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ベクタデータ

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目的:

GISで利用される際のベクタデータモデルを理解すること

キーワード:

ベクタ、ポイント、ポリライン、ポリゴン、頂点、ジオメトリ、スケール、データクオリティ、シンボロジ、データソース

概要

ベクタ は、GISの環境に現実世界の 地物 を表現する1つの手法です。地物とは景観中に目にすることができる何もかもです。丘の頂上に立っているところを想像して下さい。見下ろすと家屋、道路、樹木、河川など (figure_landscape を参照)を見ることができます。これらのもののそれぞれが、GISアプリケーションで表示する時の 地物 です。ベクタ地物は 属性 を持っており、それは地物を 説明する テキストあるいは数値情報で構成されます。

Figure Landscape 1:

../../_images/landscape.jpg

道路、家屋、樹木などの主要な地物が見える景観を見渡す。

ベクタ形式の地物は、 ジオメトリ を用いて形状を表します。ジオメトリは1つまたはそれ以上の相互につながった 頂点 で作られます。頂点は空間における位置を X , Y そして必要に応じて z 軸を用いて表します。``Z``軸がある頂点を持つジオメトリは、それが各頂点の高さまたは深さ(両方ではない)を表すため、しばしば 2.5D と呼ばれます。

地物のジオメトリが単一の頂点からなる場合、それは ポイント 地物と言われます(イラストfigure_geometry_point_を参照)。ジオメトリが2つの以上の頂点で構成され、最初と最後の頂点が等しくない場合、 ポリライン 地物が形成されます(イラストfigure_geometry_polyline_を参照)。三つ以上の頂点が存在し、最後の頂点が最初に等しいと、閉じた ポリゴン 地物が形成されます(イラストfigure_geometry_polygon_を参照)。

Figure Vector Geometries 1:

../../_images/point_feature.png

ポイント地物は、そのX, Y と必要に応じて Z 座標で表現されます。ポイント属性は、そのポイントが例えば樹木あるいは街灯であるかどうかを表します。

Figure Vector Geometries 2:

../../_images/polyline_feature.png

ポリラインは一連の結合された頂点です。それぞれの頂点は X, Y (そして必要に応じて Z)座標を持ちます。属性はポリラインを表します。

Figure Vector Geometries 3:

../../_images/polygon_feature.png

ポリゴンはポリラインのように、一連の頂点です。しかし1つのポリゴンにおいて、最初と最後の頂点は常に同じ位置にあります。

先にご覧いただいた景観写真を見直してみると、GISが表している異なるタイプの地物を見ることができるはずです。 (see illustration figure_geometry_landscape)

Figure Landscape 2:

../../_images/landscape_geometry.jpg

GISで表現する際の景観地物。河川(青)と道路(緑)はラインで、樹木はポイント(赤)で、家屋はポリゴン(白)で表される。

ポイント地物の詳細

ポイント地物について説明する際に最初に認識する必要があることは、GISでポイントとして表示するものは、考え方にもよるが、しばしば縮尺に依存します。例として都市を見てみましょう。もし小縮尺の地図(広いエリアをカバーする)を持っている場合、都市をポイント地物として表すのが適しています。しかし、大縮尺へと地図をズームさせるにつれて、ポリゴンで都市の境界を表示する方がふさわしくなります。

ポイントで地物を表示することを選択する場合、スケール(どれだけその地物から離れているか)、利便さ(ポリゴン地物よりもポイント地物を作成する方が時間と労力が少なくなります)、地物のタイプ(電話のポールのようなポリゴンで格納することが単に意味が無いもの)が大方左右します

イラスト figure_geometry_point に示したように、点地物はX値、Y値、そして場合によってはZ値を有します。XとYの値は使用されている 座標参照系 (CRS)に依存します。後のチュートリアルでは参照座標系についてより詳細に説明する予定です。今のところは、CRSとは特定の場所が地球の表面上にある場所を正確に記述するための方法である、とだけしておきましょう。最も一般的な参照系の一つは 経度と緯度 です。経度の線は北極から南極へ引かれます。緯度の線は東から西へ引かれます。経度(X)と緯度(Y)を与えれば、地球上のどの場所であれ、どこにいるか正確に記述できます。木や電柱のために同様の測定を行って地図上にマークすると、ポイント地物が作成されるでしょう。

我々は地球は平らではない知っているので、点の地物にはZ値を追加すると便利です。これは、あなたにどのように海抜が高いかについて説明します。

ポリライン地物の詳細

ポイント図形は単一の頂点ですが、 ポリラインは二つ以上の頂点を持ちます 。ポリラインは figure_geometry_polyline に示すように、各頂点を通って引かれる連続的な経路です。2つの頂点が連結されている場合、ラインが作成されます。二つ以上が結合しているとき、「ラインのライン」すなわち ポリライン が形成されます。

ポリラインは、道路、河川、輪郭、歩道、飛行経路などの 線形の地物 の幾何形状を示すために使用されます。時にはそれらの基本的な幾何形状に加えて、ポリラインのための特別なルールがあります。例えば、等高線は互いに接する(例えば崖面で)ことはできますが交わることはありません。同様に、道路網を格納するために使用されるポリラインは、交差点で接続されるべきです。GISアプリケーションによっては、図形タイプ(例えば道路)に対してこれらの特別な規則を設定できて、そうするとこれらのポリラインが常にこれらの規則に準拠していることをGISの方で確認してくれるものもあります。

湾曲したポリラインは、頂点間の距離が非常に大きい場合、それを見る時の倍率によっては、カクカク だったりギザギザに見えるかもしれません( figure_polyline_jagged を参照)。このためポリラインでは、データを使用したい縮尺に対して頂点間の距離が十分に小さくデジタル化されている(コンピュータに取り込まれている)ことが重要です。

Figure Polyline 1:

../../_images/jagged_polyline.png

小さいスケール(1:20 000左側に)で見てポリラインが滑らかに湾曲し表示されることがあります。大スケール(1:500 より右に)にズームするとポリラインはとても角ばって見えるかもしれません。

ポリラインの 属性 はその性質または特徴を記述します。例えば、道路のポリラインは、舗装が砂利かタールか、何車線あるか、一方通行路かどうか、を記述する属性を持つことがあります。GISではこれらの属性を使用して、ポリライン地物をそれに相応しい色や線のスタイルで記号化できます。

ポリゴン地物の詳細

ポリゴン地物は、ダム、島、国境などの 囲まれた領域 です。ポリライン地物と同様に、ポリゴンは連続線で連結された一連の頂点から作成されます。しかし、ポリゴンは常に閉じた領域を記述しているので、最初と最後の頂点は常に同じ場所でなければなりません!ポリゴンは、多くの場合、 共有ジオメトリ —隣接するポリゴンと共通している境界を有します。多くのGISアプリケーションには、隣接するポリゴンの境界が正確に一致することを確実にする能力をがあります。このチュートリアルの後の トポロジ トピックではこれについて見ていきます。

ポイントとポリラインと同様に、ポリゴンは 属性 を持っています。属性は、ポリゴンごとに記述します。例えば、ダムは深さと水質の属性を持っている可能性があります。

レイヤ内のベクタデータ

ベクトルデータとは何かを説明し終わったところで、データを管理し、GIS環境で使用されている方法を見てみましょう。ほとんどのGISアプリケーションではベクトル地物を レイヤー にグループ化します。レイヤー内の地物は、同じジオメトリタイプ(例えば、すべてポイント)と同じ種類の属性(木レイヤーについて何種かという情報)を持っています。例えば学校内のすべての歩道の位置を記録している場合、それらは通常、コンピュータのハードディスクにまとめて保存され、単一のレイヤーとしてGISに表示されます。マウスを1回クリックするだけで、GISアプリケーションでそのレイヤーのためのすべての地物を表示したり非表示にしたりできるようになるので、これは便利です。

ベクタデータの編集

GISアプリケーションでは、ジオミトリデータを作成、修正することができます。 –– このプロセスは、一般に デジタイジング と呼ばれます–– デジタイジングについては、後述のチュートリアルで説明します。レイア中にポリゴン (例. 農業用貯水池)がある場合, 新たなポリゴンを作成することが可能です。同様に、地物の形状を変更することも可能ですが、ポリゴンの規則に従う必要があります。例えば、1つの頂点しかない線を引くことはできません –– これは、線は必ず2つ以上の頂点を有する必要があるからです。

ベクトルデータの作成と編集は、興味のあるもののために個人的データを作成できる主要な方法の一つであるため、GISの重要な機能です。たとえば、川での汚染を監視している、とします。GISを使用すると、雨水排水のためのすべての排水口を(ポイント地物として)デジタル化できるでしょう。また、川自体を(ポリライン地物として)デジタル化できるでしょう。最後に、川の流路に沿ってpHレベルを読み取り、これらを読み取った場所を(ポイントレイヤとして)デジタル化できます。

自らデータを作成するだけでなく、たくさんの入手および利用可能なフリーのベクタデータがあります。たとえば、地図測量局(国土地理院)からは 1:50 000 のマップシートで表示されるベクタデータを入手できます。

縮尺とベクタデータ

地図 縮尺 は、GISのベクタデータを扱う際に考慮すべき重要な問題です。データがキャプチャされるときは、既存の地図から、または測量記録と全地球測位システム(GPS)装置から情報を取ることにより、通常はデジタル化されます。地図はさまざまな縮尺を持っているので、(例えば紙の地図をデジタル化することによって)地図からGIS環境にベクタデータをインポートする場合は、デジタルベクタデータは、元の地図と同じ縮尺の問題があります。この効果は、イラスト figure_vector_small_scalefigure_vector_large_scale で見ることができます。多くの問題は、地図の縮尺の拙い選択から生じ得ます。例えば湿地保全エリアを計画するためにイラスト figure_vector_small_scale 中のベクタデータを使用すると、湿地の重要な部分が可能性が保全区外に残されることになります!その一方、地域の地図を作成しようとしている場合は、1:1000000で取り込んだデータを使用するのはちょうど良くて、データを取り込む時間と労力を大きく省けるかもしれません。

Figure Vector Scale 1:

../../_images/small_scale.png

小スケール(1:1000000)マップからデジタル化されたベクタデータ(赤線)。

Figure Vector Scale 2:

../../_images/large_scale.png

大スケール(1:50000)のマップからデジタル化されたベクタデータ(緑色の線)。

シンボロジー

GISアプリケーションでマップビューにベクトルレイヤーを追加すると、それらはランダムな色と基本的なシンボルで描画されます。GISを使用しての大きな利点の一つは、非常に簡単にパーソナライズされた地図を作成できることです。GISプログラムでは、地物タイプに合った色を選択できます(例えば、青で水域ベクトルレイヤーを描画するよう設定できます)。GISでは使用する記号も調整できます。だから樹木のポイントレイヤーを持っているのであれば、最初にレイヤーをロードした時GISが使用する基本的な円マーカーではなく、木の小さな絵を各ツリーの位置に表示できます(イラスト figure_vector_symbology figure_generic_symbology figure_custom_symbology を参照)。

Figure Vector Symbology 1:

../../_images/symbology_settings.png

GISでは、レイヤ内のフィーチャを描画する方法を調整する(上記のような)パネルを使用することができます。

Figure Vector Symbology 2:

../../_images/symbology_generic.png

レイヤ(例えば上にある木のレイヤ)が初めてロードされると、GISアプリケーションは一般的なシンボルを与えます。

Figure Vector Symbology 3:

../../_images/symbology_custom.png

調整を行った後、木を表現するようにポイントが見えた方がはるかに無難です。

シンボロジーは強力な特徴です、そしてマップが、生活とデータを、よりGISを理解するようにします。後に続くトピックで(ベクタ属性データ) 、我々はシンボロジーが、ユーザがベクタデータを理解するのに役立つかを深く探求します。

我々は、GISにおいてベクタデータで何ができる?

最も単純なレベルで通常の地形図を使用するのとほぼ同じ方法で、GISアプリケーションでのベクトルデータを使用できます。GISの真の力は、「ある河川の100年洪水レベルの範囲内にある家はどれ?」; 「なるべく多くの人が簡単に行けるように病院を配置したいが、最適な場所はどこ?」; 「ある特定の郊外に住んでいる学習者は誰?」といった質問を尋ね始めたときに発揮され始めます。GISは、ベクトルデータの助けを借りてこれらの種類の質問に答えるための素晴らしいツールです。一般的には 、これらの種類の質問に答えるプロセスを 空間分析 と言います。このチュートリアルの後のトピックでは、より詳細に空間分析を見ていきます。

ベクタデータの一般的な問題

ベクタデータの取り扱いには,いくつかの問題や課題があります。既に挙げた例として、異なる縮尺でベクタデータが作成されることによって起こる問題があります。これに加えて、ベクタデータの正確さと信頼性を担保するためには、多くのメインテナンス作業が必要となることも挙げられます。不正確なベクタデータは、データを作成する際に使用したツールが適切に設定されていない場合、作成者が注意深く作業を行わなかった場合、十分に詳細なデータ収集を行うには時間とお金が足りなかった場合、などに生じ得るものです。

質の低いベクタデータをGIS上に表示させると、この不正確な箇所をよく見かけることがあります。例えば slivers は2つのポリゴンの境界が正常に接合していない場合に生じます(figure_vector_slivers_参照)

Figure Vector Issues 1:

../../_images/vector_slivers.png

Sliversは隣接する二つのポリゴンの境界を構成する頂点がうまく合致していないときに発生します。小縮尺(ex.左図 1 )ではこれらのエラーを見つけられないかもしれません。しかし大縮尺(ex.右図 2 )にするとそれらが二つのポリゴンの間の細い領域として顕在化します。

overshoots は道路データのようなラインフィーチャが、本来ぴったり接合すべき対象の道路フィーチャに対して、交差しはみ出している状態を指します。 Undershoots はラインフィーチャ(ex.河川データ)が、接合すべき対象のフィーチャに対して、接合できていない状態を指します。Figure figure_vector_overshoots は undershoots と overshoots がどのようなものかを示しています。

Figure Vector Issues 2:

../../_images/vector_overshoots.png

Undershoots (1) は互いに接合すべきラインフィーチャをぴったり接合せずにデジタイズを行うと発生します。Overshoots (2) は接合すべきラインの端点が接合対象のフィーチャを飛び越え交差してしまった際に発生します。

このようなタイプのエラーがあるため、デジタイズを注意深く正確に行うことはとても重要です。これから先のトピックにある topology では、この種のエラーのいくつかについてさらに詳しく検討します。

わかりましたか?

ここでは以下のことを学びました:

  • GISにおいて、 ベクタデータ は現実世界を代表する 地物 を表現するために利用されます。

  • ベクタの地物は または ポリゴンジオメトリ タイプを持つことができます。

  • 各ベクタの地物は、属性データ を持ち、それを記述します。

  • 地物のジオメトリ(幾何形状)は 頂点 の観点で記述されます。

  • ポイントジオメトリは、 1つの頂点 (X、Yおよび任意でZ)で構成されています。

  • ポリラインジオメトリは ラインをつないで形成する 2つ以上の 頂点で構成されています。

  • ポリゴンジオメトリは閉じたエリアを形成する 少なくとも4つの頂点 で構成されています。最初と最後の頂点は常に同じ位置です。

  • 使用するジオメトリタイプの選択は、スケール、利便性とGISにおいてデータで何をやりたいかに依存します。

  • ほとんどのGISアプリケーションでは、単一のレイヤで複数のジオメトリタイプを混在させることはできません。

  • デジタイジングは、GISアプリケーションで描画することにより、デジタルベクタデータを作成するプロセスです。

  • ベクタデータは アンダーシュート , オーバーシュート そして かけら のような、気づくべき品質的問題を持ちます。

  • GISアプリケーションではベクタデータを 空間分析 に利用できます。例えば、学校に近い病院を見つけるなどです。

Figure figure_vector_summary で、GISのベクタデータのコンセプトをまとめました。

Figure Vector Summary 1:

../../_images/vector_summary.png

この図は、GISアプリケーションがベクタデータを扱う方法を示しています。

やってみよう

ここでは人に教える際のアイデアいくつか述べていきます:

  • 学習者が地図上にそれらを強調表示することによって、ベクトルデータの異なるタイプの例を識別できた場合( figure_sample_map に示すような)お住まいの地域のためのtoposheetマップのコピーを使用して、参照してください。

  • 学校の敷地内に、現実世界の特徴を表すためにGISにベクタ地物をどのように作成するか考えてください。学校の中と周りの異なる地物のテーブルを作成し、その後、学習者たちにそれらはGISではポイント、ライン、ポリゴンのどれで表現するのが最善かを決定する課題を与えます。例えば table_vector_1 を参照してください。

Figure Sample Map 1:

../../_images/sample_map.png

このマップ上の2点の地物と1つのポリゴンを識別することができますか?

実際の地物

最適なジオメトリタイプ

学校の旗のポール

 

サッカー場

 

学校および周辺の歩道

 

タップが置かれている場所

 
Etc.  

表ベクトル1:このようなテーブルを作成します(空のジオメトリタイプの列を残して)、適切なジオメトリタイプを決定するために学習者に尋ねます。

考えてみよう

利用可能なコンピュータがなくても、ベクタデータを学習者に見せるためトポシートと透明なシートを使用できます。

より詳しく知りたい場合は

QGISユーザーガイドでは, ベクタデータの操作についてより詳細な情報が含まれています.

次は?

次のセクションでは**属性データ** について詳しく見て、それがどうベクトル地物を記述するか確認しましょう。