8. ブラウザパネル

QGISブラウザパネルは、QGISリソースの閲覧や検索、 中身の確認、コピーや読み込みに最適なツールです。QGISが処理方法を認識しているリソースのみがブラウザパネルに表示されます。

ブラウザパネル で説明されているように、ブラウザパネルを使用するとデータの検索や中身の確認、データの追加を行うことができます。さらに、ブラウザパネルはプロジェクトファイル、Pythonスクリプトやプロセシングスクリプト、プロセシングモデルなど、多くのQGISリソースのドラッグ&ドロップをサポートしています。

Pythonスクリプトやプロセシングスクリプト、プロセシングモデルは、編集するために外部エディタやグラフィカルモデラーで開くこともできます。

レイヤ パネルからレイヤを ブラウザ パネルの例えば GeoPackage や PostGIS データベースへドラッグ&ドロップすることができます。

../../../_images/browser_panel1.png

図 8.1 ブラウザパネル

ブラウザパネル (図 8.1) は、いくつかの固定トップレベルエントリを持った展開可能な階層として系統的に整理されています。階層にはブラウザで扱われるリソースがまとめられています。ノードエントリは、エントリ名の左側にある browserExpand をクリックすることで展開されます。ブランチは browserCollapse をクリックすることで折りたたまれます。 collapseTree 全て折りたたむ ボタンを押すと、すべてのトップレベルエントリが折りたたまれます。

設定 ► インタフェースのカスタマイズ では機能を無効化することができます。例えば、ブラウザにPythonスクリプトを表示したくない場合には Browser ► py エントリのチェックを外し、ブラウザ内のホームフォルダを消したい場合には Browser ► special:Home エントリのチェックを外します。

フィルタ( filterMap ブラウザのフィルタ )を使用して、エントリ名(階層内のリーフエントリとノードエントリの両方)に基づいて検索できます。フィルタテキストフィールドの横にある options オプション プルダウンメニューを使用して、以下のことができます。

  • 大・小文字を区別 した検索の切り替え

  • フィルタパターン文法 を次のいずれかに設定

    • 通常

    • ワイルドカード

    • 正規表現

プロパティウィジェット は、エントリ/リソースに関する有用な情報を表示します。 metadata プロパティウィジェットの有効化/無効化 ボタンを押すことで有効化/無効化することができます。有効にすると、 図 8.2 に示すようにブラウザパネルの下部にウィジェットが開きます。

../../../_images/browser_p_properties_w.png

図 8.2 プロパティウィジェット

ビュー► パネル 内の ブラウザ (2) パネルを有効にすることで、2つ目のブラウザパネルを開くことができます。2つのブラウザパネルがあることは、ブラウザ階層のさまざまなブランチの深いところにあるリソース間でレイヤをコピーする際に役立ちます。

8.1. ブラウザから開くことができる/実行できるリソース

ブラウザパネルでは多くのことができます。

  • ダブルクリック、マップキャンバス上へドラッグ、または(レイヤ選択後に) addLayer 選択したレイヤの追加 ボタンをクリックすることで、ベクタレイヤ、ラスタレイヤ、メッシュレイヤをマップに追加します。

  • ダブルクリックもしくはマップキャンバスにドラッグして、Python スクリプト(プロセシングアルゴリズムを含む)を実行します。

  • ダブルクリックもしくはマップキャンバスに上へドラッグして、プロセシングモデルを実行します。

  • コンテキストメニューを使用して、QGISプロジェクトから シンボルを抽出... します。

  • デフォルトのアプリケーションでファイルを開きます( コンテキストメニューの 外部で <file type> を開く... )。例:HTMLファイル、スプレッドシート、画像、PDF、テキストファイル等

  • エントリのコピーを行います。

  • レイヤの名前の変更や、レイヤの削除(複数可)(コンテキストメニューの 管理 ►

  • ファイルエクスプローラを開き、そのファイルを直接選択する ファイルに表示

以下では、トップレベルのエントリ下で分類されたさまざまなリソースグループをリストしており、これに対するリソース固有のアクションを整理しています。

8.2. ブラウザパネルのトップレベルエントリ

8.2.1. お気に入り

よく使うファイルシステムの場所は、お気に入りとしてタグ付けすることができます。タグを付けたものはここに表示されます。

ホーム で説明する操作に加えて、コンテキストメニューでは お気に入りの名前の変更...お気に入りを削除 の操作を行うことができます。

8.2.2. 空間ブックマーク

ここには空間ブックマークがあり、 プロジェクト・ブックマークユーザー・ブックマーク に整理されています。

空間ブックマークのトップレベルのコンテキストメニューからは、ブックマークの作成( 新規空間ブックマーク... ) 、 空間ブックマークマネージャを表示空間ブックマークをインポート...空間ブックマークをエクスポート... を行うことができます。

ブックマークのグループエントリに対しては、 空間ブックマークをエクスポート... や、ブックマークの作成( 新規空間ブックマーク... )、 ブックマークグループ名を変更ブックマークグループを削除 といった操作ができます。

ブックマークのエントリに対しては、 ブックマークにズーム空間ブックマークを編集...ブックマークを削除 の操作がコンテキストメニューから行えます。

8.2.3. プロジェクトホーム

プロジェクトファイルが保存されると、 プロジェクトホーム のエントリが利用可能となります。これは、現在のプロジェクト内で使用されているデータやその他のコンテンツ(スクリプト、プロセシングモデル、テキスト等)を含むフォルダです。これは ブラウザ パネルに表示され、プロジェクトのデータやその他のファイルに素早くアクセスできるようになります。

これはデフォルトではプロジェクトファイルのあるフォルダですが、 プロジェクト ► プロパティ... ► 一般情報 ► プロジェクトのホーム オプションや、ブラウザパネルの プロジェクトホーム アイテムを右クリックして プロジェクトホームを設定... から変更することができます。ホームフォルダのカスタマイズは、QGISのプロジェクトがデータセットと一緒に組織の「プロジェクト」のルートフォルダに保存されていないような場合に特に便利です。

8.2.4. ドライブとファイルシステム

続く ブラウザ パネルのアイテムはお使いのOSによって異なり、ファイルシステムのトップレベルエントリに関係します。

これらは主に、以下のとおりです:

  • ホーム フォルダ。現在のユーザーのホームフォルダを指します

  • Unixベースのマシンは、ルートフォルダ /

  • 接続されたローカルドライブやネットワークドライブ。OSに依存し、直接表示される(例:C:\D:\ )場合もあれば、 /Volumes エントリを通じて表示される場合もあります。

これらのフォルダやドライブのコンテキストメニューからは、以下の操作が行えます:

  • コンテンツの再読み込み

  • 新規 ► のサブアイテムから、 ディレクトリGeoPackage 、またはESRI シェープファイル 形式データセットの作成

  • ディレクトリの非表示( ブラウザから隠す

  • 色を設定 :フォルダアイコンの色をカスタマイズすることで、複雑なフォルダ構造を素早くブラウズするのに役立ちます

  • スキャン の有効化:

    • checkbox 変更を監視する :特定のディレクトリについて、モニタリングし自動更新するかどうかを手動で制御できます。この設定は、選択したディレクトリとそのサブディレクトリすべてに適用されます。これにより、ネットワークドライブに問題がないことが分かっている場合は監視を手動でオプトインしたり、その他の理由で監視したくない大きなディレクトリの監視を手動でオプトアウトしたりすることができます。デフォルトでは、リモートドライブやネットワークドライブは自動的には監視されません。

    • unchecked このディレクトリの高速スキャン

  • ディレクトリをファイルマネージャで開く( ディレクトリを開く...

  • ディレクトリをターミナルウィンドウで開く( ターミナルで開く...

  • プロパティ... の確認や、親フォルダの ディレクトリプロパティ... の確認

8.2.5. データベースエントリ

ご利用のOSとインストールされているドライバによっては、QGISで利用できるデータベースの種類が異なる場合があります。以下は、データセットツリーの各レベルのコンテキストメニューのさまざまなエントリのリストです。

レベル

コンテキストメニュー

データベースの種類

geoPackage GeoPackage ([1])

spatialite SpatiaLite

postgis PostGIS

hana SAP HANA

mssql MS SQL Server

oracle Oracle

トップメニュー

既存のデータベースへの 新規接続… の作成

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

データベースを作成…

checkbox

checkbox

ファイルに 接続を保存…

checkbox

checkbox

checkbox

接続を読み込む…

checkbox

checkbox

checkbox

接続 / データベース

接続の 再読み込み

checkbox

checkbox

checkbox

接続の編集…

checkbox

checkbox

checkbox

接続を削除

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

<database_name> の削除

checkbox

checkbox

データベースの圧縮(VACUUM)

checkbox

新規スキーマ… の作成

checkbox

checkbox

checkbox

新規テーブル… の作成

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

SQLを実行…

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

スキーマ

スキーマの 再読み込み

checkbox

checkbox

checkbox

スキーマ操作 ► スキーマ名の変更…

checkbox

checkbox

checkbox

スキーマ操作 ► スキーマを削除…

checkbox

checkbox

checkbox

新規テーブル… の作成

checkbox

checkbox

SQLを実行…

checkbox

checkbox

テーブル / レイヤ

テーブル操作 ► テーブルの名前を変更…

checkbox

checkbox

checkbox

テーブル操作 ► テーブルを全行削除…

checkbox

checkbox

SQLを実行…

checkbox

checkbox

checkbox

レイヤエクスポート ► ファイルへ…

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

管理 ► <layer_name> のレイヤ名変更…

checkbox

checkbox

管理 ► レイヤ <layer_name> を削除する…

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

管理 ► 選択したレイヤを削除

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

管理 ► レイヤをプロジェクトに追加する

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

管理 ► 選択されたレイヤをプロジェクトに追加する

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

レイヤのプロパティ… ダイアログを開く

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

ファイルのプロパティ… ダイアログを開く

checkbox

属性テーブル

新規属性を追加…

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

属性

属性を削除…

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

8.2.6. タイルとWebサービス

レベル

コンテキストメニュー

サービスの種類

wms WMS / WMTS

vectorTileLayer Vector Tiles

xyz XYZ Tiles

wcs WCS

wfs WFS / OGC API - Features

afs ArcGIS REST Servers

geonode GeoNode

トップメニュー

新規接続… の作成

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

新規一般接続… の作成

checkbox

新規ArcGIS Vector Tile Service接続… の作成

checkbox

ファイルに 接続を保存…

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

接続を読み込む…

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

接続

接続の 再読み込み

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

接続の編集…

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

接続を削除

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

ウェブブラウザで サービス情報を見る

checkbox

テーブル / レイヤ

レイヤエクスポート ► ファイルへ...

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

レイヤをプロジェクトに追加する

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

レイヤのプロパティ… ダイアログを開く

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

checkbox

ウェブブラウザで サービス情報を見る

checkbox

8.3. リソース

  • プロジェクトファイル:QGISプロジェクトのコンテキストメニューでは、以下の操作があります。

    • 開く( プロジェクトを開く

    • シンボルを抽出する( シンボルを抽出... ) - スタイルマネージャを開き、シンボルをXMLファイルに追加したり、シンボルをデフォルトのスタイルに追加したり、PNGやSVGとしてエクスポートしたりすることができます。

    • プロパティを調べる( ファイルプロパティ...

    プロジェクトファイルを展開して、プロジェクトのレイヤを確認できます。レイヤのコンテキストメニューは、ブラウザ内の他のエントリのレイヤにおけるアクションと同じです。

  • QGIS レイヤ定義ファイル(QLR):コンテキストメニューからは以下の操作が可能です。

    • ファイルに保存する( レイヤエクスポート ► ファイルへ

    • プロジェクトへ追加する( レイヤをプロジェクトに追加する

    • プロパティを調べる( レイヤのプロパティ...

  • プロセシングモデル(.model3):コンテキストメニューからは以下の操作が可能です。

    • モデルを実行...

    • モデルの編集...

  • QGIS印刷レイアウトテンプレート(QPT):コンテキストメニューからは以下の操作が可能です。

    • テンプレートから新規作成

  • Pythonスクリプト(.py):コンテキストメニューからは以下の操作が可能です。

    • スクリプトの実行...

    • 外部エディタで開く

  • 認識されるラスタ形式ファイル:コンテキストメニューからは以下の操作が可能です。

    • <dataset name> を削除

    • ファイルに保存する( レイヤエクスポート ► ファイルへ

    • プロジェクトへ追加する( レイヤをプロジェクトに追加する

    • プロパティを調べる( レイヤのプロパティ...ファイルプロパティ...

    一部の形式は、 外部で <file type> を開く... こともできます。

  • 認識されるベクタ形式ファイル:コンテキストメニューからは以下の操作が可能です。

    • <dataset name> を削除

    • ファイルに保存する( レイヤエクスポート ► ファイルへ

    • プロジェクトへ追加する( レイヤをプロジェクトに追加する

    • プロパティを調べる( レイヤのプロパティ...ファイルプロパティ...

    一部の形式は、 外部で <file type> を開く... こともできます。