14.4. Lesson: 林分を更新する

古い目録の地図から情報をデジタイズし、林分に対応する情報を追加したので、次のステップは、森林の現在の状態の目録を作成することです。

その森林地帯の航空写真に従って、新しい林分を一からデジタイズします。前回のレッスンでデジタイズした林業地図は、航空赤外線写真(CIR)から作成されました。CIRは、青色光の代わりに赤外線を記録した画像で、植生域の調査に広く利用されています。このレッスンでは、CIR写真も使用します。

林分をデジタイズした後、このような保全条例により与えられた新たな制約などの情報を追加します。

このレッスンの目標: 林分の新しいセットをCIR航空写真からデジタイズし、他のデータセットからの情報を追加します。

14.4.1. basic 古い林分を現在の航空写真と比較する

フィンランド国土地理院はオープンデータ政策をとっており、航空写真、従来の地形図、DEM、LiDARデータなど、様々な地理データをダウンロードすることができます。このサービスは、ここ から英語でもアクセス可能です。この演習で使用した航空画像は、このサービスからダウンロードした2枚のオルソCIR画像(M4134F_21062012とM4143E_21062012)から作成したものです。

  • QGISを開き、プロジェクトのCRSを プロジェクト ► プロパティ... ► CRS で、 ETRS89 / ETRS-TM35FIN に設定します。

  • exercise_data\forestry\ フォルダから、デジタイズされた湖が入ったCIR画像 rautjarvi_aerial.tif を追加します。

  • 次にそのQGISプロジェクトを digitizing_2012.qgs として保存します。

CIRの画像は2012年のものです。1994年に造られた林分をほぼ20年後の状況と比較することができます。

  • forest_stands_1994.shp レイヤを追加します。

  • ポリゴンを透過して見えるようにスタイルを設定します。

  • 均質な森として解釈する可能性があるものに、古い林分がどのように従っているか(あるいは従っていないか)を確認してください。

ズームとパンしてください。古い林分でなお静止画に対応するものとしないものがあることに気づくででしょう。

これは、20年ほどが経過しており、また、異なる森林施業(伐採、間伐...)が行われているので、通常の状況です。1992年当時林分をデジタイズした人には均質に見えていたが、時間が経過するにつれ、いくつかの森は異なった方法で発展した、ということもありえます。あるいは単純に、森林目録の優先順位が現在と異なっていたのかもしれません。

次は、この画像に対する新しい林分を古い林分を使用せずに作成します。その後、違いを見るためにそれらを比較できます。

14.4.2. basic CIR画像の解釈

道路や湖によって制限される、古い調査でカバーされていた同じ地域を、デジタイズしてみましょう。前の演習のようにすでに林分のほとんどが含まれているベクタファイルを使って始められるので、地域全体をデジタイズする必要はありません。

  • forest_stands_1994.shp レイヤを外します。

  • forest_stands_2012.shp レイヤを追加します、 exercise_data\forestry\ フォルダにあります。

  • このレイヤのスタイルを、ポリゴンには塗りつぶしなしで、境界が表示されるように設定します。

../../../_images/stands_2012_1.png

目録エリアの北に領域がまだ不足していることがわかります。不足している林分をデジタイズすることが必要です。

しかし、始める前に、すでにデジタイズした林分および画像内の対応する森林を見直すことにいくらか時間を使ってください。林分境界がどのように決定されるかについて理解してみてください。林業の知識をいくらか持っている場合それが役立ちます。

画像から特定できるものについていくつかのアイデア:

  • どの森林が落葉樹林(フィンランドではほとんどは白樺林)でどれが針葉樹林(この地域では松やトウヒ)であるか。CIR画像において、落葉樹林はしばしば暗緑色本、一方、針葉樹林は明るい赤色で来ます。

  • いつ林分の年齢が変化するか、樹冠の大きさを見ることで、画像内で識別できます。

  • 別の林分の密度は、例えば、最近間引きが行われた林分は樹冠の間に明確に隙間が見えるでしょうし、その周りの他の林分から区別することは容易なはずです。

  • 青みを帯びた地域は不毛の地形、道路や市街地、成長を開始していない作物などを示しています

  • 林分を特定しようとする場合、画像を拡大し過ぎないでください。この画像は、1:3 000から1:5 000の縮尺で十分です。下の画像(縮尺1:4000)を見てください:

../../../_images/zoom_to_CIR_1-4000.png

14.4.3. basic Try Yourself CIR画像から林分をデジタイズする

林分をデジタイズするときは、樹種、林齢、林分密度...の観点から、可能な限り均一で取得しようとすべきです。しかし、詳細すぎてはいけません。まったく役に立たない小さなたくさんの林分を作ることになります。小さ過ぎず(少なくとも0.5ヘクタール)また大き過ぎない(せいぜい3ヘクタール)、林業の文脈において意味ある林分を取得しようとする必要があります。

この指標を念頭に置いて、不足している林分をデジタイズできます。

  • forest_stands_2012.shp の編集を有効にします。

  • 画像のようにスナップとトポロジオプションを設定します。

  • 適用 または OK をクリックすることを忘れないでください。

../../../_images/snapping_2012.png

前のレッスンで行ったように、スナップされる点レイヤがないことが違うだけで、デジタル化を開始します。この地域のためには約14の新しい林分を取得する必要があります。デジタル化しながら、 Stand_id フィールドに 901 から始まる番号を記入します。

作業が完了したら、レイヤは次のようになります。

../../../_images/new_stands_ready.png

今、別の森林を定義するポリゴンの新しいセットは、CIR画像から解釈できるように、現在の状況を表しています。しかし明らかにまだ森林目録データが欠落しています、よね?そのためにはまだ、森林を訪問し、各林分に対する森林属性を推定するために使用するいくつかのサンプルデータを取得する必要があります。次のレッスンでそれを行う方法について説明します。

現時点では、まだこの地域のために考慮されるべき保全規制について持っているいくつかの追加情報を使用して、ベクタレイヤを改善できます。

14.4.4. basic Follow Along: 保全情報で林分を更新する

作業している地域のために、森林計画をしている間、以下の保全規制を考慮しなければならないことを研究されてきました。

  • エゾモモンガ(Pteromysのvolans)の保護種の二箇所が同定されています。規定によれば、スポットの約15メートルの区域は手つかずのまま残さなければなりません。

  • 地域の中の流れに沿って成育している特別な関心の水辺林は保護されなければなりません。現地調査で、流れの両側までの20メートルが保護されなければならないことがわかりました。

リスの場所や湖に向けて北エリアで実行されているデジタイズされた流れを含む他の情報を含む1つのベクタファイルを持っています。 exercise_data\forestry\ フォルダから、ベクタファイル squirrel.shpstream.shp を追加します。

リスの場所の保護のために、保護する必要がある点の位置に関する情報が含まれている新しい林分に新しい属性(列)を追加しようとしています。その情報は、森林施業が計画されるときはいつでも、後で利用できるようになり、野外チームは作業を開始する前に手つかずで残す必要がある地域をマークできるでしょう。

  • リス レイヤのための属性テーブルを開きます。

  • エゾモモンガと定義されている2つの場所があること、及び保護すべき地域がそれらの場所から15メートルの距離で示されていることがわかります。

林分にリスについての情報を結合するには、 位置によって属性を結合 を使用できます:

  • ベクタ ► データ管理ツール ► 位置によって属性を結合 を開きます。

  • 結合先ベクタレイヤ として forest_stands_2012.shp レイヤを設定してください。

  • 結合ベクタレイヤ として squirrel.shp ポイントレイヤを選択してください。

  • 出力ファイルに stands_squirrel.shp と名前を付けます。

  • 出力テーブルすべてのレコードを保持(マッチしない対象レコードを含む) を選択します。だから、リスの場所に空間的に関連づけられるものだけを保持するのでなく、レイヤ内のすべての林分を保持します。

  • OK をクリックします。

  • TOCにレイヤを追加するか求められたとき はい を選択します。

  • ダイアログボックスを閉じます。

../../../_images/join_squirrel_point.png

これで、新しい林分レイヤ stands_squirrel ができ、そこにはシベリアモモンガに関連する保護情報に対応する新しい属性が追加されました。

新しいレイヤのテーブルを開き、 Protection 属性のための情報を持つ林分が一番上になるように整列します。リスが配置された場所2つの林分を今持っている必要があります。

../../../_images/joined_squirrel_point.png

この情報で十分かもしれませんが、リスに関連するどの地域が保護されるべきかを見てください。リスの場所を中心に15メートルのバッファを残す必要があることはわかっています:

  • ベクタ ► ジオプロセッシングツール ► バッファ を開きます。

  • squirrel レイヤのための15メートルのバッファを作成します。

  • 結果に squirrel_15m.shp と名前を付けます。

../../../_images/squirrel_15m.png

地域の北部の場所に拡大すると、バッファ領域が隣りの林分にも同様に延びていることがわかります。これは、その林分で森林施業が行われるときはいつも、保護される場所も考慮すべきであることを意味します。

../../../_images/north_squirrel_buffer.png

以前の分析からは、その林分に保護のステータスに関する情報を登録することができませんでした。この問題を解決するには:

  • 再び 位置で属性を結合 ツールを実行します。

  • しかし、今回は結合レイヤとして squirrel_15m レイヤを使用しています。

  • stands_squirrel_15m.shp として出力ファイルに名前を付けます。

../../../_images/joined_squirrel_buffer.png

この新しいレイヤの属性テーブルを開き、今保護の場所についての情報を持っている3つの林分を持っていることに注意してください。林分データの中の情報は、考慮に入れるべき保護の考慮事項があることを森林管理者に指示しています。それから森林管理者は squirrel データセットから位置を取得でき、その地域を訪れて野外でのオペレーターがリスの環境を乱さないように場所を中心に対応するバッファをマークできます。

14.4.5. basic Try Yourself 流域への距離で林分を更新する

保護されたリスの位置について示されたのと同じアプローチに従って、今、林分を野外で識別された流域に関連した保護情報に更新できます。

  • この場合、バッファはその周り20メートルであることを覚えておいてください。

  • すべての保護情報を同じベクタファイル内に持ちたいので、ターゲットとして stands_squirrel_15m レイヤを使用してください。

  • 出力に forest_stands_2012_protect.shp と名前を付けます。

新しいベクタレイヤの属性テーブルを開き、今、流域に関連付けられた水辺林を保護するための保護措置の影響を受けている林分のためのすべての保護情報を持っていることを確認します。

QGISプロジェクトを保存します。

14.4.6. In Conclusion

林分をデジタイズするCIR画像をどのように解釈するかを見てきました。もちろんより正確な林分を作るためにはいくらか練習がいるでしょうし、通常は土壌地図のような他の情報を使用すればより良い結果が得られるでしょうが、これでこの種の業務のための基礎はわかりました。そして、他のデータセットからの情報を追加することで、非常に簡単な作業となりました。

14.4.7. What's Next?

デジタイズした林分は将来的に森林施業を計画するために使用されるでしょうが、まだ森林に関する詳細な情報を取得する必要があります。次のレッスンでは、調査にだけのデジタイズされた森林面積をサンプリングプロットのセットを計画する方法を見て、森林のパラメーターの全体的な見積もりを取得します。