26.2.5. トポロジチェッカープラグイン

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図 26.18 トポロジチェッカープラグイン

トポロジとは、地理的領域の地物を表すポイント、ライン、およびポリゴン間の関係を表すものです。トポロジチェッカープラグインを使用すると、ベクタファイルを調べて、いくつかのトポロジルールでトポロジを確認することができます。これらのルールは、地物の空間関係がお互いに「等しい」か、「含んでいる」か、「覆っている」か、「覆われている」か、「交わっている」か、「離れている」か、「交差している」か、「重複している」か、「接触している」か、または「範囲内にある」かどうかをチェックします。ベクタデータにどのトポロジルールを適用するかは、個別の質問によります。(たとえば、ラインレイヤのはみ出しは通常は容認しないでしょうが、これが道路の行き止まりを表している場合には、ベクタレイヤからそれらを削除することはしないでしょう)。

QGISには、新たな地物をエラーなしで作成するのに最適な、組み込みのトポロジ編集機能があります。しかし、既存のデータエラーやユーザに起因するエラーを見つけるのは困難です。このプラグインは、ルールのリストを通じてこのようなエラーを見つけるのに役立ちます。

トポロジチェッカープラグインを使ってトポロジルールを作成するのは非常に簡単です。

ポイントレイヤ に対しては、次のルールが利用可能です:

  • 次の地物に重ならなければならない: プロジェクトのベクタレイヤ1つを選択できます。そのベクタレイヤのセグメント上にないポイントは「エラー」フィールドに挙げられます。

  • 次の線の地物の両端に重ならなければならない: プロジェクトのラインレイヤ1つを選択できます。ポイントはそのラインの端点と一致している必要があります。

  • 次のポリゴンの内側でなくてはならない: プロジェクトのポリゴンレイヤ1つを選択できます。ポイントはそのポリゴンの内側にある必要があります。そうでない場合には、QGISはそのポイントを「エラー」に挙げます。

  • 重複ジオメトリの地物があってはならない: 同じ位置にポイントが2つ以上表示される場合には、「エラー」フィールドに挙げられます。

  • 不正なジオメトリがあってはならない: ジオメトリが有効であるかどうかをチェックします。

  • マルチパートがあってはならない: マルチパートポイントは全て「エラー」フィールドに挙げられます。

ラインレイヤ に対しては、次のルールが利用可能です:

  • 両端は次の点地物に重ならなければならない: プロジェクトのポイントレイヤ1つを選択できます。ラインの両端はそのポイントと一致している必要があります。

  • ダングル(懸垂線)があってはならない: ラインレイヤ内の線のはみ出しを表示します。

  • 重複ジオメトリの地物があってはならない: 同じ位置にラインが2つ以上重なって表示される場合には、「エラー」フィールドに挙げます。

  • 不正なジオメトリがあってはならない: ジオメトリが有効であるかどうかをチェックします。

  • マルチパートがあってはならない: あるジオメトリが、実際には単純な(シングルパート)ジオメトリの集合となっていることがあります。このようなジオメトリはマルチパートジオメトリと呼ばれています。単純なジオメトリが1種類だけ含まれている場合には、これをマルチポイント、マルチラインまたはマルチポリゴンと呼んでいます。マルチパートのラインは全て「エラー」フィールドに挙げられます。

  • (2つの地物を接続するだけの)疑似ノードがあってはならない: あるラインジオメトリの端点は、他の2つのジオメトリと接続していなければなりません。他のジオメトリ1つだけと接続している場合には、この端点は疑似ノードと呼ばれます。

ポリゴンレイヤ に対しては、次のルールが利用可能です:

  • 次の地物の少なくとも1点を包含しなければならない: ポリゴンレイヤは2番目のレイヤの点ジオメトリの少なくとも1つを内部に含んでいる必要があります。

  • 重複ジオメトリの地物があってはならない: 同じレイヤのポリゴンは同一のジオメトリがあってはいけません。同じ位置にポリゴン地物が2つ以上重なって表示される場合には、「エラー」フィールドに挙げられます。

  • 隙間(gap)があってはならない: 隣接するポリゴンの間で隙間(gap)を形成してはいけません。行政区画が例として挙げられます(米国の州のポリゴンの間には隙間はありません…)。

  • 不正なジオメトリがあってはならない: ジオメトリが有効であるかどうかをチェックします。有効なジオメトリを定義するルールの中には次のようなものがあります。

    • ポリゴンのリングは閉じている必要があります。

    • 穴を定義するリングは、外側の境界を定義するリングの内側にある必要があります。

    • リングは自己交差してはいけません(互いに接触することも交差することもできません)。

    • リングは、1点で接触する場合を除き、他のリングに接触できません。

  • マルチパートがあってはならない: あるジオメトリが、実際には単純な(シングルパート)ジオメトリの集合となっていることがあります。このようなジオメトリはマルチパートジオメトリと呼ばれています。単純なジオメトリが1種類だけ含まれている場合には、これをマルチポイント、マルチラインまたはマルチポリゴンと呼んでいます。例えば、複数の島からなる国は、マルチポリゴンとして表現できます。

  • 重なりがあってはならない: 隣接するポリゴンは共通する領域を持ってはいけません。

  • 次のポリゴン地物と重なりがあってはならない: あるレイヤのポリゴンは、もう1つのレイヤの隣接するポリゴンと共通する領域を持ってはいけません。