2. 執筆のためのガイドライン
総じて、QGISプロジェクトのためにreSTドキュメントを作成するときには、 Python documentation style guidelines に従ってください。簡便のために以下に、QGISドキュメントを書く際に依拠すべき一般的なルールを、一通り示します。
2.1. ドキュメントを書く
2.1.1. 見出し
ドキュメントのそれぞれのウェブページには、ひとつの .rst
ファイルが対応しています。
本文を構成するセクションは、そのタイトルに下線(及び第1レベルは上線)を引いて識別します。同じレベルのタイトルには下線の装飾に同じ文字を使う必要があります。QGISドキュメントでは、chapter、section、subsectionとminisecに対して以下のスタイルを使用します。
********
Chapter
********
Section
=======
Subsection
----------
Minisec
.......
Subminisec
^^^^^^^^^^
2.1.2. リスト
リストはテキストを構造化するのに便利です。ここではすべてのリストに共通する簡単な規則を紹介します:
すべての項目は大文字で始めてください
単独の簡単な文のみを含むリスト項目の後には句読点を使わないでください
複数の文または1つの複合文からなるリスト項目の句読点としてピリオド(
.
)を使ってください
2.1.3. 字下げ
ReStructuredTextの字下げは、リストまたはマークアップの マーカー に合わせます。また、字下げト付きのブロック引用符を作成することも可能です。仕様 を参照してください
#. In a numbered list, there should be
three spaces when you break lines
#. And next items directly follow
* Nested lists
* Are also possible
* And when they also have
a line that is too long,
the text should be naturally
aligned
* and be in their own paragraph
However, if there is an unindented paragraph, this will reset the numbering:
#. This item starts at 1 again
2.1.5. ラベル/参照
セクションやページへのハイパーリンクを作るのにテキスト内のアンカーを使うことができます。
次の例は、セクションのアンカー(ラベル/参照タイトルなど)を作成します
.. _my_anchor:
Label/reference
---------------
同じページ 内の参照を呼び出すには次を使います
see my_anchor_ for more information.
こうなります:
see my_anchor for more information.
「アンカー」に従って行/物にジャンプすることに注目してください。アポストロフィを使う必要はありませんが、アンカーの後に空行が必要です。
ドキュメント内のどこからでも 同じ場所にジャンプする別の方法は、 :ref:
役割を使うことです。
see :ref:`my_anchor` for more information.
これはキャプション(この場合はこのセクションのタイトル!)を含むリンクが作成されます:
see ラベル/参照 for more information.
つまり、参照1(my_anchor)と参照2(ラベル/参照)です。参照はしばしば完全なキャプションを表示するため、section という単語を使う必要はあまりありません。参照を説明するためにカスタムキャプションを使うこともできることに注意してください:
see :ref:`Label and reference <my_anchor>` for more information.
こうなります:
see Label and reference for more information.
2.1.6. 図と画像
画像
画像を挿入するには、次を使います
.. figure:: /static/common/logo.png
:width: 10 em
こうなります
置換
テキスト内には画像を置くか、どこでも使用される別名を追加できます。段落内で画像を使用するには、 最初に source/substitutions.txt
ファイル中に別名を作成します:
.. |nice_logo| image:: /static/common/logo.png
:width: 1 em
次に段落内でそれを呼び出します:
My paragraph begins here with a nice logo |nice_logo|.
これは例がどのように表示されるかを示します:
My paragraph begins here with a nice logo .
GitHub で HTML レンダリングに近いプレビュー表示を行うには、変更したファイルの末尾に画像置換の呼び出しを追加することも必要です。これは substitutions.txt
からコピーペーストするか、 scripts/find_set_subst.py
スクリプトを実行することで行うことができます。
注釈
現在、一貫性を確保し、QGISのアイコンの使用を助けるために、別名のリストが構築され、 置換参照と定義 の章で利用できるようになっています。
図
.. _figure_logo:
.. figure:: /static/common/logo.png
:width: 20 em
:align: center
A caption: A logo I like
結果は以下のようになります:
他の参照との衝突を避けるため、図のアンカーは常に _figure_
で始め、図のキャプションにつながりやすい用語を使用してください。画像は中央揃えのみが必須ですが、図には必要に応じて他のオプション(width
、height
、scale
など)を自由に使ってください。
スクリプトは、ドキュメントから生成されるHTML版とPDF版の図のキャプションの前に、自動的に生成された番号を挿入します。
キャプションを使用するには( My caption を参照)、図ブロックに空白行の後ろに字下げテキストを挿入します。
図はこのような参照ラベルを使って参照付けできます:
see :numref:`figure_logo`
こう表示されます:
see 図 2.23
これが図を参照する好ましい方法です。
注釈
:numref:
を機能させるには、 図に キャプションが必要です 。
参照には :numref:
の代わりに :ref:
を使うことができますが、それは画像の完全なキャプションを返します。
see :ref:`figure_logo`
こう表示されます:
表
簡単な表は次のように符号化できます
======= ======= =======
x y z
======= ======= =======
1 2 3
4 5
======= ======= =======
このように表示されます:
x |
y |
z |
---|---|---|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
空を作るには \
(バックスラッシュ)にひとつの空白を続けます。
また、より複雑な表を作成して参照することもできます:
.. _my_drawn_table:
+---------------+--------------------+
| Windows | macOS |
+---------------+--------------------+
| |win| | |osx| |
+---------------+--------------------+
| and of course not to forget |nix| |
+------------------------------------+
My drawn table, mind you this is unfortunately not regarded as a caption
You can reference it like this: my_drawn_table_.
結果:
Windows |
macOS |
My drawn table, mind you this is unfortunately not regarded as a caption
You can reference to it like this my_drawn_table.
もっと複雑な表には list-table
を使うのが簡単です:
.. list-table::
:header-rows: 1
:widths: 20 20 20 40
* - What
- Purpose
- Key word
- Description
* - **Test**
- ``Useful test``
- complexity
- Geometry. One of:
* Point
* Line
結果:
What |
Purpose |
Key word |
Description |
---|---|---|---|
Test |
|
complexity |
Geometry. One of:
|
2.1.7. 索引
索引は読者がドキュメント内で必要な情報を見つけるのを手助けする手軽な方法です。QGISドキュメントは必須の索引項目のみを提供しています。本当に有用な(よく整理され、首尾一貫し、相互に関連づけられた)索引項目のセットのみを提供する助けとなるルールがいくつかあります。
索引は、人間が読めるもの、理解できるもの、翻訳可能なものでなければなりません。索引は複数の単語から作ることができますが、それらを繋ぐ不要な
_
や-
などは使用しないようにしてください。たとえばloading_layers
やloadingLayers
ではなく、Loading layers
としてください。特別な綴りを持つ単語でない限りは、索引語の最初の文字のみを大文字にします。たとえば、
Loading layers
、Atlas generation
、WMS
、pgsql2shp
などとします。常に現在の 索引語リスト に注意を払うことで、より好適な表現を正しい綴りで再利用し、不要な重複は避けるようにしてください。
RSTには索引用のタグがあります。行内タグ :index:
は通常のテキスト中で次のように使います。
QGIS can load several :index:`Vector formats` supported by GDAL ...
ブロックレベルのマークアップの .. index::
を使うこともできます。これは次の段落の始まりにリンクします。上記ルールにより、ブロックレベルタグの使用を推奨します。
.. index:: WMS, WFS, Loading layers
single
、 pair
、 see
のような索引パラメータの使用も推奨します。これはより構造化され相互に関連した索引語テーブルを作るのに有用です。索引作成についてのより詳しい情報は Index generating を参照してください。
2.1.8. 特別なコメント
時には、説明のいくつかのポイントを強調して、ユーザーに警告したり、注意喚起したり、ヒントを与えたりしたいことがあります。QGIS文書では、reSTの特別なディレクティブである ... warning::
, ... seealso::
, ... note::
, ... tip::
を使っています。これらのディレクティブは、コメントを強調するフレームを生成します。詳しくは 段落レベルのマークアップ をご覧ください。警告とヒントの両方には、明確で適切なタイトルが必要です。
.. tip:: **Always use a meaningful title for tips**
Begin tips with a title that summarizes what it is about. This helps
users to quickly overview the message you want to give them, and
decide on its relevance.
2.1.9. コードスニペット
また、例を示したり、コードスニペットを挿入したい場合もあります。この場合、::
ディレクティブが挿入された行の下にコメントを記述します。 より良いレンダリング、特にコードに言語に合ったカラーハイライトを適用するには、code-blockディレクティブを使います(例:... code-block:: xml`. 詳細は、Showing code を参照してください。
注釈
注意書き、ヒント、警告のフレーム内のテキストは翻訳可能ですが、コードブロックのフレームは翻訳できないので注意してください。そのため、コードに関係のないコメントは避け、コメントはできるだけ短くしてください。
2.1.10. 脚注
注意:脚注はどのような翻訳ソフトでも認識されず、またpdfフォーマットにも適切に変換されません。そのため、可能であれば、文書内で脚注を使用しないでください。
これは、脚注を作成するためのものです(例として示します [1] )
blabla [1]_
これが指しているのは:
2.2. スクリーンショットを管理する
2.2.1. 新しいスクリーンショットを追加
以下は、新しいスクリーンショットを、見た目良く作成するためのヒントです。画像ファイルは、参照元の .rst
ファイルがあるフォルダの中の、画像フォルダ (img/
) に置きます。
このリポジトリの
./qgis-projects
フォルダには、スクリーンショットを作成するために用意されたQGISプロジェクトがいくつかあります。これにより、QGISの次のバージョンのスクリーンショットを簡単に再現することができます。これらのプロジェクトはQGIS Sample Data (別名Alaskaデータセット)を使用しています。解凍してQGIS-Documentation Repositoryと同じフォルダに置く必要があります。ウィンドウは説明に必要な範囲で最小にします(小さなモーダルウィンドウのためだけに全画面表示をするのは過剰です)。
ごちゃごちゃしていないほど良いです(すべてのツールバーをアクティブにする必要はありません)。
画像編集ソフトでリサイズしないでください。サイズは必要であれば
.rst
ファイル中で設定されます(解像度を適切に上げることなく大きさだけを縮小すると、画像が汚くなります)。背景はカットします。
背景が白でない場合は上部の角を透明にします。
印刷サイズ解像度を
135 dpi
に設定します(たとえば Gimp で印刷解像度を設定するにはメニューで を選択して保存します)。これによって、画像はHTMLではオリジナルサイズで、PDFでは印刷に適した解像度となります。ImageMagickのconvertコマンドを使えば、この処理を次のようにバッチ処理で行うこともできます。convert -units PixelsPerInch input.png -density 135 output.png
.png
で保存します (.jpeg
は避けてください)。スクリーンショットはテキストの記載に従った内容を表示していなければなりません。
Tip
Ubuntuの場合、以下のコマンドでグローバルメニュー機能を取り除き、メニューを持った小さなアプリケーション画面を作ることができます:
sudo apt autoremove appmenu-gtk appmenu-gtk3 appmenu-qt
2.2.2. 翻訳されたスクリーンショット
翻訳されたユーザガイド用にスクリーンショットを作成したい人向けのヒントです。
翻訳された画像は img/<your_language>/
フォルダに置きます。英語のオリジナルのスクリーンショットと同じファイル名を使用してください。
2.3. プロセシングアルゴリズムのドキュメントを作成する
プロセシングアルゴリズムのドキュメントを書きたいときは、以下のガイドラインを考慮してください。
処理アルゴリズムのヘルプファイルは、QGISユーザーガイドの一部であるので、ユーザーガイドとその他の文書と同じフォーマットを使用します
各アルゴリズムのドキュメントは対応する プロバイダ フォルダと グループ ファイル中に置いてください。アルゴリズム ボロノイポリゴン は QGIS プロバイダと vectorgeometry グループに属します。そのため、説明を追加する正しいファイルは
source/docs/user_manual/processing_algs/qgis/vectorgeometry.rst
です。注釈
ガイドを書き始める前に、そのアルゴリズムの説明がないかどうかを確認してください。すでにある場合は、既存の説明を拡張できます。
各アルゴリズムには、プロバイダ名+アルゴリズム自身の固有名に対応した アンカー があることが 極めて 重要です。これは、ヘルプボタンが正しいセクションのヘルプページを開くことを可能にします。アンカーはタイトルの 上 に配置する必要があります。例 (ラベル/参照 もご覧ください):
.. _qgisvoronoipolygons: Voronoi polygons ----------------
アルゴリズム名を調べるには、「プロセシング」ツールボックスのアルゴリズム上にマウスを置くだけです。
アルゴリズム説明の最初の一文に「このアルゴリズムは、これこれこういうことをします…」という表現は避けてください。次のような、より一般的な表現を使うようにしてください:
Takes a point layer and generates a polygon layer containing the...
アルゴリズムがすることをその名前を繰り返すことで説明するのは避け、また、パラメータの名前をパラメータの説明の中で繰り返さないようにしてください。例えば、アルゴリズムが
ボロノイポリゴン
の場合、入力レイヤ
をポリゴンの計算に使用するレイヤ
と記述することを検討してください。説明中ではアルゴリズムにQGISのデフォルトショートカットがあるか、またはインプレース編集をサポートするのかを示します。
画像を追加してください!画像は千の言葉に値します!
.png
形式を使用し、ドキュメントの一般的なガイドラインに従います(詳細は 図と画像 セクションを参照してください)。画像ファイルは正しいフォルダ、つまり編集中の.rst
ファイルの隣にあるimg
フォルダに置いてください。必要に応じて、アルゴリズムに関する追加情報(例:出版物やウェブページ)を提供するリンクを「See Also」セクションに追加します。「 See also」セクションは、本当に見るべきものがある場合にのみ追加してください。グッドプラクティスとして、「See also」セクションは、類似のアルゴリズムへのリンクで埋めることができます。
アルゴリズムのパラメータと出力について明確に説明してください。既存のアルゴリズムからヒントを得てください。
アルゴリズムオプションの詳細な説明と重複しないようにします。この情報は、パラメータの説明に追加してください。
アルゴリズムやパラメータの説明にベクタジオメトリの型に関する情報を追加することは避けてください。その情報はパラメータの説明で利用できます。
パラメータのデフォルト値を追加する。例:
* - **Number of points** - ``NUMBER_OF_POINTS`` - [number] Default: 1 - Number of points to create
サポートされている入力の 型 を説明してください。利用できる型がいくつかあり、次から選ぶことができます:
パラメータ/出力型
Description
視覚的な表示
ポイントベクタレイヤ
vector: point
ラインベクタレイヤ
vector: line
ポリゴンベクタレイヤ
vector: polygon
一般的なベクタレイヤ
ベクタ: 任意
ベクタフィールド数値
tablefield: numeric
ベクタフィールド文字列
tablefield: string
ベクタフィールド一般
tablefield: any
ラスタレイヤ
raster
ラスタバンド
raster band
HTMLファイル
html
テーブルレイヤ
table
式
expression
ポイントジオメトリ
coordinates
領域
extent
CRS
crs
列挙
enumeration
リスト
list
数値
number
文字列
string
ブール値
ブール値
フォルダパス
フォルダ
ファイル
file
行列
matrix
レイヤー
layer
出力の型は入力の型と同じ
same as input
定義
definition
Point
point
マルチレイヤ
multipleLayers
Range
range
AuthConfig
authconfig
メッシュ
mesh
レイアウト
layout
LayoutItem
layoutitem
色
color
縮尺
scale
既存の、よく文書化されたアルゴリズムを研究し、有用なレイアウトをすべてコピーします。
作業が終わったら、 貢献のための一歩一歩 に記載されているガイドラインに従って、変更をコミットし、Pull Request を作成するだけです。
こちらがレイアウトと説明の助けになる 既存アルゴリズム の例です:
.. _qgiscountpointsinpolygon:
Count points in polygon
-----------------------
Takes a point and a polygon layer and counts the number of points from the
point layer in each of the polygons of the polygon layer.
A new polygon layer is generated, with the exact same content as the input
polygon layer, but containing an additional field with the points count
corresponding to each polygon.
.. figure:: img/count_points_polygon.png
:align: center
The labels in the polygons show the point count
An optional weight field can be used to assign weights to each point.
Alternatively, a unique class field can be specified. If both options
are used, the weight field will take precedence and the unique class field
will be ignored.
``Default menu``: :menuselection:`Vector --> Analysis Tools`
Parameters
..........
.. list-table::
:header-rows: 1
:widths: 20 20 20 40
* - Label
- Name
- Type
- Description
* - **Polygons**
- ``POLYGONS``
- [vector: polygon]
- Polygon layer whose features are associated with the count of
points they contain
* - **Points**
- ``POINTS``
- [vector: point]
- Point layer with features to count
* - **Weight field**
Optional
- ``WEIGHT``
- [tablefield: numeric]
- A field from the point layer.
The count generated will be the sum of the weight field of the
points contained by the polygon.
* - **Class field**
Optional
- ``CLASSFIELD``
- [tablefield: any]
- Points are classified based on the selected attribute and if
several points with the same attribute value are within the
polygon, only one of them is counted.
The final count of the points in a polygon is, therefore, the
count of different classes that are found in it.
* - **Count field name**
- ``FIELD``
- [string]
Default: 'NUMPOINTS'
- The name of the field to store the count of points
* - **Count**
- ``OUTPUT``
- [vector: polygon]
Default: [Create temporary layer]
- Specification of the output layer type (temporary, file,
GeoPackage or PostGIS table).
Encoding can also be specified.
Outputs
.......
.. list-table::
:header-rows: 1
:widths: 20 20 20 40
* - Label
- Name
- Type
- Description
* - **Count**
- ``OUTPUT``
- [vector: polygon]
- Resulting layer with the attribute table containing the
new column with the points count