17.7. 選択
注釈
このレッスンでは、プロセシングアルゴリズムが入力として使用されるベクタレイヤの選択範囲をどのように扱うか、そしてどのようにアルゴリズムの特定のタイプを使用して選択範囲を作成するかについて説明します。
QGISでの他の分析プラグインとは異なり、プロセシング・ジオアルゴリズムには「選択した地物だけを使用する」のチェックボックスまたは同様のものは何も見つからないでしょう。選択範囲に関する動作は、各アルゴリズムの実行のためではなく、プラグイン全体とそのすべてのアルゴリズムのために設定されています。アルゴリズムでベクタレイヤを使用するときは以下の簡単なルールに従ってください。
レイヤに選択範囲がある場合は、選択した地物のみが使用されます。
選択範囲がない場合は、すべての地物が使用されます。
メニュー中の関連するオプションを選択解除すると、この動作を変更できますので、ご注意ください。
それは、前の章で使用されるレイヤのいずれかでポイントをいくつか選択し、それらに再投影アルゴリズムを実行することでテストできます。取得する再投影レイヤには選択されたポイントのみが含まれます。ただし何も選択がない場合は、得られるレイヤには、元のレイヤの全てのポイントが含まれることになります。
選択範囲は、QGISで利用可能な方法やツールをどれでも使って作成できます。しかし、そのためにジオアルゴリズムを使うこともできます。選択範囲を作成するためのアルゴリズムは、 ベクタ選択 中のツールボックスにあります
ランダム選択 アルゴリズムを開きます。
デフォルト値のままにすると、現在のレイヤーから10点が選択されます。
このアルゴリズムでは何も出力が作成されず、入力レイヤー（レイヤー自体ではなく、その選択）が変更されることがわかるでしょう。他のすべてのアルゴリズムでは新たなレイヤーが作成され、入力レイヤーが変更されることはないので、これは珍しい動作です。
選択範囲はデータの一部ではなく、QGIS内にのみ存在するものなので、これらの選択アルゴリズムは、QGISで開いているレイヤを選択するためにのみ使用し、対応するパラメータ値ボックスにあるファイル選択オプションでは使用できません。
今私達が行った選択は、残りの選択アルゴリズムによって作成されるものと同じように、QGISから手動で行うこともできるので、そのためにアルゴリズムを使うポイントが何なのか疑問に思うかもしれません。今はあまりピンとこないかもしれませんが、後でモデルとスクリプトを作成する方法を説明します。（プロセシングワークフローを定義する）モデルの途中で選択範囲を作りたい場合、ジオアルゴリズムだけはモデルに追加でき、その他のQGIS要素と操作は追加できません。これが、いくつかのプロセシングアルゴリズムが他のQGIS要素で利用できる機能を複製している理由です。
今のところ、選択はプロセシング・ジオアルゴリズムを使用して行うことができること、アルゴリズムでは選択が存在する場合は選択された地物が、そうでない場合はすべての地物が使用されることだけ覚えておいてください。