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ベクタ空間分析(バッファ)

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目的:

ベクタ空間分析におけるバッファ利用の理解

キーワード:

ベクタ、バッファゾーン、空間分析、バッファ距離、境界のディゾルブ、内側方向および外側方向のバッファ、複数のバッファ

概要

空間分析 は、 GISデータから新たな追加的な意味を抽出するために、空間情報を使用します。空間分析はたいていGISアプリケーションを使用して行われます。GISアプリケーションには、図形統計(例えばこのポリラインはいくつの頂点で構成されるか?)または図形バッファリングなどのジオプロセシングのための空間分析ツールがあるのが普通です。使用される空間分析の種類は、対象領域に応じて変化します。水の管理や研究(水文学)で働く人々は、等高線の分析と、それを横切って移動する水をモデル化することに興味がありそうです。野生生物管理ではユーザーは、野生生物のポイントでの位置と環境との関係を扱う分析機能に興味があります。このトピックにおいてはバッファリングを、ベクトルデータで行うことができる便利な空間分析の例として説明します。

バッファリングの詳細

バッファリング は通常2つのエリアを作成します:1つは、選択した現実世界の地物から指定距離 のエリア、もう1つは のエリアです。特定の距離内の領域を バッファゾーン といいます。

バッファゾーン とは、現実世界の地物を互いから離しておくという目的に資する何らかの領域です。バッファゾーンは、多くの場合、環境を保護する、産業事故や自然災害から住宅や商業ゾーンを保護する、または暴力を防ぐために設定されます。バッファゾーンの一般的なタイプは、住宅地と商業地間の緑地帯、国間の国境地帯、空港周りの騒音防止ゾーン、川沿いの汚染保護ゾーンであったりします(figure_buffer_zone_参照)。

Figure Buffer Zone 1:

../../_images/buffer_zone.png

アメリカとメキシコの境界はバッファゾーンによって分けられています( SGT Jim Greenhill 2006によって撮影された写真)。

GISアプリケーションでは、 バッファゾーンエリア は他のポリゴン、ラインまたは他の点地物を包含するような ベクタポリゴン に代表されます( figure_point_buffer, figure_line_buffer を参照 )。

Figure Point Buffer 1:

../../_images/point_buffer.png

ベクタポイント周辺のバッファゾーン。

Figure Line Buffer 1:

../../_images/line_buffer.png

ベクタポリライン周辺のバッファゾーン。

Figure Polygon Buffer 1:

../../_images/polygon_buffer.png

ベクタポリライン周辺のバッファゾーン。

バッファの種類

バッファリングにはいくつかのバリエーションがあります。 バッファ距離 またはバッファサイズは各図形のベクトルレイヤ属性テーブルに設けられた数値に応じて**変化**させることができます。数値データで使用される座標参照系(CRS)に係る地図単位で定義されなければなりません。例えば、川の土手に沿ったバッファゾーンの幅は、隣接する土地利用の強さに応じて変化させることができます。集中栽培用のバッファ距離は有機農業用よりも大きくするとか(図figure_variable_buffer_及び表table_buffer_attributes_を参照)。

Figure Variable Buffer 1:

../../_images/variable_buffer.png

異なったバッファ距離でバッファリングされた河川

河川

隣接する土地利用

バッファ距離(メートル)

ブリード川

集中的な野菜耕作

100

コマティ

集中的な綿の耕作

150

オラニエ

有機農業

50

テレ川

有機農業

50

テーブルバッファ属性1:隣接する土地利用に関する情報に基き河川までのバッファ距離が異なる属性テーブル。

こうしたポリライン図形、河川や道路など、の周りのバッファは、ラインの両側にある必要はありません。それらはライン図形の左側または右側のいずれかにすることができます。これらの場合に左側か右側かは、デジタル化の間のラインの始点から終点までの方向によって決定されます。

複数のバッファゾーン

図形は複数のバッファゾーンを持つことができます。原子力発電所には10、15、25、30キロの距離のバッファを持つことができ、したがって避難計画の一環として工場の周囲に複数の環を形成します(figure_multiple_buffers_参照)。

Figure Multiple Buffers 1:

../../_images/multiple_buffers.png

10, 15, 25 そして 30kmの距離でバッファリングする点フィーチャ

そのまままたはディゾルブされた境界でのバッファリング

バッファゾーンの間に重複領域が存在しないよう、バッファゾーンは多くの場合に境界をディゾルブします。しかし、バッファーゾーンの境界をそのままにしておき、各バッファゾーンは別個の多角形であり重複領域を特定できる方が有用である場合もあります(図figure_buffer_dissolve_を参照)。

Figure Dissolve Buffers 1:

../../_images/buffer_dissolve.png

重複を示すエリアで、ディゾルブされ(左)変化ない境界(右)をもつバッファゾーン Buffer zones with dissolved (left) and with intact boundaries (right) showing overlapping areas.

外側または内側へのバッファリング

ポリゴンフィーチャの周囲のバッファゾーンは、通常、ポリゴンの境界から外側に広がりますが、ポリゴンの境界から内側にバッファゾーンを作成することも可能です。例えば、観光省がロベン島の周りに新しい道路を計画したくて、環境法では道路は海岸線から少なくとも200メートル内側にあることが要求されるとします。観光省は海岸線から内への200メートルラインを見つけるために、内側にバッファを使用して、その線を越えないように自分たちの道路を計画できます。

一般的な問題 / 注意すべき点

ほとんどのGISアプリケーションは、分析ツールとしてバッファ作成を提供していますが、バッファを作成するためのオプションはいろいろです。たとえば、ライン図形の左右両側へバッファリングすること、バッファゾーンの境界をディゾルブすること、ポリゴンの境界から内側にバッファリングすることが、すべてのGISアプリケーションでできるわけではありません。

バッファ距離は常に整数(整数)または小数(浮動小数点値)として定義されなければなりません。この値は、ベクトルレイヤーの座標参照系(CRS)に従った地図単位(メートル、フィート、小数の度)で定義されています。

さらなる空間分析ツール

バッファリングは重要かつ頻繁に使用される空間解析ツールですが、ユーザがGISで使用して検討できるものは他にも多くあります。

**空間オーバーレイ**は、同じ領域の全部または一部を共有する2つのポリゴンフィーチャ間の関係を特定することを可能にするプロセスです。出力されるベクトルレイヤーは入力図形情報の組み合わせです(figure_overlay_operations_参照)。

Figure Overlay Operations 1:

../../_images/overlay_operations.png

2つのベクタレイヤ (a_input = 方形, b_input = 円)の空間オーバーレイ。結果のベクタレイヤは緑で表示されます。

典型的な空間オーバーレイの例:

  • インターセクション: 出力レイヤは2つのレイヤの重なる(交わる)すべての領域を含みます。

  • ユニオン:出力レイヤは組み合わせた2つの入力レイヤのすべての領域を含みます。

  • 対称差:出力レイヤーには、入力レイヤーのすべての領域が含まれます。ただし、2つのレイヤーが重なる(交わる)領域は除きます。

  • 差分:出力レイヤには、第2の入力レイヤと重ならない(交わらない)、第1の入力レイヤのすべての領域が含まれます。

わかりましたか?

ここでは以下のことを学びました:

  • バッファゾーン は、現実世界の地物の周りの領域を示します。

  • バッファゾーンは常に ベクタポリゴン です。

  • 地物は 複数の バッファゾーンを持ちえます。

  • バッファゾーンのサイズは**バッファ距離**によって定義されます。

  • バッファ距離は 整数 または 小数点 の値でなければいけません。

  • バッファ距離は、ベクトルレイヤ内の各地物ごとに異なることもありえます。

  • ポリゴンは、その境界から 内側へ または 外側へ バッファを作成できます。

  • **そのまま**または**ディゾルブ**された境界で作成されたバッファゾーン

  • バッファリングの他に、GISは、空間的なタスクを解決するために、通常いろいろなベクタ解析ツールを提供します。

やってみよう

ここでは人に教える際のアイデアいくつか述べていきます:

  • 交通量が劇的に増加したため、都市計画担当者は主要道路を拡幅して2車線目を追加したいと思っています。バッファゾーンに入る資産を見つけるために道路の周りにバッファを作成します(figure_buffer_road_を参照)。

  • 抗議グループを制御するために、警察は抗議者を建物から少なくとも100メートル離しておくために中立ゾーンを設置したいと思っています。建物の周りにバッファを作成し、バッファ領域がどこにあるかイベントプランナーにわかるように色付けします。

  • トラック工場が拡張を計画しています。立地基準には、敷地候補は大型道路の1キロ以内でなければならないと規定されています。敷地候補がどこにあるかわかるように、主要道路に沿ってバッファを作成します。

  • 市が、ボトル店舗は学校や教会の千メートルバッファゾーン内にあってはいけないと規定する法律を導入したいと思っていると想像してみてください。学校の周りに1キロのバッファを作成し、それから学校に近すぎるボトル店舗がないか見に行ってください。

Figure Buffer Road 1:

../../_images/buffer_road.png

道路地図(茶)周辺のバッファゾーン(緑)。どの家がバッファゾーンに入るかについて見ることができるので、今、所有者に連絡して状況について話すことができるでしょう。

考えてみよう

利用可能なコンピュータを持っていないならば、建物の周辺にバッファゾーンを作成するために、トポシートとコンパスを使うことができます。コンパスを使って地物に沿って等距離で小さい鉛筆マークを入力してください、それからルーラを使ってマークをつないでください!

より詳しく知りたい場合は

図書:

  • Galati, Stephen R. (2006): Geographic Information Systems Demystified. Artech House Inc. ISBN: 158053533X

  • Chang, Kang-Tsung (2006). Introduction to Geographic Information Systems. 3rd Edition. McGraw Hill. ISBN: 0070658986
  • DeMers, Michael N. (2005). Fundamentals of Geographic Information Systems. 3rd Edition. Wiley. ISBN: 9814126195

ウェブサイト:

QGISユーザーガイドでは, QGISにおけるベクタ分析についてより詳細な情報が含まれています.

次は?

次のセクションでは、ラスタデータを使った空間解析の例として 補間 について詳しく見ましょう。