービスが設定されています。 図 14.16 にOpenStreetMap XYZ Tileサービスの設定ダイアログを示します。
接続設定は、 データソースマネージャ ダイアログ内の ベクタタイル エントリや、 ブラウザ パネルのXYZ Tilesのコンテキストメニューを通じて .XML
ファイルに保存( 接続を保存 )することができます。同様に、接続をファイルから追加する( 接続を読み込む )こともできます。
OpenStreetMapのXMLファイルは以下のようになっています:
<!DOCTYPE connections>
<qgsXYZTilesConnections version="1.0">
<xyztiles url="https://tile.openstreetmap.org/{z}/{x}/{y}.png"
zmin="0" zmax="19" tilePixelRatio="0" password="" name="OpenStreetMap"
username="" authcfg="" referer=""/>
</qgsXYZTilesConnections>
XYZタイルサービスへの接続が設定できたら、以下の操作が可能です。
XYZタイル接続設定の 編集
接続の 削除
ブラウザ パネルでは、エントリを右クリックすることで、以下の操作もできます:
- は、
レイヤをプロジェクトに追加する :ダブルクリックでもレイヤを追加できます
レイヤのプロパティ... を確認し、サービスによって提供されるメタデータやデータのプレビューにアクセスできます。レイヤがプロジェクトに読み込まれている場合には、より多くの設定が可能です。
XYZタイルサービスの例:
OpenStreetMap Monochrome: URL:
http://tiles.wmflabs.org/bw-mapnik/{z}/{x}/{y}.png
, 最小ズームレベル: 0, 最大ズームレベル: 19Googleマップ: URL:
https://mt1.google.com/vt/lyrs=m&x={x}&y={y}&z={z}
, 最小ズームレベル: 0, 最大ズームレベル: 19Open Weather Map Temperature: URL:
http://tile.openweathermap.org/map/temp_new/{z}/{x}/{y}.png?appid={api_key}
最小ズームレベル: 0, 最大ズームレベル: 19
14.1.6.3. ArcGIS REST Serversを利用する
ArcGIS REST Serversは、 データソースマネージャ ダイアログの ArcGIS REST Server タブまたは ブラウザ パネルの ArcGIS REST Servers エントリのコンテキストメニューから追加することができます。 新規 (あるいは 新規接続 )を押し、以下の情報を入力します:
名前
URL
Community endpoint URL
Content endpoint URL
認証 :必要に応じて設定
リファラー
注釈
ArcGIS Feature Service接続で、対応するPortal endpoint URL が設定されているものは、ブラウザパネル内でコンテンツグループごとに検索できます。
接続にPortal endpointsが設定されている場合、ブラウザパネルで接続を展開すると、通常表示されるサービスの完全なリストの代わりに “Groups” フォルダと “Services” フォルダが表示されます。グループフォルダを展開すると、ユーザーがメンバーとなっているすべてのコンテンツグループの一覧が表示され、それぞれのグループを展開すると、そのグループに所属するサービス項目が表示されます。
接続設定は、 データソースマネージャ ダイアログ内の ArcGIS REST Server エントリを通じて .XML
ファイルに保存( 接続を保存 )することができます。同様に、接続をファイルから追加する( 接続を読み込む )こともできます。
ArcGIS REST Serverへの接続が設定できたら、以下の操作が可能です。
ArcGIS REST Server接続設定の 編集
接続の 削除
接続の 再読み込み
利用可能なレイヤへのフィルタ適用
ブラウザ パネルでは、接続エントリを右クリックすることで、以下の操作ができます:
再読み込み
接続の編集...
接続の削除...
サービス情報を見る :デフォルトのウェブブラウザを開き、サービス情報を表示します
レイヤのエントリを右クリックすると、以下の操作ができます:
サービス情報を見る :デフォルトのウェブブラウザを開き、サービス情報を表示します
レイヤをプロジェクトに追加する :ダブルクリックでもレイヤを追加できます
レイヤのプロパティ... を確認し、サービスによって提供されるメタデータやデータのプレビューにアクセスできます。レイヤがプロジェクトに読み込まれている場合には、より多くの設定が可能です。